“最近の若いやつら”の育て方。「いいからまずやってみろ」は昔のナンパそのもの

現代の若者は負け戦はしない

現代を生きる若者は、現代社会をどのように生きているのか。これを理解できれば、これからの若手育成はどう進めるべきなのかが少し見えてきます。

例えば昔の人がナンパする時、どんな作戦をとっていましたか?おそらく人通りの多い場所に行き、いけそうな女性に狙いを定め、片っ端から声をかけていく。うまくいかないのが当たり前の作戦が一般的だったと思います。

ところが現代の若者は、考え方も方法も全く違います。まず負ける戦いはしません。情報化社会を生き抜いてきた彼らにとって、そこら中に情報が溢れている状態。まずは敵の情報を先に探し、それを見つけたら分析。もし負けそうであれば、そもそも戦いを挑まないのです。

勝てそうなときには、じっくりSNSの中で関係を作り、実際に会う時にはすでに勝っている状態。情報化社会においては、負け戦などする必要がないのです。

ずるく感じるでしょうか。「失敗することによって強くなる」という理屈はわからなくもありませんが、失敗しない方法がわかっていながら、負けに行くことはしませんよね。

これは、今と昔はどっちがいいの?と言う話ではなく、単純にその時代に合った戦い方があると言いたいのです。

この状況を理解できていれば、彼らを勝たせること、つまり育てることもできると思いませんか?今の時代にやり方を合わせることができれば…ですが。にもかかわらず、今まで通りの教え方、育て方をしていませんか?

今までと同じやり方をし続けた結果、若手が育たない、定着しない、そんな悩みを抱えているのではないですか?それは皆さんが、彼らを勝たせなかった結果。やる気がないとか根性がないとか、そんな古臭いことではなく、教え方が全然ダメなのです。

ではどう教えればよいのか、実は至ってシンプル。情報をしっかりと出してあげればよいだけです。

「いいからまずやってみろ」は古い

「いいからまずやってみろ」というのが今まで。そして失敗を経験させる。まさに昔のナンパそのものですね。

でも今はそうじゃないと学びました。彼らの情報収集能力、分析力は半端じゃないこともわかりました。であれば方法はシンプル。

惜しみなく情報を提供し、事前にミスのない情報を教えてあげることが正解なのです。彼らはその情報の中で、解析し答えを出す。それだけです。

失敗しない人間は軟弱になると思いますか?大丈夫。そんな心配はいりません。失敗せずに進んでいく彼らは、僕らよりも早く成長をし、そして追い抜きます。その先の誰も知らない世界で、きちんと壁にぶつかり、失敗をしていくことになるからです。

とにかく彼らの能力を信じ、頼るのです。未来は僕らの手になんかない。若者の手にあるのです。結局僕らができるのは、情報のありかを作ることと、信じることくらい。そしてうまくいったのであれば、「な。お前にだってできただろ?」といえばいいのです。

そもそも若者の可能性は、あなたの手のひらなんかに納まりません。無限大です。教えるという発想自体がナンセンス。今の時代を楽しみ、生き抜いてきた彼らは、情報を武器に一歩進むことができる世代。ただ情報がないから、踏み出さないだけなのです。

何よりも、彼らの声を聞きたいのであれば、まずは自分の情報開示するのが鉄則。特に一番おいしい情報は、失敗談です。人間は失敗したくない本能があります。そこを利用しましょう。包み隠さず全部赤裸々に話してあげることで、彼らに勇気を与えることもできます。

あなたの武勇伝や自慢話なんて誰も求めていません。そんなことよりも、「あの時は失敗した。でもお前らなら大丈夫だよな。」と、信頼している気持ちを伝えてあげてください。過去の情報を託してあげて下さい。

それがきっと若者の承認欲求を満たすことでもあり、そして彼らの成長を刺激するものになるでしょう。そしてあなたを気持ちよく追い抜いてくれることでしょう。

※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。


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【プロフィール】
武田 祐樹(たけだ ひろき)

総合建設業に17年在職し、所長歴は11年、官民問わず数多くの実績を積む。その後2020年に起業・独立。
「建設業をワクワクする業界へ」をスローガンに、DX化の推進や若手育成、魅力発信を行う。
「建設業効率化施策の仕掛け人」として、ABEMA Primeに出演。

◇保有資格◇
一級建築士
1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士

株式会社RaisePLAN 代表取締役

【運営・活動】
【現場ラボ】:建設業の変革をサポート
【現場ラボコンサルタント】:新人・若手の研修、教育
【Edu建(エデュケン)】:建築施工管理のeラーニング
【講師活動】:DX化、部下育成、建設業に関するセミナー・講演

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