試験業務でも、現場経験が役に立つ
――入社してからどんなお仕事を?
馬場さん 入社してすぐにNIPPOの関東第二支店試験所に出向して、いきなり高速道路の工事現場に入れられ、通算13年ぐらい出向していました。その当時は大変でしたが、今になってみれば、このときの現場での経験が役に立っていると感じています。
グリコンの場合、設計なら設計だけとか、試験なら試験だけとか、社員のスキルが偏りがちなところがあるんです。グリコンの外に出ることで、いろいろな経験できるというのは、今でも当てはまるところがあると思っています。
飯田にしても、保坂にしても、派遣先の現場での仕事を経験しています。とくに保坂については、今現場で経験していることが後々役に立つだろうと思っています。
グリコンに戻ってからは、当時あった技術3課というところで、これも当時あった財団法人道路保全技術センター舗装研究部という部署の調査検討業務をやっていました。そこでは解析など仕事を学んだほか、グラフなどを用いた報告書のつくり方なども勉強しました。FWDも経験しています。試験所で現場の仕事を知り、技術3課で解析的な仕事を学んだことで、舗装に関することならなにが来ても、だいたい答えられるようになりました。
自分の仕事を振り返ると、仕事面ではツイてたと感じています。今は、舗装に関するすべてを経験できるような人事ではないので、若い人たちは大変だろうなと思います。例えば、FWDは調査センターの所管なので、他の部署の人間が実務を経験することは難しいところがあります。この辺はなんとかうまくやっていきたいと思っているところです。
――上司に恵まれたということはありましたか?
馬場さん それはありましたね。技術3課にいたとき、当時の上司は放任主義で、いろいろと仕事を任せてもらえました。中には厳しい人もいましたが、ツライ思いをしながらも、なんとか支えられてこれまでやってきました。
――飯田さんはどうでしたか?
飯田さん グリコンに入ってからは、NIPPOの技術研究所で働いていました。当時の技術研究所は舗装に関する基礎から教えてもらえるような環境がありました。私は一応土木の勉強をしていましたが、舗装に関してはほぼ素人だったので、一から教えてもらいながら、仕事を覚えることができました。遮熱性舗装などの新技術の開発にも携わることができました。その後は、関東第一試験所に異動して、主に現場試験に携わりました。
――職場の雰囲気はどうでしたか?
飯田さん 諸先輩にわからないことを聞ける環境だったと思います。『試験法をしっかり読んでから質問をしなさい』ともどされたりもありましたが、今思えば、あたりまえのことですね。
――保坂さんはどうでしたか?
保坂さん 1年目は、グリコン関東営業所に配属されました。当時は舗装のことはなにもわからなかったので、室内試験のお手伝いとか、目の前にある仕事をこなすだけでした。2年目からは、NIPPOの技術研究所に派遣され、新商品や新しい工法の開発などに携わっていました。例えば、太陽光パネルの舗装とか、セメント乳剤安定処理などです。その後は、現在お世話になっております関東第一支店試験所です。1年目に現場に入る機会があって、室内試験の考え方と現場試験の考え方の違いなどを知ることができて、凄く勉強になりました。
――舗装のことをまったく知らなくても、なんとかなるものですか?
馬場さん 本人に向上心があれば、一から勉強して一人前になれると思います。
車道透水性舗装のマニュアルに自分が携わったデータが載った
――印象に残っている仕事は?
馬場さん 2003年につくばの土木研究所で車道透水性舗装に関する研究を行ったのですが、それにメンバーとして参加したことです。荷重走行実験場に4種類ぐらいの大きな試験舗装ヤードを施工し、大型散水装置を使って研究しました。この研究に関しては、グリコンの社員として参加しました。研究の後、車道透水性舗装のマニュアル本が世に出ることになるのですが、その中には、私が携わったデータが本に載っています。それを見たときは、充実感というか、満足感を感じました。
飯田さん 派遣先で耐震舗装の検討業務に携わったことです。地震によって、道路が陥没すると、緊急車両などが通れなくなってしまいます。地盤が沈下しても、路面はそのまま残るというのが耐震舗装です。検討では、実物大の路床、路盤、アスファルト層を構築して、わざと路床を陥没させ、舗装がちゃんと残るかを実験しました。ただ、途中で異動になっちゃいましたけど(笑)。
保坂さん コンテナヤードの舗装を調査したことが印象に残っています。室内では舗装構造の知識は学べましたが、実際の現場では、室内で行われたことがどのように反映されているのか学べました。また、排水口やフェンス、門扉などを含めた構造物関係は、どのように設置しているかなど現場でしかわからないことばかりでしたが、経験できて良かったと思っています。
人が足りないので、仕事量が偏りがち
――グリコンの良いところ、悪いところは?
馬場さん 良いところは、会社から細かいことを言われることはあまりなく、好きに仕事させてもらえるところです。信頼してもらっていると捉えていますが、働きがいがあります。最近は若い社員も増えているので、若い者同士ヨコのつながりが生まれて、部内の風通しも良くなってきています。
悪いところは、仕事量に偏りがあって、忙しい部署とそうでない部署がわかれるところかなと思っています。人が足りていないわけです。技術1グループは、半年~1年の工程を組立て実施する仕事が多いのですが、技術2グループは急に依頼が入ってくることがあります。マイペースで仕事ができるところと、そうでないところのバランスをなんとかしたいと思っています。ただ、急な仕事に対応できる人間はそう多くないので、なかなかできないのが悩みどころです。
飯田さん 良いところは、米軍基地とか、ふだん立ち入れないようなところに出入りしたり、仕事内容によりますけど、全国に出張できるところです。レインボーブリッジなどを歩いたりするのは、なかなか経験できないことだと思うので。あとは、会社の風通しが良いところです。社長などともふつうにお話できます。ただ、若い社員は、上司などに対しては、遠慮して一歩引いているようなところがあるので、そこは改善したほうが良いのかなと思っています。
悪いところは、馬場も言っていましたが、人が足りないところです。他のグループの社員に頼むのも、ノウハウ的になかなか難しい状況です。
保坂さん 良いところは、プータローだった人間でも雇ってくださる「寛大な会社」だというところです(笑)。あとは、舗装に関するいろいろな業務を経験できるところです。新しい業務を経験するたびに、いろいろな人と出会え、スキルアップできるからです。
悪いところは、なかなか後輩ができないところです(笑)。職場がいつまでも「年上ばかり」というのは、なんか悲しいです(笑)。
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