事務員として建築現場に入りたいんですけど、どうですか?

事務員として建築現場に入りたいんですけど、どうですか?

現場に常駐しながら、複数の現場の書類管理も担当する事務員

前回の大洋建設の記事で、建築現場に事務員さんが常駐し、安全書類などの書類業務全般を一手に引き受けているという趣旨のお話があった。そこで、実際に事務員として現場に常駐している事務員さんお二人にお話を伺うことになった。

とくに気になるのは、常駐している現場だけでなく、複数の現場の書類管理も担当しているという点だ。なぜそんなことが可能なのか、そのヒケツを中心に、いろいろ聞いてみた。

工藤 まり子さん 大洋建設株式会社 生産本部 建設部 建築グループ

田中 美菜実さん 大洋建設株式会社 生産本部 建設部 建築グループ

WEBサービスツールを使うことで、複数現場の書類管理が可能に

――お二人はそれぞれ、入社何年目ですか?

工藤さん 5年目になります。

田中さん 私は3年目です。

――お二人は現場で事務員さんをされているそうですが、どのようなお仕事なのですか?

工藤さん 職種は事務なんですけど、バックオフィスで働いている内勤の事務員とは違って、現場事務所に常駐して、常駐現場と並行して複数の現場の書類も作成・管理するという仕事になります。

――複数の現場の書類管理はどのように行なっているのですか。

工藤さん 私が入社した年に、モデル導入ということで、安全書類作成ソフトである「Greenfile.work(以下、グリーンファイル)」が導入されました。このWEBサービスツールを使って、複数の現場の書類管理業務が可能になっています。入社後は、紙ベースで安全書類の作成を覚えながら、グリーンファイルの操作を覚えていくというカタチで、両方並行して作業していました。

【関連記事】シェルフィーはなぜ、安全書類作成サービス「Greenfile.work」をローンチしたのか?

どんどん進化する安全書類作成サービス

――そのグリーンファイルとはどのようなサービスですか。

工藤さん 簡単に言うと、専用のWEBページを開いて、そこに必要なデータを入力することで、カンタンに安全書類を作成できるサービスです。

――操作を覚えるのは難しくなかったですか。

工藤さん それほど難しくはなかったです。ただ、使っているうちに、グリーンファイル自体もどんどん進化していくので、その都度こちらも新しいことを勉強していく必要はありました。

――たとえば、どういうことですか。

工藤さん たとえば、あるときから、現場の入退場もグリーンファイル上で管理することができるようになりました。今は、私も現場で立ち会いながら、作業員の入退場登録を行っています。

紙ベースと比べると、デジタルはだいぶラク

――田中さんもグリーンファイルを使ってお仕事しているのですか。

田中さん そうですね。入社後の配属先には、工藤さんがいたので、グリーンファイルについて教えてもらいながら、作成業務に携わりました。私が入社したときには、安全書類を紙ベースで提出することは、禁止になっていましたが、パソコンが使えない業者さんがまだいたので、紙で提出されることもありました。そういう場合は、私が業者さんにパソコンの操作方法を教え、グリーンファイルでの書類の作成方法等を理解していただき、データ作成していただきました。

――素朴な質問ですが、紙ベースとグリーンファイルとでは、やはり違いがありますか?

工藤さん それはあります。紙ベースだと、まず郵送になってしまうということがあります。あとは、書類の不備がスゴく目立ちます。他の現場の書類を転用する業者さんが多いからです。修正のやりとりも、いちいち電話して確認しなければならないので、大変です。

グリーンファイルだと、すべてWEB上で管理できるので、郵送する手間がなくなります。書類に不備があっても、画面上で見つけやすいし、修正などのやりとりもすべてWEB上でやりとりできるので、紙ベースと比べると、デジタルはだいぶラクです。

お知らせ機能のおかげで、新たな知識をアップデートできる

――田中さんはどうですか。

田中さん 私は紙ベースでの作業はほとんどやったことがないので、グリーンファイルとの違いはあまり分かりません。ただ、上司からお話を聞くと、今はかなりラクになっているんだなと感じることはあります。

――グリーンファイルのメリットについて、どうお考えですか。

工藤さん グリーンファイルの良いなと思う点は、法改正に伴い安全書類のフォーマットなどが変更になると、お知らせが入る機能が組まれているところです。この機能のおかげで、すぐに書類の不備に気づくことができるし、私たちも日々新たな知識をアップデートすることができるからです。だいぶ助かっています。

田中さん グリーンファイルのおかげで、最近は、上司に聞く回数がスゴく減って、一人で対応できるようになってきました。以前に比べて自分もだいぶ成長したなと感じています。

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WEB上で、5つの現場の協力業者の安全書類担当者とコメントでやりとり

――担当している現場はいくつですか?

工藤さん 常駐している現場のほかに、安全書類作成を担当している現場が4現場あります。全部で5つの現場を担当しているということです。私が常駐している現場は老人ホームの建築現場です。

――グリーンファイル上で5つの現場の書類を一括管理しているということですね。

工藤さん そうです。グリーンファイルを使うと、各業者の安全書類担当者とWEB上でコメントのやりとりができるので、一つの現場にいながら、複数の現場の安全書類作成、管理をすることができます。WEB上でのやりとりを各所長も閲覧することができるため、安全書類の進捗を確認していただけます。

――現場は横浜市内ですか。

工藤さん そうです。すべて横浜市内の現場です。

5つの現場を巡回し、検査前書類のチェックや写真整理も行う

――田中さんはなん現場担当していますか。

田中さん 私が常駐しているのは大学の修繕工事で、そのほかに担当している現場は4現場で、同じく5現場です。常駐しているのは横浜市内の現場ですが、藤沢市、海老名市の現場もあります。

――オンラインでやりとりするのであれば、現場が離れていてもあまり影響はない感じですか?

田中さん 基本的にはそうですね。ただ、常駐していない現場にも週一や隔週ぐらいのペースで足を運んでいます。すべてオンラインで完結するというわけではありません。

――と言いますと?

工藤さん たとえば、会社の品質的な書類づくりもやっているので、検査前に現場に行って書類を確認する必要があるということです。あとは、写真整理業務も行います。

こういった事務作業を現場監督がやるとなると、仕事の効率が悪くなるので、私たち事務員が処理しています。現場に常駐する事務員は、私と田中のほかにも2名いて、それぞれ複数の現場を担当しています。各現場の所長と巡回日のやりとりなどをした上で、動いているカタチになります。

――施工管理の領域のこともやっているんですね。

工藤さん そうですね。事務員が現場に出るのが、大洋建設の強みなので。ちゃんと朝礼も出ますし(笑)。

会社に「現場に事務員として入りたい」とお願い

――工藤さんは、学校で建築の勉強をした後、大洋建設に入社したのですか?

工藤さん はい、そうです。建築の専門学校を出ました。大洋建設に入社したのは、インターンシップでお世話になったのがきっかけです。最初は施工管理をやっていたのですが、体力がもたないと思いました。それでも現場の補佐をしたいという思いがあったので、会社に「現場に事務員として入りたいんですけど、どうですか」とお願いしたところ、受け入れていただきました。それで事務員として入社しました。

――まさかの工藤さん自らの申し入れだったんですね。

工藤さん はい(笑)。

――田中さんもそんな感じでしたか?

田中さん 私もそんな感じでした(笑)。大学で建築設計を学んだ後、就活では、いろいろな会社を回りました。それで設計はなんか違うなと思ったので、大洋建設の建築現場の見学に行っているうちに、現場仕事のほうが楽しそうと気づきました。そこで工藤さんと知り合って、現場事務という仕事があると聞いたので、それをやりたいと思い入社しました。

休みをとりやすいので、海外旅行にも行ける

――今のお仕事で残業することはありますか?

工藤さん 事務員なので、残業することはほぼほぼないです。大洋建設の強みだと思うんですけど、上司とのコミュニケーションがスゴくとりやすいので、上司に相談できなくて仕事が進まないということがほぼありません。

田中さん 私も残業はほぼゼロです。上司は、ちゃんと私の話を聞いてくれるので、スゴく働きやすい会社だなと感じています。現場は土曜日も動いているので、土曜出勤する日というのは出てきてしまいますが、振替え休日はちゃんととれています。まとまった休みがとれて、海外旅行にも行けるので、とくに不満はありません。

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