施工管理を目指す若者たちへ
私は大学卒業後、建築の施工管理に従事して4年目となる、20代の建設技術者だ。
私は施工管理1年目から、会社に嫌気がさし、転職活動を開始した。しかし「石の上にも3年、嫌でも3年は辞めるな」などとバカバカしい言葉で周囲に諭され、結局、4年目の今年、ようやく転職に成功したばかりだ。
正直、嫌な会社に3年もいるべきではない。この3年間、転職活動は私のストレス解消にもなっていたので、ずっと続けていた。
私の新卒で入社してからの転職するまでの体験談は、若い人たち、特にゼネコンの施工管理職への就職を考えている人たちに、ぜひ読んでいただきたい。また、施工管理職の採用担当者にも読んで欲しい。
優秀な若い施工管理技士は転職してしまうゼネコン
私が大学卒業後に就職した某ゼネコンは、採用面接時と入社後のギャップがあまりにも乖離していた。
当時、施工管理職を目指して就活中だった私は、「会社の雰囲気」を最も重視して、就職先の企業を探していた。なぜなら、施工管理職にはサービス残業は絶対にあると信じていたので、それなら、せめて居心地が良い会社であれば、ずっと居られると考えていたからだ(今では残業代がでればでるほど、会社の雰囲気はいいと思う)。
そこで、面接時の雰囲気が良く、知名度もそこそこ高いゼネコンに入社した。しかし面接時の雰囲気が良かったぶん、入社してからの無駄に厳しい社風に、強烈なギャップを感じた。特に年配の社員は、知識が無いのに厳しい。いや、知識が無いから厳しくしないと若手社員に舐められる。だから、わからないのにキツくモノを言う!
40代前後の先輩にそんな相談をすると、「定年退職に近いお年寄りたちが入社した頃は、どんな人でもいいから採用していた時代でしょうがない」「理不尽な言動が多いから、優秀な若い施工管理技士は転職してどんどん去っている」と言っていた。
単純に厳しいだけであれば、私自身、運動部に所属していたので耐えることはできるし、自分がダメだから怒られるのは納得できる。しかし、私の就職したゼネコンは考えても考えても理不尽なのだ。
建設現場の人たちが厳しい理由は、「危険を伴うから」とか「体育会系だから」などとよく言われるが、私の就職したゼネコンは「上司が知識不足→部下を指導できない→厳しくする→上司を尊敬できない→転職していく」という負の流れが出来上がっていた。
それでも転職していない優秀な施工管理技士の先輩たちは「住んでいる場所を変えられないから、辞めていないだけ」と言うのが、ほとんどだった。
しかも、みんなが会社の文句を言いながら、仕事をしている。ゼネコン入社後、1日目からそんな文句を聞く場面に遭遇し、「嫌なら辞めろよ!なんだここ!」と思ったが、「社会人ってこんなものなのかな」と我慢することにした。これが失敗の始まりだった。
施工管理の職種に転職するなら超簡単
大手ゼネコンで全国転勤があれば、嫌なヤツと仕事しても2〜3年で合わなくなるから我慢できるかもしれない。しかし、小さなゼネコンでは、1人でも合わない人物が現れると、それが何十年と続くことになる。
施工管理という労働時間が長い職業柄、その精神的な負担はかなり重い。そして、仕事でわからないことがあっても、「人に聞きたくない→わからないままにしておくしかない」という負のスパイラルに陥っていくので、技術者のキャリア的にも危険な道に進むことになる。
私は結局、このゼネコンに就職して4年目で辞めることにしたのだが、「石の上にも3年」と言われ、実際、そうなってしまった。体育会系の根性がそうさせた部分も否定できない。それに、自分は「この会社を辞めたいのか?」それとも「施工管理という仕事を辞めたいのか?」と迷っていた部分もある。そして、イライラに任せて退職するのだけは避けたかったし、次の就職で失敗しないように沢山の時間を使った。
今の私が、もし後輩たちにアドバイスするとすれば、「間違った体育会根性で、3年も続けるな!続けるなら、資格を取るなどの何か目的を持て!」と言いたい。
たしかに入社後すぐに退職すると、転職時の印象は悪くなるかもしれないが、同じ施工管理の職種に転職するのであれば、1年も勤めれば充分である。実際、施工管理技士は人手不足のため、いい条件の会社に簡単に入社できる。私の友人たちも、いとも簡単に転職している。
そして、3年も嫌な会社に勤続していると、仕事も適当になるから、真面目に働いているうちに辞めるべきだ。私も「1級建築施工管理技士と建築士の資格を取得するまで転職しない!」と、当初は目標を立てたのだが、結局、勉強する気力も失ってしまっていた。
個人的な感想だが、特に今年は、好条件の施工管理技士の求人が多い「最後の年」かなとも思う。同じ施工管理の職種に転職するつもりなら、マジで早めに転職したほうがいい。
施工管理技士の転職は「人材紹介サービス」が必須
しかし、私の場合、3年間も転職しなかったことが、逆にラッキーだったこともある。
3年間、いろんな企業の求人や、求人が出る時期を見てきたからこそ、普段は出てこないような求人で内定をもらうことができたのだ。なかば仕事のストレス解消方法にもなっていた就職活動を、3年も続けた甲斐があったというものだ。
私はやっぱり建設業で働きたいと言う気持ちは捨て切れず、「現場常駐」ではない仕事を探した。現場の仕事は好きなのだが、忙しいときのイライラしている、あの現場の雰囲気が自分に向いてないのかな?と考えたからだ。
そして、複数の転職サイトに登録して、結局、施工管理技士の人材紹介をやっているエージェントサービスを使って転職した。大手転職サイトのほうが団体職員とか人気の求人は出るのだが、いかんせん倍率が高いので内定を得るのは難しい。そのぶん、建設業の人材紹介エージェントは、ある程度、入社志望者が増えると募集が締め切られることがあるようなので内定を貰いやすい。
しかも、面接方法や職務経歴書の書き方も教えてくれるし、自分の希望条件に適した企業だけをフィルタリングしてくれるから転職活動の手間も省ける。毎日が忙しい施工管理技士は、良い企業に自力で転職するのはハードルが高いので、人材紹介サービスを使うのは必須だ。
建築施工管理をずっとは続けられない
私は今年、人材紹介エージェントを通じて、数社の採用面接を受け、合格と不採用を繰り返した。落ちても練習という意味で、自分の経歴では高倍率で入社できそうにない企業も受けた。反対に内定をもらってもお断りした企業もあった。
こういう練習のおかげで、面接にも慣れ、最近ようやく自分の希望に合った企業に転職することが決まった。最終的には「採用して欲しい!」という私の情熱が人事に伝わったから、採用されたそうだ。
建築の施工管理を4年やってきた私は、施工管理は自分に向いている仕事だと思っていた。しかし、その反面、ずっとは続けられないなとも考えていた。そして設計の道にも興味が出てきた。
しかし、建築士の資格を取得するには、施工管理をしていると激務で勉強できないという気持ちを拭えなかった。きっと自分の勉強方法にも問題はあるのだろうが、設計の分野で働いている人たちの知識のつき方をみていると、実に羨ましかった。今回の転職で、時間にも余裕ができたので、次こそは資格取得に励みたいと考えている。
新卒者が就職活動で「ゼネコンの正体」を見抜く方法
では、どうやって良い企業と悪い企業を見抜くのか?
私の最初に入社したゼネコンは「正体」を見抜きにくい会社だった。新卒の離職率が低かったので、良い会社だと信じてしまったのである。
しかし、実態は違った。私が所属した施工管理職の部署は、半分以上が離職。新卒の離職率が低かったのは他の職種で、施工管理職ではなかった。数字のマジックに騙されてはいけない。
ゼネコンの正体を見破るためにやるべきことは、まず年齢層を見ることだ。働き盛りの年齢層、特に30代前半から40後半の施工管理職が抜けていないか確認したほうがいい。年齢構成を会社説明会の時などに聞いてみよう。
また、インターンシップや職場見学も効果的だ。実際の現場を見られるのはありがたい。そこでも表向きだけ良いところを見せているかもしれないが、長期のインターンで化けの皮は剥がれていく。
そして、最強の方法はOB訪問だろう。OBは嘘をつかない。人事担当者ではなく、先輩だから、むしろ他のいい会社を教えてくれる場合もある。
以上を実践しなかったのが、新卒でゼネコンに就職して失敗した私である。