社会人1年目の時に起きた事故
社会人になりたての1年生の時、僕自身が労災を起こしました。現場で血を流し、少しの間意識がなくなっていました。
当時僕は、基礎コンクリートの出来形写真を撮るため、地盤よりも1.5mほど低い場所にいました。現場の工区は2つに分かれており、僕がいない工区で埋め戻しの作業が行われていました。
僕が立っていた場所は、ダンプなどの車両が通過するために作られた仮設桟橋のすぐ横。通路として敷き鉄板が敷設されているその付近にいたため、立った時の僕の目線は、ちょうどその鉄板と同じくらいの高さでした。
その日は僕のいる工区には車両が入らない打ち合わせだったので、特に気にすることもなく写真を撮っていました。
ふと、ゴー・・・っという低く重たい音が聞こえて来る気がして、顔を上げました。
目が覚めると病院のベッドの上に
顔を上げると、すぐ前に見えたのは黒く大きな物体。すぐにそれがダンプのタイヤだと気付き、反射的に怖くなったため、身をひるがえそうとしました。
「パンッ!」
何かゴムを弾いたような音が聞こえ、その後の記憶はありません。気がつけば病院のベッドでした。
簡単に言うと、通路の鉄板の上に握り拳くらいの大きさの石が置いてあり、それをダンプのタイヤが踏み、弾いたのです。距離にして1m程度しか離れていない場所に僕の顔があり、ちょうど眉間にそれが当たったのです。
ダンプの運転手は気付かず、血を流して倒れている僕を、たまたま通った電工の職長が見つけたとのことでした。
その後、全てを伝えられた親は涙ぐみ、「そんな仕事はやめなさい」と言われました。そしてその日から半年くらい、親は毎週のようにFAXでいろんな会社の求人広告を送ってきました。心配だったのでしょう。
幸い大きなケガにはならず、顔面打撲ということで事なきを得ました。次の日は土曜日だったこともあり土日を休みにあて、月曜日からは現場に出ていました。もちろん労災認定はされました。
現場監督が行う”安全管理の目的”
現場監督が行う安全管理の目的は2つあります。
1つは現場で働く人の命を守ること。そしてもう1つは、会社を守ることです。
重大な事故リスクは確実に排除し、小さなリスクも可能な限り減らす努力を行うのです。前線で働く職人の安全を最優先に考えます。
ただし、立場が「監督」である以上、自らの安全は常に確保することが鉄則です。万が一の際には、迅速に対処しなければいけないからです。
働く全員が無事に家に帰ること。ある意味では、家族を守ることが大切だとも言えます。でもそれと同時に、彼らを守るために自分も守らなければいけません。
また、実際に安全対策をすることは重要ですが、それだけではなく、対策をしたことを「記録」として残すことも重要です。
なぜなら、安全対策を行ったとしても、多くの場合は何事もなく一日が終わります。現場全体を通して事故が起こることのほうが少ないからです。
そのため、「しっかりとした安全対策を行っている」という記録を残し、現場内外の人間に対して安心感を与えることも重要です。またその記録は、万が一何かが起こったときに、どういう状況だったのかを知るための重要な証拠にもなります。
被害者がただふざけていた時に起きた事故かもしれません。本当に危ない状況だったのかもしれません。それをしっかりと記録することによって、自分の「正当性」を主張し、会社を守ることもできるのです。
安全管理とは、現場を整備したり点検することで、現場で働くすべての人を守ることにあります。そして同時に、その活動を記録していくことによって、会社を守ることも安全管理の1つなのです。
安全書類って面倒くさいですよね。毎日の点検はしんどいですよね。その活動のほとんどは意味があるのかないのかわからないもの。なぜなら、事故はめったに起きないから。
ですが、そう思えているのは、管理が機能している証拠です。地道ですが、大切な業務を淡々とこなしていきましょうね。
※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。