(公社)土木学会はこのほど、土木分野のコンクリート構造物の技術規準のスタンダードである、『コンクリート標準示方書』「基本原則編」、「設計編」、「維持管理編」を改訂し、書籍(紙媒体)と電子書籍で発刊した。あわせて『コンクリートライブラリー162 2022年制定コンクリート標準示方書 基本原則編・設計編・維持管理編 改訂資料』(紙媒体のみ)も発刊した。新たな示方書は、これまでの示方書の理念とスタイルを踏襲しつつ、近年の技術の進歩が数多く取り入れられている。
標準示方書は「基本原則編」、「設計編」、「維持管理編」の3編を改訂
基本原則編は、「コンクリート構造物の性能確保」、「性能確保のための情報伝達の重要性とその方法」、「技術者のあり方および役割」で構成。今回の改訂では、よりよいコンクリート構造物を実現するため、供用期間でのコンクリート構造物の性能確保、設計・施工・維持管理段階を通しての情報伝達の重要性とその方法、技術者のあり方と役割の記述を充実した。
設計編は、2017年制定版の改訂方針を受け継ぎ、「本編」、「標準」や「付属資料」で構成。今回の改訂では、既設構造物についても適用範囲とし、偶発作用として地震動だけでなく、衝突や津波・洪水も対象とし、さらには高強度鉄筋を対象とし鉄筋強度の適用範囲を変更するなど、設計と施工・維持管理の連携をよりスムーズにまとめた。技術の発展に伴う各編の技術内容を充実するなど、構造物に関わるさまざま状況への対応が行われている。
維持管理編は、維持管理の原則を述べる「本編」、標準的な維持管理を実施する上での共通の必要事項を記した「標準」、維持管理を「標準」に従って実施する中で特に留意が必要な事項をとりまとめた「標準附属書」や「付属資料」で構成。今回の改訂では、定期の診断をルーチンワークであると位置付け、そのため事前に綿密な維持管理計画を立案した。
「コンクリートライブラリー162 2022年制定 コンクリート標準示方書改訂資料」は、コンクリート標準示方書改訂3編の作業で議論の内容を紹介し、改訂の背景や根拠を示した。また、今回の改訂版に含めるに至らなかった積み残した課題や項目についても紹介している。コンクリート標準示方書各編の内容の理解の助けになるとともに、新しいコンクリート技術の開発や活用にも役立てることが出来る。
土木学会の購入サイト
価格
『2022年制定 コンクリート標準示方書』(A4上製本)
- 「基本原則編」:3,520円(一般)、3,170円(会員特価)、3,520円(電子書籍)
- 「設計編」:9,240円(一般)、8,320円(会員特価)、9,240円(電子書籍)
- 「維持管理編」:7,040 円(一般)、6,340円(会員特価)、7,040円(電子書籍)
『コンクリートライブラリー162 2022年制定 コンクリート標準示方書 改訂資料 基本原則編・設計編・維持管理編』(A4並製本):3,300円(一般)、2,970円(会員特価)
購入先
書籍(紙媒体):http://www.jsce.or.jp/publication/(土木学会刊行物・試験機 販売サイト)
電子書籍:https://jsce-e-publication.myshopify.com/ (土木学会 電子書籍販売サイト)