整理整頓できない、汚い工事現場
新たな現場に来て1週間が過ぎたが、稀に見る現場の汚さ、整理整頓のできなさに驚いている。まさか日本国内でここまでひどい現場に出会うとは…。
至るところに不用材がそのまま放置され、資材の区画もなく、その表示さえない。さらには、安全通路がなく、ケーブルが床の上に無造作に配線され、放置された資材やゴミの上をまたいで歩かなければならないのだが、足場の単管が出っ張り、つまずく要因にもなっている。
悪いことばっかり言いたくないが、この現場の整理整頓のできなさは、今まで私が関わってきたアフリカや東南アジア、中東など海外のどの現場と比べてもダントツでワーストナンバー1だ。
これは明らかに元請けであるゼネコンの責任だ。口先でどんなに偉そうなことを言っても、それが下についているサブコン関係者の心に届かず、納得して現場を進めようという気持ちに繋がっていないことが大きな原因だろう。
サブコンの作業員たちがついてこないのは、ゼネコンの指示指導の仕方に配慮や工夫が足りないからで、結果として、ゼネコンとしての責任を放棄してる!と言われても言い訳できない状況だ。
あわや死亡事故!重大事故発生
汚い現場や整理整頓ができない現場は、当然安全にも影響する。実際、私がこの現場に来て3日目に重大事故が起きた。
あろうことか、11階から仮設足場用の4mの単管パイプを落とす事故が発生したのだ。
たまたま奇跡的に人に当たることはなく、物損もなかったが、最悪の場合、死亡事故に繋がっていても不思議じゃない。そのレベルの事故だった。
通常の現場であれば、単管を落としたサブコンの仕事を一旦止めて、全員を集め、事故の原因や改善策を話し合う集会を開くのが普通だ。
死亡事故にさえ繋がる可能性があっただけに、当然ゼネコンもそれなりの危機感を持って対処するだろうと思いきや、ゼネコンはなんと「今後気を付けるように」の一言だけで、その事故を起こしたサブコンの仕事も止まることなく、継続して作業を続けたのだった。
事の重大性を皆に知らせ、二度と同じ失敗を起こさないために現状のやり方のどこに問題があったのか、何を改善すべきなのか、そんな話し合いが最低限必要だと思うが、何事もなかったように作業が継続されるとは、ゼネコンもサブコンも危機感のない、実にいい加減な会社だと言わざるを得ない。
そんなゼネコンの対応を見て、作業員や他のサブコンがどう感じ、どう思うか、そんなことは一切考えていないのだろう。ゆえに、ゼネコンはサブコンの信用を失い、作業員たちも指示指導に対して返事はするものの真剣に従うことはなく、自分たちの好きなように作業を進めている。
その結果が今回の単管パイプ落下事故に繋がったわけだが、この事故を重く受け止めないと、次はもっと重大な事故が起こる気がしてならない。
この現場で私ができること
こんな状況の現場では、うるさく杓子定規なことを言っても作業員の心には届かない。それどころか、かえって反感を買うだけになりかねない。信用してもらい、指示や指摘を素直に聞いてもらうためには、口先だけではなく、安全担当として実際に現場で安全の役に立つことを地道に継続するしかない。
そこで私がいくつか考えたのは、まずは現場内の狭い通路の上部と足元の出っ張っている足場の単管や端部に蛍光テープを巻き、あるいは縛って風でヒラヒラさせ、注意喚起を促すことから始めた。地味で単純作業だが、地上階から最上階まで巻きつけ、誰が見てもよくぞこれだけやったな!と思えるくらい、テープを巻きつけてやろうと思っている。
次に考えてるのは場内の清掃、片付けだ。特に地上階がひどいので、整理整頓をしていこうと思う。
そもそも現場が汚い理由は、スタート時の現場の基準と悪い習慣が改善されることなく続いているからだ。これは、現場は生き物で、色々な条件に合わせて微調整していくもんだという認識がなく、どの現場も同じように管理すればいいと思っている所長や現場管理者の責任が大きい。
建築の基礎で言うと、杭打ちから始まり、根切り、捨てコン打設、配筋、型枠、コンクリート打設と工事が進むにつれ、ゼネコンが現場状況と作業員の質を見極めながら、どんな決定や指示が必要なのか、どんな舵取りをしていくべきかを常に考え、微調整をし続ける。これが現場をうまくコントロールする秘訣だ。
もちろん簡単なことではないが、どんな立場であっても皆がそう考え、自分の役割を果たすようになれば、おのずと歯車は良い方向に回り始めるものだ。
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