ダブルで事件が起きたゲリラ豪雨
現場を運営していると、たまに想定外の事件が起こります。数年前、私の現場がゲリラ豪雨に襲われました。
そのとき、ダブルで事件が起きたのです。
その日は、朝から猛烈な雨が降っていました。バケツをひっくり返したような雨で、交通機関は大幅に乱れ、私自身なかなか現場まで辿りつけませんでした。
そのときの現場状況は基礎工事中で、耐圧盤を打設した後でした。
地下水位が高かったので、地下水などの排水用の水中ポンプが設置してあったことから、いくらゲリラ豪雨とはいえ、私は「水中ポンプが設置してあるから、耐圧盤上はそんなに被害がないだろう」とタカをくくっていました。
しかし、実際に現場にたどり着いたときの状態は、目を疑うような状況だったのです。
なんということでしょう!現場内がプール状態になっていたのです。
周りの基礎の差筋の状況から推測すると、50cmくらいは冠水している状態。当然、その日の作業は中止となりました。
追い討ちで、道路が陥没
冠水の原因は、現場の地盤が周辺道路より低く、現場内のみならず現場周辺の雨水も現場内に流れ込んでいたからでした。
しかも、周辺道路の雨水設備があまり機能しなかったのか、道路自体も冠水しているような有り様で、現場をプール状態にすることに追い打ちを掛けていたのです。
さらに運が悪いことに、大雨の影響で道路まで陥没してしまいました。
原因は鋼矢板を打設した裏側の土に幾分かの空隙があり、その空隙を大量の水分を含んだ土砂が埋めたからだろうと推測することができました。
しかし、道路が陥没した原因はどうであれ、工事の影響によって道路が陥没したのは明白で、当然、補修作業に追われることになりました。
その後、現場内にポンプを設置しましたが、流れこんだ大量の雨水を排出するには予想以上に時間が掛かりました。最終的に水が抜けきったのは、もう夕方に差し掛かった頃。その間、道路の応急処置も行い、慌ただしい一日になった記憶があります。
よくテレビで豪雨や台風のニュースを見ていて、自分の現場ではあり得ないと感じることがあります。私もまさか、自分の現場がこんなに大幅に冠水してしまうなんて夢にも思っていませんでした。どこかで他人事だったのでしょう。
くれぐれも大雨、台風には気を付けましょう!