竣工とは? 完工・落成との違い
竣工(しゅんこう)とは、建物などの工事が完了することを指す言葉です。竣工は、工事が終了しただけでなく、完成した建物に不具合がないかをチェックする竣工検査まで終わり、施主が実際に使える状態になっていることを指していることが一般的です。
竣工は、建物だけでなく、道路や橋などの土木工事でも使われます。また、神社仏閣などの落成の際にも、竣功(しゅんこう)という表現が用いられることがあります。竣工の類義語としては、「完工(かんこう)」や「落成(らくせい)」が挙げられます。竣工の対義語は、「起工(きこう)」や「着工(ちゃっこう)」です。
竣工までの流れ
竣工とは、工事が完了し、施主が実際に使える状態になることを意味します。竣工に際しては、以下の行程で進んでいきます。
- 自主検査
- 完了検査
- 竣工検査
- 竣工式
- 引き渡し
似たような言葉も並びますが、それぞれ関係者や意味する内容が異なりますので、一つひとつ見ていきます。
自主検査
建築における自主検査とは、建築主や施工者が法令や基準に基づいて、行政機関の検査とは別に、自ら行う検査のことを指します。建築基準法や関連法令で義務付けられているものではありませんが、建物の品質確保や安全性の向上、トラブル防止などに役立ちます。
完了検査
建築における完了検査とは、建築基準法に基づき、建築主事(行政機関)が建築物が法令や基準に適合しているかどうかを確認する検査です。建築工事が完了した後に実施され、検査に合格すれば、検査済証が発行されます。
完了検査の流れとしては、建築主事に完了検査の申請を行い、検査ののち合格すれば、建築主事に検査済証が発行されます。完了検査は、建築物の安全性と法令遵守を確認する重要な検査です。検査に合格することで、安心して建物を利用することができます。
竣工検査
建築工事が完了した後に、建築主、建築士、施工者などが立ち会いのもと、施主が建築物の完成度や安全性を確認する検査です。完了検査と混同されがちですが、完了検査は行政機関が法令遵守を確認する検査であるのに対し、竣工検査は施主が建物の完成度や安全性を確認する検査です。竣工検査では、傷や汚れ、色ムラといった仕上がりや図面通りに施工されているかが確認されます。
竣工式
竣工式とは、竣工を祝うための式典です。現代の住宅工事ではあまり行われませんが、大規模物件では関係者による祝辞や、テープカットなどのイベントが行われます。
引き渡し
引き渡しとは、建物が施主の所有物になること、つまり建築工事が完了し、建築主が施工者から完成した建物の所有権と占有権を受け取ることを意味します。引き渡し後、建物は施主が自由に利用することができます。あとあと大きな問題とならないように、引き渡し前にしっかりと確認を行い、問題があれば解決してから引き渡すようにしましょう。
竣工日の定義は?
竣工日とは、建物などの工事が完了し、施主が実際に使える状態になった日を指します。一般的には、竣工検査が完了し、検査済証が発行された日が竣工日となります。竣工検査とは、工事が法令や基準に適合しているか、また、不具合がないかを確認する検査です。施主の立会いのもと行われるため、施主検査とも呼ばれます。検査済証が発行されたということは、工事が法令や基準に適合しており、不具合がないことを確認されたということです。そのため、竣工日とは、建物が安全に使用できる状態になった日と解釈することができます。
ちなみに、竣工日には竣工写真を撮ることがありますが、竣工写真とは建築工事が完了した建物の外観や内装を撮影した写真のことを指します。建物が完成した時点を記録するだけでなく、建物の魅力を伝えたり、営業資料や広告などに活用したりする目的で撮影されます。
まとめ
竣工という用語自体は、法的にその定義が定かではないため分かりにくいですが、その分施主とのハレーションとの原因となりかねたいため、施工者は常に施主とすり合わせながら工事を進めておきたいですね。