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作業員から見た優秀な施工管理技士の「3大条件」とは?

作業員から見た優秀な施工管理者とは?

世の中に色々な人間がいるように、土木の施工管理技士にも色々なタイプの人間がいます。

作業員からすると、施工管理者が優秀であればスムーズに効率良く仕事が進みます。逆の言い方をすれば、施工管理者が作業員に対して適切な指示ができないと作業が思ったように進みません。

では、作業員の目線から見て「優秀な施工管理者」とはどのような管理能力を持った人なのでしょうか?実際に私が色々な作業員から聞いた話や体験談をもとに説明していきます。

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作業員に文句を言える施工管理者

「え?文句を言うのが好まれるの?」と思った方もいると思います。しかし、この文句こそ、優秀な施工管理者の大きな特徴です。ここで言う文句とは、仕事上の文句のことです。

例えば、工事を進める時に一番気にするのは、構造物の完成形を常にイメージしながら仕事を進めるということですが、工事過程で完成形のイメージと違う施工をしている作業員の方々に、きちんとその構造物の完成形をイメージさせて、それではダメなのだという文句が言えるかということです。

作業員が一番気にするのは、施工期間をいかに短くできるかです。それゆえ、施工が雑になってしまうこともあるのも事実ですが、優秀な施工管理者はここできちんと文句が言えます。

構造物は、小さなズレが最終的に大きなズレになることを分かっているからです。結果、トータルの作業スパンで考えると、施工管理者と作業員の利益率を上げることができるわけです。

仕事に対する”良い文句”を言える施工管理者は、最終的に会社に利益をもたらし、作業員からの信頼も勝ち取れるということです。

作業員の施工を黙って見ているのが良い施工管理者ではありません。会社に利益をもたらす施工管理者が優秀なのだということを頭に置いておきましょう。

数字で表現できる施工管理者

工事現場では常に数字が飛び交います。構造物の寸法、SL計算、座標計算、専門用語を出していけば、キリがないくらい数字と付き合っているわけです。

重機に乗っているオペや作業員は施工が仕事なのです。つまり、施工管理者に数字の管理を任せていることが多いはずです。

私が見てきた数々の優秀な施工管理者は、頭に図面や寸法がインプットされています。必ず現場に入る前に暗記をしてきて、オペが寸法を聞くと、図面を見ることなく即座に数字を答えます。

この数字で表現する力は、「施工管理者なら当たり前だろ?」と思う方もいると思います。しかし、思いのほか数字を管理できてない施工管理者が多いのも事実です。作業員から一目置かれる施工管理者は、この数字の力をよく分かっているのです。

例えば、「この箇所の掘削幅もう少し狭くできる?」と言うのと、「ここの掘削幅は15cmだからもう5cm削れる?」と言うのでは、どちらが分かりやすく説得力がありますか?答えは明白ですよね。

人間は数字を明確に示すことで、その人の言うことの信憑性が上がるという心理があります。この心理効果は本当に当たっています。

そして、作業員の方が求めているのは極端な話、施工の方法よりも、むしろこの具体的な数字なのです。数字で表現することを意識しましょう。そうすれば、あなたの言葉は今まで以上に、作業員に分かりやすく伝わるでしょう。


作業員の立場になって考えられる施工管理者

全てが順調に計画通りに進む工事は滅多にありません。施工計画通りにいかない場合がほとんどです。工事に携わる人なら分かると思いますが、その都度、施工管理者と作業員は頭を捻らせながら施工を進めていきます。

その時に起こるのが、管理者と施工者の考え方の衝突です。管理者が思っている施工方法も、作業員にとっては色々な理由から、その施工方法ができない時も多々あります。

例えば、ベテランのオペがこれ以上、管理者が指示した施工方法を行うと危険だと判断する現場があったとします。そこで施工管理者は作業員の立場になって考えなければいけません。

作業員の方たちも長年色々な現場に携わり、危険なことや失敗を多く経験しています。施工管理者だけの目線で施工を進めると、大きな事故につながる可能性も十分に考えられます。

当たり前ですが、作業員が怪我をした場合、責任は大いに施工管理者にあります。労災を防ぐことも管理の仕事です。作業員が危険だと判断したときに、その声に耳を傾けなければなりません。そして、別の施工計画を立てる能力も求められます。

そのためには、作業員の仕事の仕方を施工管理者も勉強する必要があります。作業員の施工が分かっている管理者は、スムーズに工事を進めることができます。次に施工者が何をするのかを先読みし、段取りができるからです。

つまり、管理だけでなく、現場の勉強をすることで管理者に必要なスキルは必ずレベルアップするのです。

当たり前のことができていない管理者も多い

ここまで読んでくださった方の中には、「なんだ。全部当たり前のことじゃないか」と思われた方もいるかもしれません。しかし、実際に施工を進める際、これらのことができていない管理者も案外多いと思います。

作業員の方が本当に求めている施工管理者は、こういった小さな意識を常に持った管理者です。忘れがちな小さなこと、実はこれこそがとても大切なことなのです。

何かを伝える時は少し言い回しを変える、応用をきかせて難しい施工を少しでも簡単する、こういったことを常に意識しながら仕事ができると、あなたに対する作業員の目も評価も必ず良い方向に変わります。ぜひ実践してみて下さい。

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大学卒業後に一度、建築商材会社に就職するも、その後、現場に立ちたいという想いから、建設会社に転職。 これまでに道路舗装や下水道、解体などの工事に携わってきたが、今は急傾斜地区崩壊対策事業の測量や施工を主に担当している。
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