必ず長期休暇をとるし、工具は使わない「けんせつ小町」
女性現場監督(24歳)である私は、男社会である建設現場で「けんせつ小町」として働く中で、自分なりのルールをいくつか決めています。
それは会社的にはあまり好まれなかったり、周りの人からブーイングがあったりすることなのですが、「けんせつ小町」である前に、私が自分自身を保つために、女である事を忘れないように決めている事でもあるのです。
現場を終えたら必ず旅立つ「けんせつ小町」
現場によって工期は様々で、3か月のところもあれば3年のところもあります。私はある程度長い現場を終えると、必ず長期休暇を申請し旅に出ます。
会社的には次々と新しい現場に人を配属していきたいし、実際ほとんどの社員がそうしています。現場が終盤になってくると、会社から次の新しい現場の図面が渡され、休む間もなく移動が始まります。けんせつ小町も例外ではありません。前日に突然、県外出張を宣告されることもあります。
しかし私はそのようなことは聞き入れません。こんな生意気な社員は、私くらいです。他のけんせつ小町も、こんなワガママは言いません。本当に私は使いづらい社員だろうなと自分でも思っています。
会社的にも「現場の人間は、代休や有給は取れないのが当たり前」ということになっています。うちは大きい会社ではないので、そのようなところがキッチリしておらず、代休や有給をほとんど取ることなく1年が終わる社員がほとんどです。
工期が大幅に遅れているなどの場合は別ですが、私はそんな会社に納得がいかないので、誰が何と言おうと必ず長期休暇を申請して遠くに旅立ちます。4日から最大2週間のお休みを頂き、全国の友達をめぐる旅や沖縄の離島、台湾やベトナムなどのプチ海外逃亡などを図ります。その間、会社の人事スケジュールは皆目無視し、連絡も断つという暴挙に出ます。いや、暴挙ではなく、ごく普通のことだと思わなくてはいけません。
社員として休暇を取ることはごく普通のことだと私は思うのですが、私の会社ではちゃんと休暇を取る社員が少なくて、何か悪いことをしているかのように周りから見られます。しかし働きすぎたことによって蒸発した先輩を何人も見ていますし、たとえお偉い様に冷たい目で見られようと、自分を守るために自分のペースで仕事をさせていただいています。
新国立競技場の若い現場監督が自殺したという悲しいニュースもありましたが、「現場の人間は、代休や有給は取れないのが当たり前」という雰囲気に負けていては、建設業は変われないと思います。けんせつ小町だから、女だから、という理由ではありません。
工具は持たないし使わない「けんせつ小町」
現場にいながら私はなかなかワガママな「けんせつ小町」だなと自分でも思います。私は基本的に工具を持ち歩きませんし使いません。
普通は現場監督も腰の安全帯に、ある程度の工具をぶら下げて現場を歩くのですが、そんなことをしていたら私の体が持ちませんので、必要な時に最小限のものだけ運び、たいていの危ない作業は先輩社員か職人さんにしてもらいます。力のいる作業だと私にはどうしても限界があり、怪我に繋がることも多いので、自分で無理と分かっていることは遠慮なく先輩にお任せします。
仮囲い、看板などを仮留めするバン線をニッパーで切るだけ、鉄筋を調節するために結束線を切るだけ、というような簡単作業でも握力が足りずに手こずります。この点は新人以下です。
ある時は勢い余って手袋の上から手の肉まで一緒に挟み多量出血。そうかと思えば、普通は誰も気に留めない足場のちょっとした隙間に、他の男性よりはるかに細い私の足がハマり危うく落下。右足側面が足首から付け根まで青アザだらけになってしまったこともありました。
そんな危なかしい(どんくさい?)私は、今や力仕事や現場作業の殆どを人にお任せしています。少し気を悪くされる方もいますが、私はその他にもたくさん任せていただける仕事があるので、全く気にしていません。安全第一、適材適所です。
これが女性現場監督(24歳)、けんせつ小町の生き様です!
工期の間は休みが全くないんでしょうかね?土日祝日もすべて現場に出ずっぱりということなのでしたら、長期休暇も代休としていいのではないかと思いますが、土日祝日も休めているのに工期が終わる度に長期休暇を取るなんてことでしたら、権利ばかり主張するただのワガママな若手社員ですね。