日本橋首都高の地下化 3200億円で東京オリンピック後に着工

日本橋首都高の地下化 3200億円で東京オリンピック後に着工

3200億円で東京オリンピック後に着工 日本橋首都高の地下化

地下ルート完成まで10〜20年

首都高速道路の日本橋区間の地下化にかかる事業費が決定しました。

日本橋は1964年の東京五輪前に、首都高速道路の高架で上空を覆われましたが、また日本橋に青空が戻ることになります。

首都高日本橋区間 地下化の工事工程イメージ

概算事業費は3200億円。

首都高日本橋区間の地下化の対象は、都心環状線の神田橋JCT~江戸橋JCTまでの1.8kmです。そのうち0.7kmでトンネルを新設する計画。

2020年東京オリンピック・パラリンピック後に着工し、地下ルートが完成するまで10〜20年を見込みます。

地下ルート完成後に既存の高速道路を撤去するため、日本橋に青空が戻るのは、そのさらに後になります。


首都高日本橋地下化の工事費

日本橋地区の首都高地下化事業のスキームは、首都高速道路会社が2400億円、東京都と中央区が400億円、隣接する5つの再開発事業者が400億円を負担します。

発注などは今後の検討となっていますが、効率的に工事を進めるため、一体的に実施できる手法を想定しています。

概算事業費の内訳は、本体工として開削工が400億円、シールド工(延長約900m)が280億円、擁壁・掘割工が20億円、上下部工の高架工が70億円、換気設備や防災施設等、舗装工といった設備工が260億円です。

首都高日本橋地下化の計画 断面(開削部)

首都高日本橋地下化の計画 断面(シールド部)

日本橋川の付け替えや護岸改良、河道拡幅、地下鉄駅改修、一石橋・常盤橋架け替えといった河川関連工は370億円、日本橋基礎補強と既設鉄道構造物の近接構造物防護工は150億円を見込んでいます。八重洲線の出入り口整備は70億円となりました。

首都高日本橋地下化の計画 断面(擁壁部)

首都高日本橋地下化の計画 断面(高架部)

用地・補償費関係では用地が400億円、建物補償が310億円、地下埋設物移設や仮受橋脚、迂回路設置など機能補償が400億円。

撤去工は既存都心環状線(上部工)、迂回路撤去(上下部工撤去)、既存八重洲線(一部)撤去で470億円と試算しています。

環状機能確保でさらなる工事も

地下化とあわせて、渋滞対策として江戸橋JCTの環状線のランプの撤去も実施します。これに伴う大型車交通の環状機能の確保については、八重洲線の機能強化と東京高速道路(KK線)に関連する対応を実施します。

八重洲線は現状、大型車の通行が禁止となっていますが、構造上は大型車の通行と片側2車線の4車線運用が可能であることから、出入り口を確保し機能強化を図ります。

KK線は大型車が通行する上での耐荷重不足と大型車が曲がれない区間が2カ所存在するため、大型車は不可能です。近接する関連施設の影響も考慮した上で、KK線の構造を強化するか、別線による機能を確保するかの両面から検討を行うことも決めました。

環状機能確保については、地下化に伴う3200億円とは別の工事となります。

詳細は今後の検討次第となりますが、さらなる一大プロジェクトとして今後の動向に注目が集まっています。

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日刊全国専門紙『建設通信新聞』で働く若き熱血記者。学生時代から記者に憧れ、某全国系経済新聞でバイトする。卒業後、証券業界で厳しく激しく育てられてから入社。一般家庭への飛び込み営業も経験しているため、少々の苦労は苦労と思わないようにしている。霞が関を根城にして活動中。
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