建設現場は「犯罪の温床」で「社会の底辺」なのか?

建設業は「犯罪の温床」で「社会の底辺」なのか?世間の偏見にモノ申す!

作業服だと世間の目が気になりませんか?

仕事の種類を二分すると、ホワイトカラーとブルーカラーに大別される。そして建設現場で作業服を着用して働いている人は、ブルーカラーに属するが、ブルーカラーと聞いて良いイメージを持つ日本人は少ないと思う。

現場監督はネクタイを締めている場合も多いが、世間から見れば、まず作業服姿に変わりはあるまい。

現場監督は世間からどう思われているのか?

建設業に対する社会的偏見を表すようなエピソードを紹介する。

建設業は「頭が悪い」人の集まりなのか?

ある日、一斉清掃の時に、現場監督と職人が仮囲いの外の歩道で、掃き掃除をしていた。2人で一生懸命掃除をしていると、母親と男の子の親子連れが掃除をしている2人の側を通り過ぎた。

その時、母親は男の子に向かって、次のような言葉を発したのである。

「〇〇ちゃん。しっかりお勉強しましょうね。お勉強しないとこの人達みたいになってしまいますよ」

——明らかに侮蔑的発言で、怒りを覚える言葉だ。

しかし、この親子連れ以外にも「現場で肉体労働している人は頭が悪い」という認識は、社会に強く根付いていると私は思う。私も建設業に入るのを反対された経験がある。

ただ、この現場で侮蔑的発言を浴びせられた現場監督は、東京大学を卒業した大手ゼネコン職員だった。もしかしたら、先ほどの男の子が逆立ちしても届かない頭脳の持ち主かもしれない。

親子連れが過ぎ去った後、この現場監督と職人が親の後ろ姿を見て、哀れに思ったのか、凹んだのか、あるいは嘲ったのか、それは想像にお任せする。

作業服は危険人物だと思われる?

都市部の現場監督の中には、職場まで電車で通勤している人も多いと思う。私も電車通勤だが、作業服のまま電車に乗るのはなるべく避けている。

しかし、メンテの仕事などで移動先に着替えるところがない場合は、仕方なく作業服のまま電車に乗ることがある。そして作業服で電車に乗った場合、スーツ着用の場合と決定的に違うことがある。

それは、隣の座席が埋まるスピードだ。スーツ姿の場合は車両が混雑してくると比較的早く私の隣の席は埋まる。しかし作業服で電車に乗った場合、隣の座席が埋まらず空いたままになるケースが多い。

特に作業服を避ける傾向が顕著なのは若い女性だ。私の隣が空いていても少し離れたところにで立つか、わざわざ遠くの空いている座席を選ぶ。

これは偶然でなく、何度も何度も実験のように意識して電車に乗っていて分かったことだ。しかも作業服が特に汚れているわけでもない。よく洗濯しているので、むしろ毎日同じスーツを着ているサラリーマンよりは清潔だという自負もある。

いずれにせよ、作業服で電車に乗ることは周囲に不快感を与えるので、私は作業服で電車に乗ることは極力避けているが、はたして建設業に対する偏見は、どこまで根深いのだろうか?

こうした社会的認識が、建設業における若手の入職不足にも、大きな影響を与えていそうだ。

災害復興も人気テーマパークの建設も、われわれ建設技術者・技能者たちの努力で成り立っているのに、なぜ作業服のイメージは悪いのか?どうすれば作業服のイメージは変わるのだろう?……と私は自問自答している。

なにか建設業のイメージアップにつながる良いアイディアはないだろうか?

ピックアップコメント

俺も昔は尊敬してたんですけど、現場から資材を盗むことも平気でする人もいて幻滅しましたw黒い交友関係もあるのになぁ。犯罪歴非行歴交友関係しっかり調べたらまとも人材1割にも満たない、イメージアップも糞もないそんな糞業界でしたチャンチャン♪

この記事のコメントをもっと見る

この記事をSNSでシェア

こちらも合わせてどうぞ!
コン打ち後に「スナックのママ」に変身する若い女性建設技術者(けんせつ小町)
【除染現場の宿舎6選】復興最前線で戦う建設技術者たちの「寝床事情」
BIMを活用したいけれど、どうすればいい? アウトソーシングや人材派遣で解決しよう
10年後の地域建設企業はどうなる?東京大学大学院・大橋弘教授にインタビュー
映画『釣りバカ日誌』の浜ちゃんを信奉している建設業界の平凡なサラリーマン。万年平社員こそ、わが理想としているが、年齢を重ねるとなかなかそうもいかない現実と日々これ格闘中。
モバイルバージョンを終了