上から目線な後輩や部下。言葉遣いは施工管理にとって重要か?

上から目線の後輩や部下を受け入れる器

なんだか知らないが、いつも上から目線な後輩や部下っていませんか?もちろん年下の場合もありますが、中途で入ってきた年上の部下という場合もありますよね。口調がなぜか偉そう。全てを知っている雰囲気を出す。

そんな後輩に出くわすと、ほとんどの人はイラっとするのではないでしょうか。そんな相手を注意すべきか放置すべきか。そう考えると、きっと注意すべきと考えるのが多数派だと思います。だって、自分のほうが先輩なんですから。

ただこの多様化の時代においては、年上・年下・異業種からの入社・中途などなど、あらゆる属性の人たちが増えています。むしろ年下で新卒の後輩のほうが珍しいなんて会社もあるのではないでしょうか。

そう考えると、言葉遣いや態度が自分と合わない人なんて、おそらく無数に存在します。それにいちいちイラっとしてしまうと、こちら側がすり減ってしまいかねません。きっと相手は傷んでいませんからね。

表面的なことよりも大切なこと

確かに口が悪いことが、将来に影響してしまう可能性はあります。でもそれは、非常に表面的な話であって、方言と同じように「そんなクセのある話し方をする奴」とくくってしまえば、きっと是正しなければいけない部分は他にいくらでもある気がします。

そもそも人間が言葉を発したり、態度に示すというまでのプロセスは、そう簡単じゃないはずです。ちょっとたどってみましょう。誰かに手伝ってもらいながら仕事をする、という場面を思い浮かべてください。

最初にすべきことを見つけます。次にそれを達成するまでの計画を練ります。そして手伝ってもらう人をチョイスし、やってもらう範囲を決めます。そこでようやく「伝える」という行動をとるわけです。

言葉遣いや態度といったものは、きっと一番最後の「伝える」場面で起きているはず。その言葉が、タメ口だったり上から目線だったりするわけですよね。でも、全体のプロセスを見たときに、それはどのくらい重要なのでしょうか。

もちろん言葉をないがしろにするわけではありませんが、よく考えるとそれ以上に大切な部分はたくさんあるように思います。その表面的なことに対して、一生懸命指摘し、是正するという多大な労力をかけることに、どのくらいの意味があるのかなと考えてしまいます。

「核」となる部分を育てる

とかく技術職である施工管理にとって、本当に大切な部分は技術力です。話し方が不器用でも、確かな技術力があるほうが重要だと思ったりします。その職業において「核」となる部分を育てるために全力を注ぎたいと考えるのです。

その核に着目していくと、言ってしまえば言葉遣いなんて小さい話。技術を学んだ上でいくらでも直せばいいのです。自分がイラっとするなんて感情も、建設業の発展を考えるとどうでもいいくらい小さいものな気がしてきます。

大切な部分が育つことが核で、表面的なものは特に気にせず受け入れること。これがきっと、人間の持つ「器」なのではないかと考えます。ちっちゃいところを気にしないのが器の大きさなのではなく、核を見据えるとちっちゃいことなんて目に入らなくなるだけだと思うんです。

建物を建てるプロセスを学び、それを管理監督することが重要であるなら、言葉遣いは表面でしかないのです。「言葉遣いは乱暴だが、芯がしっかりしている人」が、上から目線の部下の目指すべき方向なのではないかと思います。

言葉の選びかた、使い方を重視して会話するとイラっとするのなら、その内容があっているかどうかに着目したほうが心は軽くなります。「そもそも言葉遣いなんて眼中にない」と言えるくらいの器があると、もっと生きやすいのではないかと思うのです。

先輩の姿勢としては、部下の中身をしっかりと見抜くことが重要かと思います。表面にとらわれずに個性と受け入れ、仕事を本気で楽しむことが大切だと思います。

※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。


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【プロフィール】
武田 祐樹(たけだ ひろき)

総合建設業に17年在職し、所長歴は11年、官民問わず数多くの実績を積む。その後2020年に起業・独立。
「建設業をワクワクする業界へ」をスローガンに、DX化の推進や若手育成、魅力発信を行う。
「建設業効率化施策の仕掛け人」として、ABEMA Primeに出演。

◇保有資格◇
一級建築士
1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士

株式会社RaisePLAN 代表取締役

【運営・活動】
【現場ラボ】:建設業の変革をサポート
【現場ラボコンサルタント】:新人・若手の研修、教育
【Edu建(エデュケン)】:建築施工管理のeラーニング
【講師活動】:DX化、部下育成、建設業に関するセミナー・講演

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