建設業協会の婚活パーティー事情
一般社団法人東京都中小建設業協会(通称・都中建、山口巖会長)は7月23日、都内で婚活パーティーを開催しました。建設業協会単位での婚活パーティーは、一般社団法人滋賀県建設業協会や山梨市建設協力会などの開催例がありますが、全国的にも非常に珍しい取組みです。
パーティーの幹事を担当した東京都中小建設業協会の婚活プロジェクト委員長・津々良智彦氏(足立建設工業㈱事業推進部課長)は、今回の婚活パーティーについて「男性側は(一社)東京都中小建設業協会の会員会社の施工管理技士やそれに準じた技術者の方です。彼らは多忙で出会いも少ない。会社に腰を据えて働いていただくためにも結婚は大きな人生の転機になります。各人に豊な人生を築いていただくことと、人材定着が狙いです。」と語りました。
幹事をつとめた都中建婚活PJ委員長の津々良智彦氏
多忙な施工管理技士には「出会いの場」が必要
――東京都中小建設業協会が主催して婚活パーティーを開催するのは初の試みです。この理由について教えてください。
津々良智彦(以下、津々良) まず、現場代理人や現場監督などの担当する施工管理技士などの方々は、休日も少なく夜勤もあり、女性との出会いを作るチャンスがこれまでなかったのが現状です。そこで、鳥越雅人副会長から、「婚活パーティーをやってみないか」と提案されたのがキッカケです。
東京都中小建設業協会の会員会社に勤める20~40代の独身者が何人いるか詳細に把握していませんが、かねてより各社から「出会いの場」を確保してほしいという要望は多かったですね。
世の中全体を見ても生涯未婚率は上昇する一方です。このまま優秀な建設技術者が出会いがないために、生涯独身であることも困ります。そこで、東京都中小建設業協会の会員会社132社に呼びかけ、婚活パーティーを企画しました。同じ建設業界で何よりも身元もしっかりしておりますので安心感はあると思います。
――御社(足立建設工業)からも出席者がいましたか?
津々良 男女それぞれ一名ずつ参加しました。
足立建設工業㈱足立支店
女性参加者を集めるのも一苦労
――婚活パーティーの開催にあたって、どのような苦労がありましたか?
津々良 どの婚活パーティーも同様かも知れませんが、女性の参加者を集めるのに大変苦労しました。東京都中小建設業協会の事務局には、女性職員がいるので、その方の後輩や知り合い、また事務局近くの郵便局の方々にも出席をお願いし、当日、2人キャンセルがあったものの、男性13人、女性15人、合計28人で婚活パーティーを開催しました。男性の方の参加者を集めるのは心配がなかったですね。
――当日の婚活パーティーの段取りや進行はいかがでしたか。
津々良 婚活パーティーでは、男女の参加者が各自のプロフィールカードを交換し、対話しました。スタッフがそれぞれの印象確認カードとアプローチカードを回収します。先方から、良い印象を持たれている場合は、スタッフが印象確認カードに印しをつけて返却し、特に交流を深めたい意向がある相手にアプローチカードを渡します。その後フリートークに移りました。最終的に双方の意向を確認する投票用紙を回収した上で、カップルを発表し、今回は4組のカップルが成立しました。
参加費は男性3000円、女性2000円。会員各社からは協賛金として参加者1人当たり5000円を募りました。
次回、東京都中小建設業協会の婚活パーティーは11月22日
――婚活パーティーは人数が多いと頭が混乱する面もあるようですが。
津々良 そうですね。第1回目ですので手探りでしたが、第2回目はもう少し人員を絞り込み男性10人、女性10人にすることを検討しています。ただ婚活パーティー自体は盛り上がって良かったという声もあった反面、会場をもう少し広い場所の確保をお願いしたいとの声もありました。
――次回は11月22日ですね。
津々良 これから(注:取材日は11月6日)本格的な準備に入ります。ただ、東京都中小建設業協会のサイトで告知しても女性は集まりません。そこでフリーサイトでの告知を考えています。
フリーサイトで一般の女性の参加を呼びかけるのですが、問題は身元がしっかりした女性。身分保証などの提示をもとめますが、東京都中小建設業協会として婚活パーティーを開催するからには、しっかりしたものとしたいです。アンケート集計もして、会員企業の意見を参考に、次回はより良い企画が出来たらいいですね。
また、今回のパーティーを試行錯誤しながら企画していく中で、婚活だけではなく男女問わない友達作りや企業間の情報交換の場となるイベントがあってもいいと思いました。
独身の施工管理技士は引き抜かれやすい?
――独身の建設技術者は、他社に引き抜かれやすい、という傾向もありますか?
津々良 確かにそうです。家族がいなくて身が軽いと、諸般の事情や良い条件などを提示されますと引き抜かれてしまうことがあります。
――東京都中小建設業協会の会員会社でも施工管理技士は不足していますか。
津々良 不足しています。弊社でも不足しています。
――結婚は人生の転機と考えますが、人材定着にもなるということですか?
津々良 本音の部分で話しますと、結婚することによって会社と家族ぐるみのつきあいになってきます。しっかりと根を降ろして会社に定着します。施工管理技士などの技術者は人にもよりますが、出会いに対して一歩踏み出せない方もいます。その出会いのお手伝いをし、若手・中堅社員の職場定着につながり、東京都中小建設業協会の会員会社と社員のwin-winの関係も構築できるのではないかと思います。
――ありがとうございました。
次回の婚活パーティーは11月22日。建設業界の施工管理技士は今や引く手あまたで、結婚相手としては「優良物件」ではないでしょうか。仕事に対しても誠実な方も多く、職人の方との打ち合わせなどを見ていると非常に気配りができている方もいます。
もし、東京の社会インフラを担う施工管理技士の仕事に興味を持ち、一度お話しを聞いてみたいという独身女性がいらっしゃいましたら、東京都中小建設業協会の婚活パーティーに参加してみてはいかがでしょうか。ご興味があれば、ぜひ、東京都中小建設業協会にお問い合わせてください。問い合わせは下記の通りです。
一般社団法人東京都中小建設業協会
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