公共工事現場

「公共工事の労務単価上昇」は現場を天国に導いてくれたのか?

今年3月から引き上げられた公共工事の労務単価。実際、お金の面で良くなったのか?現場では何が起こっているのか?について、現場からリアルな声を届けたいと思う。

労務単価アップの恩恵を肌で感じている

公共工事設計労務単価が全国全職種平均2.5%引き上げられたというだけあって、お金を管理する私たち現場所長は、その単価アップの恩恵を肌で感じている。(ありがとうございます)

とはいえ、ここで気になるのは、「現場で働く全員の給料が上がったのか?」ではないだろうか。

労務単価は間違いなく上がっているので、下請けに支払われる金額も上がっているはず。ということは、全員の給与が上がっているはず。じゃあ、実際に私の周りはどうなのか?

結論、社長や役職者、上司など上流階層の人間は上がっているようだが、雇われの下っ端は上がっていないというのが現状だ。

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現場所長は今までよりも厳しくなる場面も

また、労務単価上昇によって、注意しなければならないこともわかってきた。それは、現場での人員配置についてだ。

もしかしたら私だけかもしれないが、つい最近、人数2人でできるところを4人で施工し、下請けから月末の出来高精算で必要以上の請求をされた、というちょっとした事件があった。

あまりにも高すぎないかと指摘したところ、「労務単価が上がっているのだから払えるはずだ」と言ってきたのだ。

このように、労務単価が上がったことを利用し、自分たちの業務量以外のところでだしに使ってくる場合もあるので気をつけたいところだ。

建設業界全体でもっと所得が上がるべき

労務単価が上がったと聞いて、多くの土木業界の人間が、明るいニュースに聞こえたことだろう。しかし、実際には、その恩恵は下に行けば行くほどあまり受けられていない、というのが現状だ。

労務単価上昇の理由は色々とあるだろうが、”この業界をもっと魅力的なものにするため”という意図も含まれているはずだ。にも関わらず、その恩恵を受けられていない人がいるというのは大問題ではないだろうか。

むしろ、下の人間こそ給与が上がっていくシステムにしなければ、今後さらにこの業界は人が入ってこなくなる。業界全体の所得の底上げが何よりも必要だろう。

毎年引き上げられる労務単価に相当する賃金が、職人にまでしっかりと分配されることで、建設業界全体の所得の底上げや完全週休2日制の導入などにもつながり、結果的に建設業界に興味を持ってくれる若者が増えるのではないかと考えている。

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