土木施工管理が現場で起こした「とんでもない失敗3選」

とんでもない失敗3選

土木施工管理をしている私は、これまで多くの失敗をしてきた。

自慢できることではないが、その中には”とんでもない失敗”もある。今でこそ良い経験になったと思えるが、失敗した当初は本当に凹んだものだ。

今回は、そんな私の失敗談を話していこうと思う。

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天端コンクリートの位置が…

初めて施工管理を経験した工事現場での出来事だ。

工事の構造物としてブロック積があったのだが、終盤に差し掛かり、天端コンのポイントを確認している時に、どうも私の計算したポイントが境界ギリギリのラインに出てきて、おかしいと思ったのが始まりだった。

事務所に戻り、横断図を見ながら自分でもう1回はじめから見直してみた。

結果、基礎のポイントを私が間違えていたことが判明…。小段等がなかったため、天端にいくまで間違いに気づかなかったのだ。

ご想像の通り、コンクリート構造物は取り壊して、再施工という最悪の結末になってしまった。当時の施工業者からも、会社からもとんでもなく怒られたことを覚えている。

原因は、横断図等から平面図に作図する段階で、私が間違って作図してしまっていたこと。一箇所、基準の線(センターの線)を決めてそこからオフセット等で作図していれば、こんなミスは起こらなかっただろう。

最初のうちは、平面図にポイントを落とし込む作業が混乱しやすいので、私と同じ失敗をしないよう、落ち着いて考えて欲しい。

工事の途中で、施工単価が合わない…

当時、実行予算を組んだことがなかった私は、お金の感覚というものがなく、手探りで過去の単価を参考に、会社の上司に相談しながら実行予算を作っていた。

なんとか実行予算も完成し、会社に決済をもらい工事を進め、現場が中盤に差し掛かった時だった。擁壁工を一次下請けが外注するとなった時に問題が発生した。

私が組んでいた実行予算の擁壁工の、型枠組立の単価が非常にマズかった。

確かに会社の上司には確認したのだが、上司が言った単価はあくまで一般的な施工単価で、当時担当していた私の現場は少し特殊で、小規模施工かつ複雑な構造だったため、普通の施工単価では到底合わなかったのだ…。

さらに、他の共通仮設費等でも余裕のある実行予算を組んでいなかったため、下請けも外注していてはとても合わないということで、渋々自社施工になったのだが、工期スケジュール的に外注を視野に考えていたらしく、非常に厳しい状況になってしまったのだ。

原因は、予算のことを何も分からない私が、自社の人間だけの意見で実行予算を組んでしまったことだ。こういう場合は、下請け業者と念入りな打ち合わせをした上で、実行予算に反映することをお勧めする。

職人との意思疎通ができずに…

当時、私は職人さんに苦手意識があった。そんな中、問題が発生した。

その現場では構造物撤去があったのだが、初めの段階では、土砂災害で崩れた土砂などが堆積しており、重機で掘り返してみなければ構造物の撤去前検測等ができない状態だった。

現場に張りついていては書類が間に合わないと思った私は、職人さんに「コンクリート構造物が出てきたら連絡ください」と伝言して、事務所に戻ることにした。

数時間経っても電話がないことに不思議に思い、現場に行くと、コンクリート構造物がどこにも見当たらない。職人さんに聞くと、すでに自社ダンプで撤去したと言われた。

『やってしまった…』と私は思った。職人さんには伝えたつもりでいたが、私の声が重機の騒音でよく聞こえなかったらしく、なんとなくわかったフリをして頷いていたのだ。

完全に施工管理である私のミスだ。重要なことは事前に、かつ確実に、相手に伝えておかなければこのようなことになってしまう。特に、施工は職人さんとの連携が不可欠だ。こちらが撮影したい写真撮影の際には、確実に待ってもらって作業を行ってもらわなければならない時もある。

確実に伝えることの大切さを学んだ瞬間だった。

――この失敗談は、今となっては私の財産だ。当時はかなり凹んだが、失敗した原因もよくわかっているので、今では同じ失敗を繰り返さないようにという教訓にもなっている。

これから施工管理を担う若い施工管理たちは、私の失敗談を参考にして、同じ失敗をせずに済むことを願っている。

また、読者の皆さんの中で、「とんでもない失敗をした!」という経験があれば、ぜひコメント欄にて教えてほしい。

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