「自殺するな、転職するな」上司が嫌なヤツでも、現場は2年の辛抱だ!

現場監督はストレスが多い!

建設現場で働いていると色んな苦難に遭遇する。事故が起これば発注者だけでなく、マスコミからの批判も浴びることになる。

私も本当に逃げ出したくなるような苦難に何度も遭遇した。会社をクビになっても仕方ないほどの損害を出したこともある。

私は、自殺しようとは思わなかったが、なかには、思い悩んだ末、そっちの道を選んでしまう現場監督もいるのだろう。

現場監督が自殺した事件

知人の部下が現場事務所で自殺したことがある。

ある建設会社で知人が部長として働いている時、朝一番に部下から青ざめた声で電話が掛かってきたそうだ。

すぐさま「現場の保全」指示を出し、その後、警察などの事情聴取を受けることになったが、自殺の原因は、現場での失敗を社長に激しく責められた事だったらしい。

このような事件は、昔より減ったものの、現在でもしばしばあると聞く。不思議に思うのは、電通の事件も含め、なぜ転職という道を選ばないかだ。

絶対に自殺してはいけない。

建設現場を生き抜く教訓

たしかに建設現場の現場監督は精神的に辛い。

現場内だけでなく、現場外からも何らかの精神的プレッシャーを受けながら毎日を過ごしている。

しかし、私の周囲の話では、対人関係の悩みが多く、特に上司に関する悩みが多いと思う。最近は、そうした人間関係から逃げるために、あえて派遣社員として働く建設技術者も多いと聞く。

私も様々な精神的プレッシャーを受けながら現場をこなしている毎日だが、私には心の支えになっている言葉がある。

それは私の最も信頼している上司に言われた言葉で、「建築現場は大抵2年で終わる。2年我慢すれば上司も変わる。上司と合わないからと言って辞めるのはバカらしいぞ」というものだ。

よほどの大規模現場でなければ、2年辛抱すればどうにかなる、そう思って私は勤続している。私は比較的大きなゼネコンに勤務しているので、なるべく転職しないよう、そのように心掛けている。

いつも同じ上司はツラい?

幸か不幸か建設現場では、その時々でメンバーが変わる。

良いメンバーと離ればなれになることもあるが、悪いメンバーと離れることもできる。気が合わないと思えば「この現場だけ」と自分に言い聞かせて我慢すれば良い。

しかし、会社の規模や仕事の種類によっては、上司がいつも一緒、という状況もあるかも知れない。そのような時は転職して、職場環境を変えるのも手段だ。先述の自殺者を出した会社も、従業員がけっこう退職したらしい。転職という選択肢があれば、無理に2年も耐える必要もない。

建設業は慢性的な人手不足に陥っているので、転職すれば今以上の待遇で受け入れてくれる会社はきっとあるはずだ。なおかつキャリアアップをして新しいステージに上がるというのは悪くない選択である。

そして、一番大切なのは「自分一人で悩まない」ということ。私自身も悩みだすと自分の頭のなかでグルグル考えが回り、悪い方向へと考えがちだが、他人に相談すると自分に今までなかった発想を授けてくれることがある。

辛いことは一人で悩んでは絶対にイケない。

ピックアップコメント

同感。施工現場ならば気に入らない上司といる期間ははっきりしている。そこは救いでもあるでしょう。自分もそう思って我慢した時期がありました。転職はまだしも自殺なんてとんでもないです。また、自分が人の上に立ったなら、その気に入らない上司のようにはなるまいと思っていれば次の世代が少しは救われるかもしれません。

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大学工学部を卒業後、大手ゼネコンに入社。駅前再開発工事や大型商業施設、教育施設、マンションなどの現場監督を担当している30代の1級建築施工管理技士。新人時代の失敗で数千万円の損失を出した経験から、日々の激務に追われながらも、新人教育に熱意を燃やしている。現場でのケンカの回数は30回ほど。
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