AIが建設業をひっくり返す?
ChatGPTなどの登場によって、世界中がかなりドキドキしているように思います。AIの進化が、自分たちの仕事領域を奪うのではないかという不安から来るものです。僕も実際に使ってみて、その破壊力がわかってきました。
今回は、このAI時代が建設業をひっくり返すかもしれないというお話をします。あくまで、僕の考えた「可能性」の話だと思ってください。
例えば、事務、経理、営業、コンサルなどは、もうすでにAIが実用化してきています。これはまだまだ進んでいくでしょう。また、デザインや作曲、絵画やアニメといったクリエイティブな業務も置き換えられます。すでにほんの数秒で、AIが素晴らしい作品を生み出しているのですから。
また、IT、SE、Webマーケターといったプログラムなどの領域、確率や知識を基本とする弁護士や医師、占い師のような仕事もAIの得意領域だと言えます。きっと人間が必要な場所がどんどんと狭められる未来が、実際に見えてきたと言えるのです。
ではロボット技術はどうかというと、そううまくはいきません。なぜなら、AIの生成するプログラムだけで解決するわけではなく、それに加えて資材や機材などの物理的なものが必要だからです。開発には時間とコストがかかり、何よりまだまだ人間が必要なのです。
建設業で考えると、きっと3Dプリンターの時代は間もなくやってくるでしょう。ただし、人間がイメージするようなものを作るのはまだ先なのではないかと考えます。そうなると、実際は3Dプリンターが作る独特なデザインに、人間が歩み寄る必要が出てきます。
つまり、本当に作りたいものではなく、似たようなものを3Dプリンターでできるものの中から探すことになるわけです。それを良しとしない人も多く、結果として、まだしばらくは人間が必要不可欠になるわけです。
もちろんそんな建設業だって、長い目で見るとロボットに置き換えられることは避けられないとは思います。ただ、そのタイミングは他業種に比べて遅くなると考えるのです。おそらくこれが、建設業をひっくり返すきっかけになると思うのです。
AIは建設業にとって追い風か
想像してみてください。AIによって仕事を奪われた人々は、きっと違う仕事を探すことになるでしょう。そして、自分を必要としている業種に流れ着きますよね。ということは、人手不足がまん延するこの建設業に流れてくることだって、予想されるわけです。
そうやって流れてきた人々の特性を取り入れることにより、きっと建設業が飛躍的に進化、加速していくことになります。そしてロボット技術も進むことでしょう。もしかしたら、あっという間に人手不足なんて解消する事態にもなり得るかもしれません。
これは建設業にとって追い風に・・・なるかと言えば、実はそうでもありません。単純に「あーよかったね」と言えるかというと、そんなこともないのです。
人が増えるということは、現状の建設業にとっては良いことです。でも、よく考えてください。人が少ないということは”珍しい”ということ。珍しいということは、高価であること。理屈的にはそうなるはずです。
でも人が満足に補充されるとどうなるか。その希少性が失われ、価値が下がる。つまり、給料は上がらずに低迷します。また新しい技術に取り残され、格差も広がることになるでしょう。必ずしも良い未来とは言い切れない側面もあるのです。
僕は今、そんな未来を思い描いています。ただ、早かれ遅かれ来るはずだった未来が、今そこに来ているだけの話でもあり、そこに立ち会えているという事実を、僕はラッキーだとも思っています。
どんどんと変わる現実、予測不能な未来。その不思議な時代を、勇気とチャレンジ精神で前に進むことで、楽しむことだってできます。荒波を楽しむサーファーのように挑戦すること。これが建設業の生き残る第一歩なのだと考えています。
※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。