施工スピードマックス!仮設アンカーのコツ、腹起しの緊張工の順番とは?

仮設アンカーのコツ、腹起しの緊張工の順番とは?

どこから引っ張る?仮設アンカーの緊張工!

突然ですが、みなさんは仮設アンカー工で「緊張工」の際に、どこから引っぱりますか?

横にズラーッと長い仮設アンカーってありますよね。

その中には2本打って、腹起しを設置して、そして掘削して、また仮設アンカー打って……の繰り返しの現場もあります。

横にドーンと長いアンカーはちょっと嬉しいものですが、「緊張」にはちょっとしたコツが必要です。

仮設アンカーを緊張する順番は?

仮設アンカー設置状況

まず削孔後に、ブラケット溶接し、腹起しH鋼を乗せ、鋼製台座を設置します。

その後、受圧プレートを乗せて、緊張するんですが、その際の緊張工に順番って、ちゃんと考えていますか?

下図は、上から見た図です。

仮設アンカー 緊張工

この3本の仮設アンカーを緊張するとします。

どれから施工しますか?

下図は、①から緊張した図です。

仮設アンカー緊張状況

これだと腹起しが、斜めになってしまいます。

この状態で②を緊張すると、①に変な負荷が掛かってしまいます。

そして、延長の長い腹起しだと、最悪の場合、腹起しがブラケットから落ちます!もし、腹起しが落ちた時、周囲に誰かいたらと思うと恐ろしいです!

最終的にはうまくシートパイルと馴染みますが、やはり偏荷重が掛からないようにするためには、真ん中からの緊張が望ましいです。

真ん中の②から緊張する事で、腹起しが全体的にシートパイルに着きます。

②から緊張した仮設アンカー緊張工

この後は左右どちらからでも緊張出来ます。

横に長い場合は、極力真ん中を緊張して、その後、左右どちらかに行ったほうが、良い緊張が出来ます。

だいたい真ん中のアンカーを緊張して左右どちらかに移動してください。

シートパイル+仮設アンカー設置

上図は真ん中を1番に緊張し、左右どちらかに行くと言う意味です。


シートパイルと腹起しの隙間を埋めていく!

仮設グラウンドアンカー工 緊張工

上図のように、シートパイルと腹起しが引っ付いていない場所は、生コンを土嚢に入れて挟んだり、木製クサビを打ち込んだりして、シートパイルにしっかり緊張力が伝達するようにして下さい。

土工屋の仕事ですけど(笑)

腹起し設置状況

真ん中を緊張して、片方に向かって緊張していくと、上の写真のように、腹起し隙間がドンドン小さくなります。

腹起し設置状況

緊張箇所が近づくにつれて、隙間は埋まっていきます。

仮設アンカー緊張状況

うまく馴染んでいます。

事故が無いように施工する事が、施工スピードマックスです!(笑)

ご安全に!

記事提供『新エンタの法面管理塾』

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