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「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」by 土木学会若手パワーアップ小委員会

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土木学会若手パワーアップ小委員会 土木学会若手パワーアップ小委員会
公開日:2017.11.18 / 最終更新日:2018.10.19
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「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」by 土木学会若手パワーアップ小委員会

「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」by 土木学会若手パワーアップ小委員会

目次
  1. 土木業界の課題を洗い出す「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」
  2.  大手ゼネコンを退職した女性土木技術者
  3. ゼネコンでの「お茶当番」「飲み会の強制参加」
  4. 現場が一番面白かったが、体に無理が出てきた
  5. 土木技術者を辞めたワケ
  6. 土木業は「ありがとう」が見えにくい
  7. 「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」後記

土木業界の課題を洗い出す「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」

土木学会の若手技術者たちが中心となって活動を開始した「土木学会若手パワーアップ小委員会」。

当委員会のひとりが、某ブログで「若手土木技術者の退職エントリ(記事)」を見つけたことがきっかけで、今回の企画「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」がスタートしました。

私たち「土木学会若手パワーアップ小委員会」はそのブログを書いたご本人に、土木学会本部で直接インタビューを実施しましたが、その際、最も印象に残った言葉が「土木を辞めた人の意見は、実社会にもネットにも見つからない。今の土木業界には辞めた人の意見を聞く場がない」でした。

せっかく土木の世界に入ったのに辞めてしまう人達の退職理由から、今の土木業界の課題を洗い出せるのではないか?ーーそんな考えから「土木学会若手パワーアップ小委員会」は、土木を辞めた人へのインタビューをおこなっています。

 大手ゼネコンを退職した女性土木技術者

今回ご紹介する「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」は、30代女性の元土木技術者へのインタビューです。

彼女は都内の大学の土木系学科を卒業後、大手ゼネコン本社にて設計を担当。その後、関東地方の鉄道現場、本社での積算業務などを担当しましたが、入社5年目に退社。現在はプロのカメラマンとして、結婚式や座談会を撮影しています。

――まず最初に土木を職業として選んだ理由を教えてください。

中学高校の頃から、漠然と技術者とか職人、自分の技能を持って仕事をしている人に強い憧れがありました。そこから理系に進み、高校3年生の時、学科を決めるために色々と本を読んだ中に「メコン河流域開発」という本がありまして。カッコいいなと。

――就職先として大手ゼネコンさんを選択した理由は?

モノをつくりたいなと思いました。公務員の道も考えたのですが、公務員になってゼネコンに転職するのはかなり難しいだろうと、当時、先輩の話を聞いて感じました。そこでゼネコンに就職してみて嫌だったら公務員に転職しようと、ゼネコンを志望しました。

――当時、女子学生の大手ゼネコンさんへの就職は難しかったのではないですか?

私が就職活動をしている時には、女性を採用しようという流れがありましたね。女性採用のハードルは下がってきていて、私より年下の世代はもっと女性社員が増えていますね。

ゼネコンでの「お茶当番」「飲み会の強制参加」

――入社当時はどんな業務を担当されましたか?

1~2年目は解析が中心でした。数字の感覚を掴ませようとしてくれていたのだと思います。もちろん後々役に立つものではありますが、当時それ自体がやりがいになっていたかというと…。余裕があるときは自分でチェックして上司に説明していたのですが、余裕がなくなってくると、「チェックした?」「しました」だけになってしまって。

――思い描いていた技術者像との相違がありましたか?

想像していたような、突出した技能や技術を持って仕事をしている、という感じではないなと思いました。設計にしても指針ありきですし、技術的な理由ではなく、こういう結果に持っていきたいから…という仕事の進め方に違和感を覚えました。全てではないですが、本質的でないところを気にしているなと。

――実際の業務以外で、職場環境などで違和感はなかったですか?

他の業界と比べて、昔からの流れがずっと続いているところがあると思いました。飲み会の強制参加など、自分の時間を大切にしていない上司が多いので、若手にそれが降ってきますよね。自分の時間という概念が薄い人が多いイメージがあります。

――飲み会についてはどうですか?

いかにも「ゆとり世代」って言われそうですが、本当に必要なことであれば、交流会もお酒も業務時間中にすればいいと思っています。本当に必要なら業務時間にやって、それ以外は自由参加にしたらいいと。

私の場合、友達にIT系の子が多くて、本社にいた時はよくランチをしていました。どこもすごく自由な社風で。全員フレックスだし、どこでもオフィスって仕組みがあって、申請すると丸一日とか半日とかカフェで仕事をしてもよくて、成果を報告してOKっていう。

そういう子たちを身近に見ていて、うちの会社は個人の時間という概念が本当に薄いなと感じていました。業務外のイベント(飲み会やグループ旅行の計画など)に費やす時間が多く、そのことに反抗していました。

――「新入社員のお茶当番」の廃止を訴えたと伺いましたが?

私が入った時、お茶当番っていうのがありまして。新入社員が30分とか1時間とか早く来て、コーヒーメーカーや給湯器を数台セッティングするっていう。私が入社1年目の時にお茶当番の廃止を訴えましたが、却下されました。他にもコピー機の用紙がなくなったら、新入社員がダッシュして補充しに行かなくてはならないとか。

――新入社員のお茶当番の廃止は、どんな理由で却下されたのですか?

ひとつには新入社員は顔を覚えられていないから、コーヒーやコピーで顔を覚えてもらって、この子は新入社員だなと認識してもらえと。もうひとつは新入社員で仕事も出来ないのだからそれくらい感謝を持ってやれと。先輩方からも新入社員がかわいそうだって意見もありますけど、そう言う先輩には感謝の気持ちが伝わっていないからだ、と言われまして。

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仕事が辛いのは、あなただけの問題じゃない!「土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー」
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土木辞めた人、戻ってきた人インタビュー
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土木学会100周年を受けて活動を開始した、発足3年目の若い委員会です。 若手同士の技術的な課題共有から、産官学連携、働き方、土木の魅力の伝え方など、各委員が自らの課題認識と好奇心に基づいて多岐にわたって活動しています。
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コメント(2)

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  • - 2020/08/28 0:50

    私は、40代のロスジェネ世代ですが、一旦土木技術者離れます。発注者ありきの工事はどうかと。他の仕事との決定的な違いは個人を人間として見ていない。

    返信する 通報する
  • - 2021/04/19 10:15

    10年単位の丁稚奉公は当たり前という価値観が時代錯誤ですよね。
    残念ですが、もうそんなゆとりある時代じゃないです。

    返信する 通報する

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