儲かる現場と儲からない現場4選
土木工事の現場って色々な工種や条件の現場がありますよね。パッと見た感じ同じような現場でも、儲かる現場とそうでない現場、、、本当に様々です!!!
そこで今回は、土木業界に入ったばかりではじめての現場へ赴任する人にむけて、「儲かる現場と儲からない現場4選」というテーマでお話します。
一言ではなかなか言えない部分もありますが、誤解を恐れずに解説していきます!(笑)設定は、元請け業者の施工管理の視点で、公共事業一般土木工事で5,000万〜1億円程度の工事規模を想定して解説していきます!
内容は、以下4つのテーマにわけて解説していきます。
- 工種が多い・1工種あたりの数量が少ない
- 施工ヤードが狭い
- 施工箇所が市街地
- 自然条件が悪い
なるほど!良い質問ですね!先ほど挙げた4つは全て“儲からない現場”のことです!!儲かる現場はこの逆になります!!!
つまり、儲かる現場と儲からない現場は表裏一体、表と裏の関係にあります。儲からなさそうな現場のテーマの逆が、儲かりそうと覚えておいてください!
そのような解説をした理由は、単純にはじめて現場へ赴任される人から見れば、儲かる現場より儲からない現場を解説したほうが頭に入りやすいと考えたからです。コツコツで良いので学んでいってください!
①工種が多い・1工種あたりの数量が少ない
結論からですが、複数工種の作業をすると成果が分散して利益がでないということになります。
理由は、いろいろな作業や違う作業を日々施工するので、オペさんや作業員さんが作業に”慣れが発生しずらいこと”があげられます。
その結果、サイクルタイムが向上しない、日当たり施工量も向上しない、利益につながらないという流れになるわけです。
例えばですが、どちらも一般土木の工事で請負金額は5,000万円と想定します。
- 現場A
・一般土木
・土工事
・掘削V=3万m3
・土砂運搬V=3万m3
・残土処理V=3万m3 - 現場B
・一般土木
・土工事:掘削V=500m3、土砂運搬V=500m3、残土処理V=5万m3
・雨水排水工:現場打ち側溝L=350m、地下排水工L=170m
・汚水排水工:汚水本管L=300m、汚水取付管=45箇所
・舗装工:As舗装 A=3,500m2、コンクリート舗装 A=1,200m2
現場Aと現場B、どちらの現場が儲からないと思いますか?いきなり答えを言ってしまうと、答えは「現場B」です!
つまり、工事内容が煩雑でいろんな工種・作業をするので、単独工種の工事と比較すると利益がでないって構図なんですよね(-_-)
工種がある程度多いほうが職人も遊ばんと仕事できるので良いのでは?
もちろん、そういう面もあります!
でも今回は、いろんな要因を抜きにして、単純にお金のことだけにフォーカスして解説してますので、「煩雑な現場のほうが利益がでないよね」という理論・ロジックでお話していきますのでご容赦ください^^;
②施工ヤードが狭い
次に2つ目の「施工ヤードが狭い」を解説していきます。結論ですが、自由に動けないのでサイクルタイムが低下して利益につながらないになります。
理由は、施工ヤードが狭い場所で仕事すると段取り替えが多くなりロスが増える。その結果、利益を食い潰すというフローになります。最悪ですよね・・・(-_-;)
具体例を交えてお話すると、先ほどと同じく、どちらも一般土木の工事で請負金額は5,000万円と想定します。
- 現場A
・一般土木
・現場隣接地に□100m×100mの作業ヤードがある - 現場B
・一般土木
・現場隣接地に□10m×10mの作業ヤードがある
・現場から1km離れた場所□50×50m程度の作業ヤードがある
どちらの現場が儲からないと思いますか?
答えは「現場B」です。現場Bは、単純に動きにくそうですよね。その結果、作業の制約がロスにつながります。
また、離れた作業ヤードからの運搬や移動を伴うので、その時間がすべてロスタイムとなり、利益を食い潰していくことになります。結果、儲からないって構図ですね・・・。
③施工箇所が市街地
3つ目を解説します。これも結論からですが、制約条件が多くなり利益が低下するという構図になります。理由は下記の3つです。
- 周辺道路での渋滞
- 周辺環境への配慮
- 夜間作業が多くなる(昼と夜が混在)
具体例を挙げつつ、解説します。
1.周辺道路での渋滞
まず理由の1つ目ですが、渋滞が原因で、以下のような出来事が発生することが予想されます。すると、利益が低下し、儲からないというフローになります。
- 生コン車や土砂及び残土運搬ダンプトラックのサイクルタイムが低下する
- 現場周辺に生コン車やダンプトラックの待機場所がない
- 幹線道路上での工事の場合は夜間作業に切り替える場合もあり
2.周辺環境への配慮
ここでも、下記のような出来事が発生することが予想されるため、作業効率の低下、ロスが発生し、儲からないってフローになります。
- 住宅地や学校等があれば配慮防音シート設置などが必要
- ブレーカ作業の振動騒音防音シート設置など低振動低騒音工法の採用
- 工事の規模・金額の割に交通誘導警備員の数が多い
3.夜間作業が多くなる(昼と夜が混在)
儲からない理由の最後は夜間作業ですが、市街地や人がたくさんいるところで工事をすると周囲の影響を受ける頻度や度合が多くなり、利益が低下します。
- 幹線道路上では夜間工事へ切り替え
- ショッピングモール等の前や駅周辺など
もちろん、設計・積算で配慮はされているいるんですが、それ以上に原価がかかるということです。
④自然条件が悪い
儲からない現場4つ目の最後は「自然条件が悪い」です。ここも結論からですが、土質や地下水が工事に影響して利益が低下するというフローになります。
理由は、設計の積算単価は土質や地下水をある程度考慮はしていますが、充分ではないということです。ここでも具体例を交えてお話をします。
現場の土質
現場の土質を下記2つで比較してみます。
- 「砂質土」「礫質土」
・土質支持力が高い傾向
・コーン指数が高い
・場内を生コンやダンプトラック等がそのまま走行可 - 「粘性土」
・土質支持力が低い傾向
・コーン指数が低い
・場内を生コンやダンプトラック等がそのまま走行不可、仮設で敷鉄板設置や砕石舗装が必要
現場の地下水
現場で発生する地下水は、積算である程度は考慮されていますが、実際の現場は、それ以上に経費がかさむんですよね。
ポンプアップ費用+電気代+排水処理費(ノッチタンク等)などなど、その経費にプラスして施工性が歩掛以上に悪化してきます・・・。
つまり、土木は自然相手の仕事なので、積算基準等の教科書には載っていない環境の影響をモロにうけるってことになります(-_-;)
そんなことって工事受注してからではもう遅いですやん!
その通りです。なので、入札参加する前に、工事箇所の土質や地下水をある程度調べておくことがめっちゃ重要になってきます!
その条件を加味した上で、入札に参加するかしないかを上司と相談して決めましょう。ぶちゃけ、タイミングとしては工事受注後は遅いですね、、、。
おわりに
今回は、土木業界に入ったばかりではじめての現場へ赴任する人にむけて、「儲かる現場と儲からない現場4選」を解説してきました。
最後はなんかしょんぼりした内容になりましたが(-_-;)
最初にも言いましたが、儲からない現場の逆の特徴が儲かる現場の特徴になります。今日の内容を意識しつつ経験を積み上げていっていただければ、現場所長になる日も近いと思います!コツコツと努力しているあなた届けば嬉しいです^^
※この記事は、『ジョウ所長のblog』の記事を再編集したものです。
儲かる現場と儲からない現場4選!【はじめての現場へ赴任するあなたへ!!!】 / YouTube(ジョウ所長の土木技術者サポートチャンネル)
儲かりそうとか儲からなさそうとか言ってますが、どのテーマが儲かってどのテーマが儲かれへんのかがわかりません!