北野武監督とタモリの共通点
建設現場に仮設トイレがある場合は問題ないのですが、工期が短いときや少人数のときはコンビニや公園のトイレを借りる場合もあると思います。北野武監督は、映画のロケで公園のトイレを借りたときは、必ず掃除をするそうです。そして、テレビで以下のように発言しています。
「自分は、くだらない番組をやっていても、視聴率が上がる。映画も、楽しみとして作ったら、グランプリに選ばれた。何をやっても高く評価される。でも、おかしい。自分は人よりも才能があるとは思えない。たった一つだけ思い当たるのは、トイレ掃除が好きなこと。」
トイレ掃除は「運気アップ」の特効薬のように言われています。ビートたけしが師匠の浅草芸人・深見千三郎に「どうやったら売れるんでしょうか?」と尋ねました。すると師匠は「トイレの掃除でもするか」と言ったそうです。
掃除道具を持ち歩いているわけではないので、ロケ先の公園のトイレットペーパーを使ったり、ないときは素手で掃除するそうです。そして、これはタモリも同じです。素手でトイレ掃除をするそうです。爪を使うと大変きれいにできるそうです。
ローソンの「トイレ解放宣言」
1997年にコンビニエンスストアチェーンとして初めて「トイレ開放宣言」をしたのがローソンです。高齢者や障害者など、外出時のトイレに不安を抱えている方のニーズにこたえるためだったそうです。
渋谷にあるローソンは、女性客への配慮が「神対応」として話題を集めました。女性用トイレの壁に「スノコ」が立てかけられていました。何に使うのだろうと見ると、張り紙に「お客様へ。ストッキングの着替え時にスノコをご利用ください」というメッセージが記されていたそうです。
一方で、あるコンビニエンスストアでは女性用トイレを男性が使用する事例が多発し、困っていました。女性用と気づかなかったり、緊急事態だったりが理由のようです。そこで対策をたてました。
この店では女性客が「トイレを借りたいのですが」とレジカウンターの店員に告げます。店員は「トイレの前でお待ちください」と応じ、カウンター横にあるボタンを押します。カシャッと音がし、「開きましたのでお入りください」というお声がけをします。鍵をかけておき、遠隔操作で開けるようです。
けんせつ小町さんの衝撃証言
『施工の神様』のサイトで「トイレ」で記事を検索してみたら「『女性専用トイレ』を使う建設現場の男たち。女性現場監督の衝撃証言」というヒメヒメさまの記事がありました。読んでみました。
『ありがたいことに、女性専用トイレを別に分けて設置してくださる現場もあり、そういう現場では、(中略)女性専用トイレをPRしています。(中略)しかし、実際の現場では、デリカシーのない男性の職人さんたちが、女性専用トイレなどお構いなしで使っているという現実があります。(中略)でも、建設現場には男性の方が圧倒的に多いので、仕方ないと思う側面もあり、文句は言いません。』
『文句は言いません』という寛大な発言の前の文章は『建設現場には男性の方が圧倒的に多いので、仕方ないと思う側面もあり』となっています。建設現場では、例えば男性20名女性1名であってもトイレは男性用女性用一つずつでしょう。だから仕方ないということかもしれません。
国土交通省の「快適トイレ」に小さな疑問
建設工事現場で仮設トイレを設置することは義務ではありませんが、国土交通省は「快適トイレ」の設置を推奨しています。推奨する理由の一番目は「女性が働きやすい建設現場にすること」です。国土交通省のサイトには、仕様として以下のようにありました。
『1.快適トイレに求める標準仕様(1)洋式便座』
ここで小さな疑問がわきました。和式のほうがいいという女性の声があるからです。理由は、「見知らぬ人が座った便座に座りたくない」からだそうです。すると(11)に次の記述がありました。
『1.快適トイレに求める標準仕様(11)便座除菌シート等の衛生用品』
先の女性にとって(11)があれば洋式でもオーケーなのかどうかは分かりません。人それぞれなのだろうなと思います。
心は女性。女性用のトイレを使えるか?
男性に生まれたが心は女性の経産省の職員が、女性用のトイレを使用できるかどうかをめぐる最高裁判決が2023年にあり、「使用できる」とされました。
トランスジェンダーの職員は2009年ごろ、自分が自認する性別が女性であることを人事院に告げ、
- 女性の身なりでの勤務
- 女性トイレの使用
を求めました。身なりは認められましたが、勤務する部署がある階とその上下階の女性用トイレの使用は認められませんでした。他の女性職員にとって違和感があるという理由でした。
最高裁は、人事院が職員のトイレ使用を制限した判断は「裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したもの」として違法としました。判決文は憲法には立ち入っていませんが、背景は憲法13条個人の尊厳、国民の幸福追求権にあります。
この判決は、性的マイノリティに配慮した職場環境の在り方を問うものとして注目されています。
オールジェンダートイレも登場
オールジェンダートイレは、男女や性別に関係なく、誰でも利用できるトイレだそうです。身体的な性別と心の性別が異なる場合でも、トイレの選択に悩む必要がありません。今後、施工やリフォームの注文があるかも知れません。
オールジェンダートイレは、プライバシーに配慮して、次のような工夫がされています。
- 出入り口を2つ設置し、行き止まりをつくらない回遊型にする
- 個室の壁を厚くし、ドアを天井いっぱいの高さにする
- 個室にも手洗いを設置する
- 個室内の凹凸を減らし、カメラなどが設置できないように配慮する
- 男性用小便器の個室も設ける
オールジェンダートイレの設置事例としては、東京大学や日本女子大学、龍谷大学があるそうです。
トイレ掃除をすると「運気がアップする」というのは定説になっています。北野武監督のように公園で使用したトイレの隣のトイレも掃除する、というハードな掃除は難しいでしょうが、数秒、十数秒でもいいようです。
ネットで検索すると多数の芸能人の方がトイレ掃除に積極的でした。運気のこともあるでしょうが、ある有名歌手の方がトイレ掃除をする理由は「次に使う人のために」だそうです。
(敬称を略させていただきました)
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