おっさんを使いこなせ!建設女子が現場で生き抜く1つの方法

「おっさん」を使いこなせ!建設女子が現場で生き抜く1つの方法

施工管理歴12年目のチビッコ建設女子

私は、建築学校を出たワケでもなく、親族会社を引き継いだワケでもない、ズブの素人から建築の現場管理の仕事に就いている女性です。何だかんだ今年で施工管理歴12年目に突入。

身長は152cm。見ためはチビッコですが、態度は大きく、譲れないし、譲らない。若かりし頃は、がむしゃら感が勝って、なかなかトガっていましたが、最近は丸くなったので、現場での喧嘩もほぼなくなりました。

それでも衝突や譲れない事も多く、でも和解ができたら、後には引きずりません。

おっさんたちの「おもり」も現場管理

最近では、現場で若い職人のお兄ちゃんにもチラホラ出会うようになりましたが、やっぱり建築現場には、私よりひと回りもふた回りも年上のおっさんが殆んどです。

そして私は現場管理の業務以外にも、上司や職方(=おっさん)の管理という名の「おもり」もしなければなりません。

おっさん達は、言うことを聞かない、聞けない、一番ワガママなお年頃。どんなお客様より厄介です。

でも、気分を持ち上げてあげると、だいたいご機嫌になってくれますし、気分だけは若いです。上手に「おもり」をして仲良くなれば、建設女子にとって強い味方(?)にもなってくれます。

おっさんは、建設女子が建設現場で生き抜くための武器(アイテム)の一つです。


金髪を逆立てた設備屋の番頭

おっさんは、使いかた次第です。

ある日曜日、現場でコソコソと雑務を処理していた私。誰も来ないハズの現場です。そこに身長180cmを超える、金髪を逆立てた設備屋の番頭さんが現れました。

相手は私を知っているようですが、私はそのおっさんの名前すら知りません。なので、無言で近寄ってくる姿は鬼のようです。

なんなん…怖いし…。こちらはあちらに用がないので、現場内ですれ違う際に「お疲れ様でーす」とか「こんにちはー」とか愛想よく挨拶しますが、会話はしません。

今日は、日曜日。通常は誰も来ないハズの現場。金髪が逆立って身長がデカい設備屋のおっさんは現場の前に作業車輌を止めて、上機嫌で自分のペースで作業をしていました。

(※休みの日に誰も居ない現場でコソコソ作業する事も、戸建住宅の現場では結構あります。モチロン、作業をしていいか悪いを決めるのは、わ・た・し。)

すると突然、設備屋のおっさんが話しかけてきました。

「車ジャマかしら?何かこっち向かって来るんですけど…。(長い沈黙の後)…昼メシ食うたん?」

「まだですが…」

私がそう答えると、設備屋のオジサンは自分の作業車から、おもむろに何かを差し出しました。

おはぎ

お皿に盛られた「おはぎ」です。

「俺の昼メシ…」

お、おはぎ…。しかも、お皿に盛ってある、おはぎ…。

ドン引きする女子もいるかもしれませんが、甘いものが大好きな私。思わず、「やったー!いただきまーす!」と、きな粉のおはぎをひとつ頂き、その場でもぐもぐ。さらにあんこのおはぎも頂きました。

すると、

「じゃ、お疲れー!」

設備屋のおっさんはカッコよく去っていきました。

建築施工管理の女性あるある

何しに来たの…。

おはぎおじさん…。

しかし、その後、私は気付きました。設備屋のおっさんは、翌日の水道検査のためのチェックに来ていたようでした。家の外にある水道メーターに、テスターがぶっ刺した状態のままだったのです。

設備屋は、水道メーターにテスターをセットし、事前にチェックしてから水道検査に挑みます。テスターは、ちゃんと施工が出来ているか確認するための、設備屋の重要な商売道具です。

そんな大事な商売道具を忘れていくとは…。

私は、そのテスターが、シンデレラの忘れていったガラスの靴に見えました。

建築施工管理の女性は私一人

カレンダー通りにはいかない休日。

単独行動が多い現場監督。

一人での作業は、誰かが見てくれる事は決して多くはありませんし、良いことばかりではありません。

でもたまに、知らないおじさんがおいしいおやつと、要らない置きみやげをくれたりもします。

私の会社では建築施工管理の女性は私一人。

私もいつか同じ女性の現場監督に出会える機会があれば、日々の「あるある話」を分かち合いたいと願っています。

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新築戸建、リフォーム工事を主に現場施工管理を行っています。 地元工務店からスタートし、ハウスメーカー・地場ビルダー等の下請け等も行ってきました。 現在も紅一点、現場で闘う日々の中、クローズアップされにくい現場管理の仕事を良いコトも悪いコトも交え、知って頂き、女性の地位向上にもプラス出来たらと思っています。
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