法面上の露出した巨石…どうする!? 7つの対策を紹介

その巨石どうする?その対策法は7つ!

よく法面上の露出した石(岩)はどうすれば良いか?ってことをよく聞かれます。

法面上にある半分埋まっててどのくらいかすら分からない岩がよくありますよね?

浮き石であれば落とすのが基本です。

しかし、浮いてもおらず、奥行きすら分からず、仮に落した場合の下部の被害、損傷、影響などを踏まえると落とさないほうが賢明。ではどうするか?

選択肢としてはこの7つ。1つずつ見ていきましょう。

  1. 削る
  2. 根固めする
  3. 法枠で巻く
  4. ロープ掛工で巻く
  5. 鉄筋挿入工でぶちぬく
  6. 工法によっては全て取り除く
  7. 高エネルギー式落石対策工

削る

削岩機等ではつるか、セリヤを使って小割するか、薬剤を使用するか。上記のように上部のみを除去し、表面保護工を行う。結構一般的ですが、数が増えるとかなり厄介です。

このやり方は、山の中に岩があり機械が入れない、人力で小さくしか行えない現場が多いですね。小割して仮に落ちたとしても被害が最小になるように行う施工方法です。

道路面は落石防止網の施工などが施されます。

根固めする

これも結構一般的で、巨石であればあるほどアゴの部分をコンクリートや吹付で埋めて転がらないようにし、石の大きさによってはグラウンドアンカー工や他穿孔、自穿孔ロックボルト等で反力を取る方法です。

以前うちが行った巨石の根固めと同じです。

この中を吹付で埋めていくのですが、巨石過ぎてかなりの量を吹きました(笑)。

法枠で巻く

ぶっちゃけ、これが一番手っ取り早いかも知れないです。

が、あまりにもデカイ場合は、やはり1番の削ってから法枠で巻く方法が一般的かと思われます。

ロープ掛工で巻く

できればモルタル吹付をしていれば、岩の劣化を遅くすることはできるかもしれません。

ロープで覆っていればまず動くことはないので、とりあえずは大丈夫です。だいたいこの場合も道路面では落石防止網工などを設置しています。

鉄筋挿入工でぶちぬく

稀にある工法で、岩も除去せずそのまま鉄筋挿入工やグラウンドアンカー工などで緊張して、岩のエネルギーを押さえ込むことがあります。

意外と根固め併用が多いのですが、しっかりした岩であれば可能です。

施工中に岩が動いたりする懸念がある場合は、ロープ掛工等と併用になることもあります。

工法によっては全て取り除く

除去後に、穴が空いた部分にセメントを混ぜた砂を土嚢に詰めて穴を埋めたり、小割した岩を練りモルタルと共にまた元に戻し、最後に表層工を行ったりします。

巨石を抜くと周囲が緩む可能性が非常に高くなるため、最近ではあまり行われません。(昔は結構あった岩石除去工)

岩だけ取り除けば他は大丈夫という場合はそのままですが、だいたい法枠工などを施工します。また、除去箇所の施工位置が高い場合は、上記と同じく落石防止網工などが行われます。

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高エネルギー式落石対策工

巨石の落石に対応した落石防止網工です。最近はイロイロな種類があり、施工権利を取得している会社しか施工できない特許製品などが主流です。Googleで「落石 高エネルギー」等で検索すると出てきます。

この辺は私も1回しか経験したことがないので、詳しくは分からないです。施工価格だけのことを考えると、部分除去工+ロープ掛工+根固工落石防止網工などで施工したほうが安価に施工できるということだけは知っています(笑)。

ただ、現場の条件やその他根拠などで設計が高エネルギーになるのでしょう。しらんけど(笑)。元請は、高エネルギーになると下手すりゃ赤字とよく聞きます。

以上、法面工における巨石、岩石、浮石の対策工でした。

※この記事は、『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。

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