“安全”は言い出したらキリがない!
もともと現場の施工管理の仕事を主にやってきたが、今は発電所建設工事の現場で安全担当として働いている。
元請の安全責任者のもと毎日安全パトロールが行われ、私もサブコンの安全責任者として参加している。ひと際目立つ安全チョッキを身に着け、現場を巡回するわけだが、見るほうと見られるほうでは、安全パトロールの受け取り方が随分違う。
ハッキリ言って、安全に関しては言いだしたらキリがない。それを、どこで線引きするかは、その現場の状況や会社の方針、担当者の気持ちで決まってくる。結局、安全担当者は文句を言わなきゃならないわけで、言わば「嫌われ役」だ。
誰だって嫌われたくはない。でも、これは言わなきゃ駄目だよなと思いながら、あれこれ指示する安全担当が一般的だ。私も、一歩現場に足を踏み入れた時点で、いくつもの指摘事項が浮かび、不安全行動が目に入ることがある。
そんな時は、最優先で是正しなければならないことから、注意や指示を始めるようにしている。誰にどのタイミングでどのように伝えるかを間違えると、効果は期待できないからだ。
時には、迷わず「これは危ない!」と直感するほどの危険も存在する。そんな場合は、躊躇することなく注意、指示するのが正しい。これは、安全の担当者であろうと、現場での管理者であろうと関係ない。
ただ、規則がどうであれ、人間である以上は感情があるので、「ああいう言い方したら反感買うだけだよな!」とは思われないようにしたい。
いざ、総勢7人で巡回を開始
一緒に安全パトロールを行う人たちが、一体どこまで厳しいことを言うのか、どの程度のことを言うのか、最初はまずはそのレベルを見極めなければ、私も下手なことは言えない。
真面目に全部の現場を回ろうとすると2~3時間は必要なので、通常はコースを決めて1時間ほどで回り切ると言う。
初っ端は、施主側の人間からの指摘事項で、溶接のアンペア数が現場のルールでは180が上限のはずが、280アンペアで使用されていると指摘があったところからの確認だ。
現地に行くと、確かに280アンペアになっている。これは言語道断だろう。早速、設置業者に問い合わせし、使用の有無を確認してから電源を切った。
次に、巡回コース脇で発見したのは、運搬トラックからレッカーで楊重され、今まさに置き架台の上に降ろそうとしてる大ダクトの繊維スリングの掛け方だ。
ダクトは、総重量2トン近くありそうなモノで、傷が付かないよう繊維スリングで吊るされていた。問題なのは、ダクトの角に、直に繊維スリングが当たっていることだ。危険この上ない。
いつ切れても不思議じゃないほどの危険行為で、私は思わず、架台を並べている作業員に「繊維スリングを直接角に当てて楊重するのは直ぐ止めて、角に養生材を噛ませてから再度位置調整をするように!」と伝えた。
私は、新たに安全パトロールに加わったので、今日は様子を見ながら、後ろから着いて回るだけだな!などと思っていたが、これは見た瞬間つい言ってしまった。
安全のリーダーも、その通りだ!と納得はしてくれたが、こんな小さな出しゃばりが、今後の彼らとの関係を悪くする可能性がある。
危険行為を是正する為の安全パトロールだが、やはり人間である以上、感情が絡んでくるとやりづらい。
人間なので感情が入ると面倒になります。
指摘事項は、その現場担当管理者と施工者に感情抜きで、次に起こるであろう災害の予知を含めて丁寧に話をされるほうが良いと思います。
色々面倒とは思いますが、危険を減らす仕事ですから簡素完結に。
余計なことを言っては、嫌われるだけじゃなくて仕事が出来なくなりますから。
ひと昔前は窓際族だった安全担当が今ではある意味一番偉くなってしまったからなぁ。
現役時代に現場をバリバリこなして、経験も説得力もある方ならまだいいが、技術的な仕事ができず、やれる仕事が安全管理しかないからと言う人が安全担当だと現場に則さない、参考書通りの指摘ばかり細かくして、職人達に嫌われる。
そういう人いっぱい見ました。
あとは天下りやそこそこ歳くった転職組用の席な印象。