「勤務中にラブホテル」「建設現場で密通」現場監督の不倫騒動

心を一つにする建設現場で愛し合う男女

建設現場には、多種多様の職種の人が出入りし、日々建築物の完成を目指して、心を一つにして働いています。多数の人が出入りする建設現場ですから、その場で出会って飲み仲間になることや、共通の趣味から友達になったり、またはふとした仕事の行き違いで仲違いしたり、いろいろな人間ドラマが繰り広げられています。

だいたいのケースはご紹介するほど面白いことにはならないのですが、やはり男女の仲、特に不倫というケースは珍しいと思いますので、ある建設現場で出会った現場代理人と設備工の不倫愛をお伝えします。人を愛することは仕方ないとしても、職場に迷惑をかけるのはいけない、という教訓になればと思います。

現場代理人(既婚男性)と設備工(独身女性)の不倫劇

舞台となった建設現場は、入社3年目の私が設計を行った案件で、初めて1億円を超える現場でした。施主の打合せから確認申請までを終え、担当の現場監督となったのがUさん、当時30代後半の物静かな男性でした。

その現場は事務所から近く、しかも初めて担当する金額の現場だったため、私は週に一度は勉強のためにも現場の様子を見に行くようにしていました。そして何度か通ううちに、設備工の女性が現場に出入りしていることに気づきました。建設現場に、しかも作業員として女性がいることは珍しいことなので、とても印象に残ったのを覚えています。

設備工の女性はEさん。当時20代前半で、化粧っ気もなく、あまり垢抜けない雰囲気なのですが、話をしてみるとふんわりとしたとても柔らかい雰囲気の人で、とても好感を持てました。背が低く、思わず守ってあげたくなるような体格でした。

この後、UさんとEさんが、そんな関係になるなんて・・・この時私は、いや、誰もが知る由もありませんでした。


やたらと見かける設備工の女

現場は、5,000万円前後の一戸建て住宅を2棟新築する計画で進んでおり、設備工の方が入るのは着工後間もなくの時と、大工工事中、そして仕上げ後の器具付けの時という認識がありました。しかし、なぜだろう。私が行くと、いつも設備工のEさんは現場にいる気がする。様子を見ていると、何かしら点検のようなことをしているように見えたので、当時は点検することが多いのだな、という解釈をしました。今思うと、何か別の理由があったのかもしれません。

バレンタインデー間近のある日、私は設備工のEさんと雑談する機会を得ました。話題は「誰かにチョコを渡すの?」という、とても可愛らしいものでした。私は職場の人に配るほど気が利く人間ではないので、「主人と父親にあげるくらいかな」というつまらない返答をしたのを覚えています。

Eさんに質問を返してみると「Uさんにあげようと思うんです!」とはにかんで答えました。この返答を聞いた私は、「そんなに現場監督のUさんを慕っているのだな」とだけ思いました。決して恋愛感情ではなく、お世話になっている人という意味で慕っていると感じたのです。そして、「へぇ~!絶対喜ぶよ!」と彼女を後押ししてしまいました。

Uさんの顔が格好良かったり、会話が面白かったり、お金持ちだったりしたら少し私も「おや?」とは思ったかもしれませんが、失礼ながら彼はどれにも当てはまりませんし、年齢もUさんは15歳以上年上で、しかも既婚者です。対するEさんも人のモノに手を出しそうなタイプには見えません。

でも、私は鈍感すぎたのかもしれません。2人の関係にまだまだ気づくことができませんでした。


現場代理人、女の言いなりになる

バレンタインデーが過ぎたある日、私は、現場で代理人Uさんと設備工のEさんが雑談しているところを垣間見ました。「またEさんいる・・・」と思いつつ、Eさんの態度が普段とは程遠く、ものすごく大きいことに気がつきました。

言葉がタメ口で、ボディタッチが激しく、しかも多い。とにかく楽しそうに、バシバシとUさんの胸元を叩きまくる。Uさんもニヤニヤと笑みを浮かべ、ひたすらに叩かれる。それを見た私は、その様子を見ても、「へえ~仲良しなんだなあ~」と思い、ちょっと引くのみでした。「バレンタインデーで距離が縮んだのかな?」とも思いました。

この頃から、現場代理人のUさんが何かと私の作成した図面に対して、やたらと質問をしてくるようになりました。例えば、「コンセントの間隔が近すぎるのではないか?」とか、「換気扇の位置はこの位置で部屋全体の換気ができるのか?」とか、現場代理人らしからぬ質問ばかり。現場代理人は、このようなプランに関してはあまり口を出すことはなく、納まりに関して質問をしてくることが多いので、この行動には疑問を感じました。

ある日、Uさんが携帯で誰かと話しているのが聞こえ、どうやら私の現場のことのようなので、聞き耳を立てていると、こんなことを言い始めました。

Uさん「あ~、そこはちょっと俺にはわからない。え?あ~、うん。わかったよ。聞いてみるよ。うん。わかった、ちょっと待って」

スタスタと私のところに来るUさん。

Uさん「ちょっと、A邸のことで質問あるんだけど図面出せる?」

私「はい、何でしょう」

質問は、窓の位置についてでした。

Uさん「この位置では西日が入るのでは?」

私「この窓の位置は施主さんと打合せして決めてありますので、説明して理解してもらっているので大丈夫ですよ。大工さんからの問い合わせですか?電話出ましょうか?」

Uさん「いや、Eさんだから大丈夫。ありがとう」

そう言ってUさんはそそくさと会話の聞こえない所へ立ち去って行きました。「なぜEさんから?」と疑問に思いましたが、Eさんは私に「私も建築士になりたいんですよ~」と言ってくれたことがあったので、私の図面を見ていろいろ勉強してくれているんだなあと、まだまだ気がつかない私は、勝手な解釈をしてしまいました。

現場代理人Uさんの不審な行動はこれに留まらず、この現場や他の現場での発注ミス、打ち合せのドタキャン、検査の依頼忘れ、工期を遅らせる等のミスを連発するようになりました。特にこの現場では、現場には来ているはずなのに状況がまるで頭に入っておらず、「現場で何をやっているの?」という疑問を持たずにはいられない状態になっていました。

そして、毎週行う社内会議の話題が、現場代理人Uさんのミスと、その対策で持ち切りになったある日、大変興味深い出来事が起こりました。


ついにバレる現場代理人と設備工の不倫愛

いつもあの現場にいたはずの設備工Eさんが、肝心な日に現場に来ないという事態が発生したのです。

当然工事は進まず、現場の皆さんは彼女を探すことに半日を費やしたそうで、日も落ちかけた頃にようやく発見の連絡が入りました。私も、心配した旨と休む場合は一度連絡をした方がいい、というアドバイスをメールで送りました。返信はシンプルに謝罪のみでした。

翌日、現場へ行くと大工さんがいて、いつもの2人はいませんでした。当然、話題は昨日の設備工Eさんの失踪の件になるわけで。

大工「いや~、昨日は参っちゃったね」

私「お疲れ様です。見つかってよかったですね~」

大工「まったく、俺らを巻き込むなってんだよ。なあ?」

私「え、失踪前に誰かと喧嘩か何かあったんですか?」

大工「もしかして気づいてないの?」

私「何のことでしょう?」

大工「マジで知らないの?UさんとEさんデキてんだよ」

私「!?!?!」

昨日、設備工Eさんを発見した大工さんと設備工の社長は、日ごろから抱いていた疑念から、Eさんに真相を問い詰めた結果、全てが明確になったということでした。

失踪前夜、2人は喧嘩をしたそうで「Uさんが謝らないと現場に行かない!」と言い捨てた設備工Eさんはそのまま行方をくらませた、というわけなのでした。当時新婚だった私は「不倫」という衝撃的な事実に頭が真っ白になりつつ、今まで疑問に感じたことの全てに合点が行ったことに、少しの爽快感も感じていました。そして、何と言うくだらんことで大事な仕事を投げだすんだ、と2人には心底がっかりしました。

失踪事件後、すぐに設備工Eさんは会社を辞めました。情報通の大工さんいわく、妊娠して、悪阻がひどいから、という理由でした。独身の彼女が妊娠した理由は明確で、妊娠を隠さないところからも、彼女の気の強さが伺えました。どういうつもりか、就労時間内に2人でホテルへ行っていたことや、夜な夜な現場で密通していたことも彼女はメールで告発してきたのです。

すぐにこの問題は現場代理人Uさんと私の会社でも審議にかけられましたが、結局Uさんに表立った処罰はありませんでした。男性社員たちは今までと変わらない様子でしたが、女性社員から果てしなく冷たく対応され、ランチタイムに悪口を言われるという私刑に処されていました。


不倫した現場代理人の妻は元社員

現場代理人Uさんの奥さんは元社員ということもあり、現役の社員と交流があっため、どこかから情報が漏れ、すぐに事実を知ることになりました。事実を知ってひどく落ち込みながらも、健気にも我々には再出発の知らせをくれたのでした。Uさん夫妻に子どもは無く、設備工Eさんは子どもを産む気だということで、Uさん夫妻は離婚というかたちで再出発の道を選びました。元々夫妻は別居していたこともあり、離婚も慰謝料の支払いのみでスムーズに進んだそうです。

不倫はもちろんいけないことですが、仕事に持ち込むことも、言うまでもなくいけないことです。私も子どもを2人設け、家庭を運営する立場になったのですが、子どもにとって家庭というのはとても重要で、子どものためを思うと、どんなことがあっても壊してはならないものだということを強く感じるようになりました。

多くの人を裏切り、傷つけたふたりですが、身を引いたひとりの女性と、誕生した子どものためにも、今後も頑張って幸せに暮らしてもらいたい。と願わずにはいられません。そして、工事中にふたりが夜な夜な密通していた事を知らずに、その家に住んでいる施主様のことを思うと、なんともやるせない気持ちになってしまうのでした。

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「女性初めて5%超す」1級土木施工管理技術検定試験の学科合格者
2級建築士(女性)。某建設会社の設計部で、主に戸建て住宅の新築やリフォームの設計・積算を担当。今は子育てに追われ、在宅勤務中。再び前線に復帰することを夢見ながら、建築業界に必死でしがみつく日々。
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