河建ドボジョシリーズ第1弾【入社3年目 美優ちゃん】
以前、「福岡県のスゴ腕ドボジョ」ということで、株式会社河建(福岡県みやま市)の河野理恵さんを紹介する記事を出した。
取材を通じて、河建のスゴイのところは、毎年のように新人のドボジョ(の卵)を採用し続けている点だと感じた。ということで、河建が誇る新採ドボジョ3名に、河建を選んだ理由、現場仕事の魅力などについて、それぞれ話を聞いた。
第1弾として、入社3年目の美優ちゃん(前原美優さん)に話を聞いてきた。
「私でも土木現場の役に立つかな」
河建HPにもたびたび登場する美優ちゃん(右)
――入社して何年ですか。
美優ちゃん 3年目です。
――土木の仕事に興味を持ったきっかけは。
美優ちゃん 父親が土木関係の仕事をしていて、仕事現場を見に行ったことがあります。ただ、父親の仕事を通じて土木の仕事に興味を持ったというわけではなく、普通科の高校に通っていたのですが、卒業を控えたころに、河建の求人票を見つけて、会社パンフレットやホームページを見たのがきっかけです。
それまでは、土木と言えば「ドロ仕事」というイメージが強かったのですが、ICTなどの最新技術を使えば、「私でも土木現場の役に立つ仕事ができるかな」と思って、土木の仕事に興味を持ち、河建に入社しました。
――建設会社に就職したことに対する友だちの反応は?
美優ちゃん 「それってなんの仕事?」という驚いた感じですね(笑)。施工管理という仕事について説明するのが難しいので、今でも困っています(笑)。
最初の現場仕事は「現場代理人」
――これまでどんな仕事をしてきましたか?
美優ちゃん 最初にやった仕事は現場の写真を撮ることでした。そのあとが測量です。いくつかの現場を経験しながら、ICT機器の操作を覚えたり、いろいろなことをやってきました。今は、3Dスキャナーを使って、測量したり、データ処理をしたりしています。まだ勉強中ですが、少しずつできるようになってきています。
――最初の現場はなんでしたか?
美優ちゃん 河川工事で、メインは掘削のICT土工の現場でした。最初の現場は、いきなり現場代理人でした。監理技術者は理恵さん(河野理恵さん)で、現場代理人も女性にしたいということで、私が現場代理人に選ばれました。
現場で測量中の美優ちゃん
――いきなり現場代人になってどうでした?
美優ちゃん 何も知らない状態で現場代理人になりました。現場代理人という言葉も初めて知りました(笑)。現場代理人になってから、なにをする立場なのかいろいろ調べながら、仕事を覚えていった感じでした。現場に出ても、ベテランの方からいろいろ話しかけられるのですが、なんのことを言っているのか、基本的にわかりませんでした(笑)。
最初のころはずっと質問ばかりしていた感じです。ベテランさんはお父さんぐらいトシが離れていたので、正直、なかななか質問しずらいところもありましたが、そんなことを気にしている場合じゃないという感じでした。
――不安じゃなかったですか?
美優ちゃん 不安はありました。仕事の流れもわからず、ベテランさんのうしろについて回るだけでした。たくさんのことを覚えていかなければならなかったので、「これ大丈夫かな」と思っていました。
――お父さんに相談したりとかは?
美優ちゃん 「今、こういう仕事してる」とか、ちょくちょく話はしていましたけど、私が求めているようなアドバイスはあまり得られなかったですね(笑)。結局、現場でベテランの方に教えてもらっていました。
――仕事にはもう慣れました?
美優ちゃん そうですね。3Dスキャナーに関してはまだまだ教わっている段階ですけど、測量とかは自分でできるようにはなっています。
――今はなんの現場ですか?
美優ちゃん 河川の護岸工事の現場です。
――現場仕事の魅力はなんですか?
美優ちゃん 自分が測量した構造物が実際に完成したときとか、竣工検査が終わったときの達成感が魅力ですね。あと、現場作業員さんたちのスゴさを間近に感じられる、というのもあります。今まで当たり前にあるモノとして見ていた道路や構造物ができるまでの、作業過程や苦労なんかを知ることができるからです。
現場に女性専用スペースがある
――河建は働きやすいですか?
美優ちゃん 河建では、女性が現場で働きやすよう、いろいろな配慮をしてくれるので、スゴく働きやすいです。例えば、現場の詰め所に女性専用のスペースをつくってくれています。おかげで、お化粧直しとかも、男性がいるところでしなくてできるので、プライベート空間をしっかり確保することができます。当然トイレも別々です。
現場事務所に設置されたの女性専用スペース
――周りはおっさんばっかりで、大変だったということはありますか?
美優ちゃん 私は周りが男性ばっかりでも基本大丈夫なタイプなので、大変だと思ったことはありません。下請けの作業員さんとかに初めて現場であったときとかは、一瞬話しかけづらいと思ったことはありましたが、話しかけると、普通にコミュニケーションできました。なので、基本的には現場で楽しくやっています。
ICT施工をマスターしたい
――今後どういう仕事をしたいですか?
美優ちゃん 今は、3Dスキャナーをマスターしたいです。ICT施工に特化した、いろいろなノウハウをマスターして、ICT施工関連ならなんでもできるようになりたいです。
――取りたい資格とかは?
美優ちゃん まずは2級土木施工管理技士を取りたいです。学科は受かったので、来年、再来年ぐらいに実地があるので、そこに向けて頑張りたいです。いずれは1級も取って、最終的に監理技術者になれれば良いなと思っています。
――休日はなにしてんですか?
美優ちゃん 友だちと遊んだり、家でゴロゴロしたりして過ごしています。
――毎年後輩が増えているようですが、後輩に教えるうえで気をつけていることは?
美優ちゃん 基本的には、道具の名前とか、私自身わからなかったことを教えるようにしています。ただ現場を見ているだけでは、なにをやっているのかわからないので、今何をやっているのかということも教えるようにしています。
私が入社したてで、トシの近い人が周りにいなかったころ、施工計画書とか過去の現場の写真とかを見て、今自分がやっている作業にどういう意味があるのかとか、関連付けながら、日々の作業をしていました。後輩には、同じことをやるように教えています。