建設業界が嫌で退職した僕が、建設業界に再就職した理由

建設業界が嫌で退職した僕が、建設業界に再就職した理由

あの日、建設業界から逃げ出した理由

私は一度、建設業界を離れている。言わば”逃げ出した”人間だ。しかし、その後、何度か転職を繰り返し、現在はまた建設業界で働いている。

なぜ建設業界を離れたのか。その理由は、休みが少なく、激務だったから。私だけに限らず、この業界で働く多くの人が感じていることだろう。

当時の私は、建設業界の仕事に面白さを見出すことがどうしてもできなかった。何かあれば周りのせいにして、自分の仕事に責任感を持っていなかった。

そんな毎日を過ごしているうちに、「この業界は面白くない」と勝手に決めつけてしまい、「自分は他の仕事ならば輝ける」という根拠のない自信から、他業界に飛び込むことにしたのだ。

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“面白くない建設業界”を離れてみて

転職当初は、朝も早くないし、休みもきちんとあるし、それはもう気分はルンルンだった。だが、次第に『建設業界ほど自発的に仕事ができる環境はない』と感じるようになっていった。

施工管理は、毎日自分で段取りを組んで動かなければならないが、転職した他業界の仕事は、業務が全て決まっていて、応用的な考え方が必要のない環境だった。そういう環境が好きな人もいるかもしれないが、私には窮屈に思えてしまった。

業界を離れてみてはじめて、建設業界は自発的に働ける環境だったと気が付いたのだ。と同時に、予算・工程・品質の管理等、これほど若いうちから一気に経験できる仕事は他にないなと感じた。

出戻ってみて、結果どうだったか?

悶々とした日々を過ごし、色々考えた結果、建設業界に戻ることを決めた。外の世界を経験し、再び建設業界に戻ってみると、今まで感じたことのない「やりがい」というものを感じるようになった。

自分の考えた工程をもとに組織が動いて、大きな構造物が完成する喜びや達成感、大きな金額を動かしているという高揚感、そして何より、自分の裁量がそのまま結果に繋がることへの緊張感と責任感を強く感じることができた。

今まで苦痛に感じていたことも、気づけば「大きなやりがい」へと変わっていた。建設業界で多くの人が苦痛に感じていることは、捉え方を変えれば、大きな魅力なんだと気づくことができた。

○○ひとつで、見える景色が一気に変わる

施工管理の業務は、約8割が雑務の繰り返しだと思っている。変化する現場に応じた書類作成や安全対策、図面作成、材料の発注等、地味な業務の繰り返しだ。しかし、その雑務をこなす中で、私たちは「効率」というものを重要視して働かなければならない。

雑務をいかに効率よくこなせるかは、建設業の仕事を楽しく感じられるか、そうでないかを分ける大きなターニングポイントになるだろう。同じ業務内容でも、雑務を雑務としてこなすのか、雑務を自分なりに工夫して効率よく処理していくのか、マインドの持ち方が非常に重要となる。

きっと、「建設業界は魅力的だ」という私の話を聞いて、頭のおかしい人間だと感じる人もいるだろう。建設業界を離れた私も当時はそう考えていた。しかし、前述した通り、この仕事を離れてみてはじめて、建設業界の仕事の魅力を知ることができた。

「大変さ」と「やりがい」は紙一重だと思う。何かを成し遂げたいと強く思って行動すれば、仕事に対する姿勢も変わってくる。マインドの持ち方ひとつで、仕事中に見える景色は一気に変わるということを覚えておいてほしい。

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