職人とトラブルになりやすい現場監督の共通点BEST3

職人とトラブルになりやすい現場監督の共通点BEST3

職人とトラブルになる新人現場監督

新人の現場監督たちも、5月も半ばとなれば、そろそろ現場に慣れてきた頃だろう。私が新入社員として現場監督になったのも4月なので、現場で初々しい監督をみると、とても懐かしい気持ちになる。

――そんな初々しい新人監督たちが、現場で一番最初にぶつかる問題は、やはり職人とのトラブルである。

20代そこそこの若造が、年配の職人にあれこれと指示を出すのだから、内心ではビビるのは当然だし、職人側も若造の指示には、どうしても不安や不満を抱くものだ。

しかし、現場監督と職人がぶつかり合うのは、いわば「動物の摂理」。そう諦めるしかない。その上で、トラブルの原因を理解しておけば、余計ないさかいは事前に回避できるというものだ。

職人とトラブルになりやすい理由BEST3を紹介する。


時間にルーズな現場監督になるな!

まず、前日が飲み会で寝坊してしまった、朝が元々弱くて寝坊しやすいなど、朝に限らず時間にルーズな現場監督は、とにかくトラブルを招きやすい。

「現場は職人さえいれば回るだろう」などという、考えは大きな間違いだ。職人は現場監督の指示で動いているのであって、頭で作業内容を理解していたとしても、朝の作業確認を済ませてから作業を進めたいと考えている。

それは「職人は自分の頭で考えられない」というわけではない。現場監督がいない状況で、職人が勝手に作業を進めて、それが間違っていれば、職人とその所属会社の負担となることが目に見えているからだ。

現場監督には急な仕様変更の情報が入っているのに、職人には知らされていなかったり、たまたま違う職長が来ている日で、作業内容の詳細が伝わっていなかったり。現場監督と直接打ち合わせできない、ということは、職人にとって負うべきリスクが高すぎる。

また、朝の安全確認や、他の職人との絡みなど、現場監督の判断が必要なことは山ほどある。だから、どんなに体調が悪くとも、朝の打ち合わせだけは参加すべきである。

ましてや、遅刻を繰り返す現場監督は、言語道断だ。

人員と材料の手配をミスる現場監督になるな!

工程表通りに進めば良いが、実際はそう簡単ではないのが、建設現場の世界だ。

雨や突発的な休工がつきまとうため、職人たちの先々の日程までは、正直、調整しきれない。なので職人たちには、大まかな作業の時期を伝えた上で、作業日の1~2週間前に再度連絡するのが通常だ。

そんなときに起こりがちなのが、人員の手配ミス。特に2社にまたがって行う作業の場合、1社への連絡を忘れるだけで、もう1社の職人は無駄足を踏むことになってしまう。現場の規模が大きければ大きいほど、その会社や職人は甚大な被害をこうむることになる。

日給制で働いている職人たちにとって、無駄足を踏むのは自分の給与に直結する重大問題である。一度のミスであれば許してもくれるかもしれないが、何度もミスを重ねるようだと、現場監督としての信頼を失い、誰もついて来なくなる。

また、材料の手配でのミスも厳禁だ。せっかく職人たちが現場に集まっても、材料が届いていなければ、その日を棒に振ることになる。そんな一大事に発展すれば、現場監督の職務怠慢として、職人たちから怒鳴られても仕方ない。

材料も人員も手配を忘れないよう、リストにしておくなどの予防策が大切である。


工程管理で「休日作業」を分散できる現場監督になれ!

工期が迫ってくると、週休1日すら取る暇がなくなる。建設業の表立った「働き方改革」などとは裏腹に、休日作業になることも実際にはある。

台風が連続して突撃したり、予期せぬトラブルが発生したり、工期が圧迫されてしまうことは仕方の無いことだ。

やむを得ぬ事情は職人も理解してくれるが、いつも工程の最後のほうが詰まってしまい、最後の工程の職人ばかり、休日作業が続くとなると、話が変わってくる。

工程が最初のほうでつまずいたのであれば、ある程度は休日作業の負担を分散させることができる。また、現場監督でも作業できる場所があれば、監督自身が作業することも必要だ。

もちろん、監督職として作業を行うのは理想的ではないが、「監督が作業を行わなければいけないくらい切羽詰った状況なんだ」というのが見て取れれば、職人も「しょうがねえな」という気持ちになってくれるものだ。ポーズとして、というわけではなく「一緒に頑張っているよ」という態度を見せるのも、現場監督として重要な役割である。

現場監督職は「自分も管理」しろ!

以上、職人とトラブルになりやすい理由を3つあげたが、監督職は現場を管理することが仕事だ。根本的にはすべて「管理」の一言にまとめられる。「自分を管理」「現場を管理」「工程を管理」という、当たり前のことさえできれば、職人とも信頼関係を築くことができ、いいパートナーとなれる。

大手ゼネコンの新入社員も1年で半分近くが退職してしまうと聞いたこともあるが、若手の現場監督たちには、職人に怒鳴られたぐらいで、くよくよせず、建設業界を支えるべく頑張ってもらいたい。

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大学卒業後、改修工事現場にて現場代理人となる。安全と作業効率の両立が永遠の課題。 寒がり暑がりが年々悪化しているため、登山ウェアを作業着に取り入れている。 現場周辺のおいしいお店を見つけては食べに行くのが趣味のひとつだが、揚げ物が最近辛くなってきたことが悩み。
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