国土交通省の「快適トイレ」に小さな疑問
建設工事現場で仮設トイレを設置することは義務ではありませんが、国土交通省は「快適トイレ」の設置を推奨しています。推奨する理由の一番目は「女性が働きやすい建設現場にすること」です。国土交通省のサイトには、仕様として以下のようにありました。
『1.快適トイレに求める標準仕様(1)洋式便座』
ここで小さな疑問がわきました。和式のほうがいいという女性の声があるからです。理由は、「見知らぬ人が座った便座に座りたくない」からだそうです。すると(11)に次の記述がありました。
『1.快適トイレに求める標準仕様(11)便座除菌シート等の衛生用品』
先の女性にとって(11)があれば洋式でもオーケーなのかどうかは分かりません。人それぞれなのだろうなと思います。
心は女性。女性用のトイレを使えるか?
男性に生まれたが心は女性の経産省の職員が、女性用のトイレを使用できるかどうかをめぐる最高裁判決が2023年にあり、「使用できる」とされました。
トランスジェンダーの職員は2009年ごろ、自分が自認する性別が女性であることを人事院に告げ、
- 女性の身なりでの勤務
- 女性トイレの使用
を求めました。身なりは認められましたが、勤務する部署がある階とその上下階の女性用トイレの使用は認められませんでした。他の女性職員にとって違和感があるという理由でした。
最高裁は、人事院が職員のトイレ使用を制限した判断は「裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したもの」として違法としました。判決文は憲法には立ち入っていませんが、背景は憲法13条個人の尊厳、国民の幸福追求権にあります。
この判決は、性的マイノリティに配慮した職場環境の在り方を問うものとして注目されています。
オールジェンダートイレも登場
オールジェンダートイレは、男女や性別に関係なく、誰でも利用できるトイレだそうです。身体的な性別と心の性別が異なる場合でも、トイレの選択に悩む必要がありません。今後、施工やリフォームの注文があるかも知れません。
オールジェンダートイレは、プライバシーに配慮して、次のような工夫がされています。
- 出入り口を2つ設置し、行き止まりをつくらない回遊型にする
- 個室の壁を厚くし、ドアを天井いっぱいの高さにする
- 個室にも手洗いを設置する
- 個室内の凹凸を減らし、カメラなどが設置できないように配慮する
- 男性用小便器の個室も設ける
オールジェンダートイレの設置事例としては、東京大学や日本女子大学、龍谷大学があるそうです。
トイレ掃除をすると「運気がアップする」というのは定説になっています。北野武監督のように公園で使用したトイレの隣のトイレも掃除する、というハードな掃除は難しいでしょうが、数秒、十数秒でもいいようです。
ネットで検索すると多数の芸能人の方がトイレ掃除に積極的でした。運気のこともあるでしょうが、ある有名歌手の方がトイレ掃除をする理由は「次に使う人のために」だそうです。
(敬称を略させていただきました)
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