堰堤(えんてい)とは?ダムとの違いを解説

河川の水をせき止め、土砂災害を防ぐ役割を持つ堰堤(えんてい)。ダムと同じ意味で使われることもありますが、実は違いがあります。

この記事では、堰堤とは何か、ダムとの違いを解説します。

堰堤とは

堰堤とは、「えんてい」と読み、河川の水をせき止めるために築かれた土木構造物のことです。水流をせき止める以外に、土砂の流出防止や灌漑(かんがい)などの目的で利用されます。

堰堤の役割

堰堤には、河川の水をせき止め、土砂災害を防ぐ役割があります。ダムに比べ、堰堤は小規模のため、貯水機能がなく発電はできません。

砂防堰堤

土石流を防ぐための施設として、渓流や河川に設置される「砂防堰堤」があります。コンクリートや石などでつくられており、川を横切る壁のようなつくりになっています。

災害をおこさないように土砂の流出防止や土砂量の調節、渓流の侵食防止などの役割を担っています。

ダムとは

ダムとは、河川を横断して流水を貯留する目的で設置された、高さが15m以上の構造物を指します。河川の水をせき止めて貯水し、水の量を増やしたり減らしたり調整します。

ダムの役割

ダムには、洪水調節や発電、水道用水や農業用水などの水資源の確保などの役割があります。そのほか、観光資源としても活用されています。

コンクリートでつくられるコンクリートダムと、天然の土砂や岩石などからつくられるフィルダムがあります。

堰堤とダムの違い

堰堤とダムの一番大きな違いは「高さ」です。高さが15m以上の構造物はダム、15m未満の構造物は堰堤とされています。

もともとは山に接するものをダム、堤防に接するものを堰堤としていましたが、堰堤の機能が多様化したこともあり、今は高さで区別しています。

また、堰堤は水をせき止める小規模な構造物で、水流の調整が主な目的です。一方、ダムは大規模な貯水構造物で、洪水調節や発電、水資源の確保など多目的に利用されます。

堰堤は河川や小さな流域に設置され、ダムは大規模な河川や流域に設置されます。

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