“知ったかぶり”が招いた、新人施工管理の大失態

工事現場では、たった1回のミスでも、会社を倒産させるほどの重大な損失に繋がることがある。

失敗は財産という考え方もあるように、現場で失敗した経験はあなたの糧となることもあるだろう。しかし、ミスの内容によっては、シャレにならないことも多々ある。

そこで今回は、私の失敗談をふまえ、「現場で絶対にやってはいけないこと」をいくつかお伝えしたい。

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知ったかぶりをしない

まず、「知ったかぶり」は絶対にやめたほうがいい。

私も知ったかぶりをしてしまったことで、結果こっぴどく怒られた非常に苦い経験がある。

入社したばかりの頃、現場事務所で作業をするのではなく、積極的に現場に出て工事作業を眺めるようにしていた。

現場に立っていると、施工業者の方からよく構造物の寸法を聞かれたり、既設部分との擦り付けなどを聞かれることがあった。当然、入社したばかりの私はほとんど理解できなかった。

今思えば、分からないのであれば所長に確認するのが正解なのだが、私は業者さんから言われることに対して確認もせず、「それでいいです」と返答していた。

理由は、できない奴と思われたくなかったからだ。完全に若気の至りである…。

そんなある日、現場所長に呼び出された。声も荒がっていて表情が非常に険しい。新設する構造物と既設部分の擦り付け部分を指差し、私に問いかけた。

「この指示はお前がしたのか?」

何がいけないのかも分からず、頷いた。次の瞬間、所長からの雷が落ちた。

既設部分との擦り付け部分は、特記仕様書にて『既設部分と馴染むよう粗面仕上げとすること』と書かれていたのだ。

そこの施工をする際に、業者さんは私に「粗面仕上げにせんでもええんですか?」と尋ねていたのだ。

私は何も理解していない状態で、「そのままでいいです」と答えてしまっていた。結果、せっかく打設したコンクリートをはつり、表面部分を補修剤で施工し直す手間がかかってしまった。

所長からも業者さんからも大目玉を喰らった、恥ずかしい失敗談である。


理解できないことを放置しない

これも絶対にやってはいけないこととして挙げさせてもらう。というのも、最近の施工管理者を見ていると、どうも経験年数さえ積めば現場管理ができるようになると考えている人が多いように思う。

確かに、現場経験を積めばそれなりに工事についての知識がつくのは確かだ。しかし、なかには、中堅になってもまともに実行予算が組めない、CADがまともに使えない、図面等への座標付けができないなど、結構できないことが多い技術者もいるのが現状だ。

恥ずかしながら私も、現場管理を始めて3年くらいの時は、施工計画書の中身を理解できていなかった。

これはマズイと思い、他の人が作成した施工計画書を片っ端から読み込んで、施工計画書の必要性と、どんな内容で作成すればいいのかを分からないなりに理解し、とにかく実践した。あの時、理解しようとしていなければ、今でも施工計画書の作成に戸惑っていたかもしれない。

絶対に言い切れるのは、今日理解できないことはすぐに学ぼうとしない限り、理解できるようになることはないということだ。

歴が長くなると、後輩や新人もどんどん入って来る。ゆっくりと分からないことを勉強する暇はなくなる。むしろ教えないといけない立場になる。

分からないことは明日に持ち越さず、すぐその時に学ぶ姿勢を持つべきである。

人からの信頼をそこなう行動をしない

理解できないことを放置しないとは言ったものの、いくら経験を積んでも分からないことは日々出てくる。

そんな時に、どれだけ周りの人に協力してもらい、仕事を進めることができるかが重要になってくる。

特に、若い頃や新人の頃よりも、自分が中堅になってきた時にこそ、この能力が必要になってくるだろう。

仕事の早い技術者は、周りに協力してもらうのが非常にうまい。協力してもらうことで、最小限の労力で人よりも成果を出すことができるのだ。

当然、普段から上から目線でモノを言ったり、感謝できない人間は、周りから協力してもらうことはできないだろう。

人からの信頼をそこなう行動は、絶対現場でやってはいけない。

自分に能力がないのは、全部自分のせいだと自覚したほうがいい。人に信頼される力は、自分自身で磨いていく必要がある。

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