コンクリートブロックには種類がある!特徴や用途などの違いを解説

ブロック塀だけでなく、園芸やDIYにも使われるコンクリートブロック。

実はコンクリートブロックには、用途によって適したさまざまな種類があります。また、ブロック塀をつくるときには高さや厚みに制限があります。

今回は、コンクリートブロックの種類について解説していきます。種類や特徴を知ることで、用途に合わせた使い方を知りましょう。

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コンクリートブロックの規格・形状・構造

無地のコンクリートブロックのことを、一般的にはコンクリートブロックと言います。無地のコンクリートブロックには規格があります。規格に適合したコンクリートを使用することが定められています。

また、コンクリートブロックにはさまざまな形状があります。ここではコンクリートブロックの規格から、コンクリートブロックを構成している要素、形状について解説していきます。

コンクリートブロックの規格

日本の工業製品に関する規格は、JISによって定められています。コンクリートブロックの規格も例外ではありません。ブロック塀に使用するブロックは「JIS A 5406」の規定に適合するもの、または同等品質以上のものと定められています。

JISが認定している製品は以下の5種類です。

No 区分 種類
1
断面形状による区分 空洞ブロック
2
圧縮強さによる区分 C(16)
3
化粧の有無による区分 素地ブロック
4
防水性による区分 普通ブロック
5
寸法精度による区分 普通精度ブロック

※関連記事:「JIS規格」について詳しく調べる

コンクリートブロックの形状

コンクリートブロックの別名は「建築用空洞ブロック」です。その名の通り、ブロックの内部は空洞になっています。空洞の場所によって使用する場所を使い分けることもあります。

ちなみに、コンクリートブロックと言いますが、素材はコンクリートではありません。素材はモルタルです。コンクリートより強度は落ちますが、細かな造形が可能なため、コンクリートブロックに向いている素材と言えます。

コンクリートブロックの構造

コンクリートブロックは、以下の3つの構造から構成されています。

  • 砕石層
  • 基礎部分
  • ブロック部分

「砕石層」の役割は、基礎部分を支え、地盤沈下を防ぐことです。岩石を砕いた、砕石が敷き詰められています。

「基礎部分」の役割は、ブロック塀を支えることです。地中にコンクリートを流し込み、L字型に鉄筋を埋め込みます。

「ブロック部分」は本体です。5~10cmほど地中に埋め込むことで、強度を上げています。

コンクリートブロックの用途と種類

コンクリートブロックは塀だけでなく、花壇や土留めといったさまざまな用途で使用されています。コンクリートブロックの種類にもさまざまなものがあり、用途に合わせて使い分けられています。

ここでは、コンクリートブロックの用途について解説していきます。また、外構工事で使用されるブロックや普通ブロック、化粧ブロックといった、ブロックの種類についても解説していきます。

コンクリートブロックの用途

コンクリートブロックはさまざまな場面で使用されていますが、主に使用されているのは以下の場面です。

  • 塀、門柱
  • 飾り壁
  • 土留め
  • 花壇

塀や門柱では、敷地の境界に壁を設置したいときに使用されています。近年では、ブロックを低く積み、その上にメッシュフェンスを立てることが主流です。

飾り壁では、敷地内の視覚的なアクセントとして使用されています。化粧ブロックや装飾ブロックを使用すれば、見栄えも良くなるのでおすすめです。

斜面や段差がある地面に土留めの壁として使用されます。傾斜が大きいところでは土圧が高くなるため、施工する場合は専門の知識を持つ業者に依頼しましょう。

花壇に使用すれば、レンガとは異なる雰囲気を演出できます。飾り壁と同様に、化粧ブロックや装飾ブロックを使用すれば、デザイン性も上がります。

外構工事で使われるコンクリートブロックは4種類

外構工事で使用されるコンクリートブロックの形状は、以下の4種類があります。

  • 基本型
  • 横型
  • コーナー
  • 半ぎり

基本型は、穴が3つ空いたブロックです。縦の鉄筋が差し込めるように凹みが両端にあります。

横型は、3つの穴が空いているように見えますが、途中で塞がっているブロックです。穴が塞がっているところに鉄筋を通します。

コーナーは、端が平らになったブロックです。縦の鉄筋を差し込むための凹みが片方にあります。外壁の隅に使用します。

半ぎりは、小さなブロックで長さの調整用として使用されるブロックです。外壁の隅に使用します。

普通ブロック

一般的な普通ブロックは灰色です。スマートな見た目で、境界線をはっきりさせる目的や、目隠しとして使うことが多いブロックです。防火や防犯にも役立っており、安価で購入できるため、幅広く使用されています。

デザイン壁や塗り壁の門柱の躯体は普通ブロックです。普通ブロックの表面にタイルや石、塗り壁材を貼って仕上げています。

化粧ブロック

化粧ブロックは、着色や塗装などを施したコンクリートブロックです。その分、普通ブロックに比べると値段は高くなります。

化粧によってデザイン性を上げることにより、周囲の建物との色合いを合わせたり、デザイン性を追及したりすることができます。以前はリブロックとも言われていましたが、デザインが多様化したため、化粧ブロックと言われるようになりました。

コンクリートブロックを設置するときの注意点

街でよく見かけるブロック積みですが、コンクリートブロックを設置する場合の注意点もあります。安全性を確保するためにブロック塀では高さや厚みが決まっています。環境によっては専門知識が必要です。

また、コンクリートブロックは通販ではなく、ホームセンターで直接購入することがおすすめです。ここでは、コンクリートブロックを設置するときの注意点について解説していきます。

高さと厚み

建築基準法により、ブロック塀の高さは地盤から2.2mまでと定められています。厚みに関しては、高さ2m以下の塀は10cm、2mを超えると15cmと定められています。

ただし、どんな場合でもこの基準が適用されるわけではありません。国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって構造耐力上安全であることが確認できた場合は、この基準を超えていても問題ありません。

あくまでも安全性を確保するための決まりです。

ブロック積みには専門知識が必要

ブロック積には専門知識が必要です。ブロック塀を建てるには、ブロックの中に鉄筋とモルタルを入れ、複数のブロックをひとつの構造物にして設置します。

知識や技術が不足した人がブロック塀を作った場合、ひび割れしたり倒れたりといった被害にあう可能性があります。それだけでなく、最悪の場合、けが人が発生してしまう可能性も考えられます。

最悪の事態を避けるためにも、プロの業者に依頼しましょう。

ホームセンターで直接購入しよう

コンクリートブロックは、ホームセンターでの購入がおすすめです。理由は現物を確認できるためです。

普通ブロックなら色合いに違いはありませんが、化粧ブロックについては実物を見ないと色合いが思っていた色と異なるケースがあります。買った後に後悔しないためにも、現物を見て購入しましょう。

また、普通ブロックを購入する場合は、ホームセンターと通販のどちらが安いかを確認して購入しましょう。

コンクリートブロックの種類と用途を理解しよう

今回は、コンクリートブロックの種類や用途について解説してきました。コンクリートブロックには、JISで定められた規格があり、規格に適合したものを使用しなければいけません。

またコンクリートブロックは、化粧ブロックのようにデザイン性が高いブロックもあり、花壇や飾り壁といった用途で使用されています。化粧ブロックの存在が用途の多様化につながっています。

コンクリートブロックの種類や特徴を知り、コンクリートブロックを使用するときの参考にしてください。

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