事務所にいながら建設現場の業務が可能に
川田工業、芝浦工業大学、川田テクノロジーズの3者は、建設現場のテレワーク化に向けたアバターシステムの共同開発を開始した。
アバターシステムは、移動型作業ロボットや遠隔操作端末、ロボットが扱う計測器などを高速通信で連結したシステムだ。これにより、遠隔操作者が事務所にいながらにして、建設現場の品質・出来形管理業務などを行うことができる。
それだけでなく、操作者、現場職員や店社職員・発注者などがリアルタイムで情報共有を行うことができ、品質や出来形データの取得、現場職員との協働作業なども可能となる。
測定業務の全面的なデジタル化、リモート化を図る
橋梁の建設現場では、施工管理の一環として多岐にわたる品質・出来形管理業務が行われている。現場主義を重んじる建設業では、人手による実測が主体で、様々な検査項目や書類作成など、多くの時間を費やしている。
一方で、少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、現場職員の労務増大は解消が困難とされ、業務の時間短縮や工数削減のための技術開発を行うことが課題であった。
アバターシステムのイメージ図 / 川田工業株式会社(https://www.kawada.co.jp/general/topics/pdf/20201005.pdf)
そこで、生産性の向上と品質の向上を両立させることを目的として、橋梁工事現場にAI、IoT、RTなどの先端技術を導入。具体的には、現場のアバターが取得した橋梁の品質・出来形測定データをクラウドサーバーに転送して、自動帳票化し、店社や発注者と共有することで、測定業務の全面的なデジタル化やリモート化を図る。
これにより、現場職員に代わり、店社職員や在宅勤務者が複数の現場の品質・出来形管理を行うことが可能となる。発注者の遠隔立会なども可能になるため、工事の生産性と品質保証能力の向上が見込める。