九州測量専門学校生のインターンシップ、施工管理技士取得も視野に

九州測量専門学校の若者がインターンシップ

建設業界が抱える大きな課題となっているのが若者の人材確保・育成。特に熊本県内の地場企業では確保が困難となっており、業界あげて魅力ある建設業のPRに取り組んでいる。

そんな中、熊本市北区竜田にある九州測量専門学校の若者が、インターンシップとして測量設計業に足を踏み入れた。

旭測量設計の就業体験で測量業を指導

熊本市東区桜木に本社を構える旭測量設計株式会社(吉田史朗社長)が受け入れ先。ここでは毎年、高校生や専門学校生に対して「就業体験を通して測量設計業の仕事とは何か」を主眼に指導している。

「自分の適性を知ることができるいい機会」と吉田社長。業界を体感することでその魅力を発信し、就業へとつなげることも狙いのひとつ。

現場で指導する大關さん

現場での指導を行ったのは、旭測量設計の技術部測量課に所属する就業6年目となる大關幸太さん(測量士)と、同じく5年目の片岡大将さん。2人は1年先輩、後輩と年齢も近く、若手技術者として将来を嘱望されている人材。トータルステーションとスケール棒による息の合ったスピーディーな測量技術で現場をリードする。

現場は、益城町が津森地区に整備を予定している避難所計画地。この日の作業は、避難所にアクセスする道路延長270m、幅員4.5~6mの路線測量で、センター杭の設置を行った。

「測量して横断図を作成し、設計に反映させる。根気のいる作業です」と大關さんは仕事の難しさを説明する。


測量技術だけでなく人間関係も学ぶ

インターンシップで現場を体験しているのは、土木建設科2年に在籍する永本亮太(20歳)さん。測量業界への就職を希望している。荒尾市にある有明高校の電気情報科を卒業後、九州測量専門学校へ。進学を決めたのは保護者の進めがあったことから。

九州測量専門学校土木建設科2年に在籍する永本亮太(20歳)さん

「測量技術は難しい面もあり大変です。学校では測量技術ばかりではなく人間関係を学ぶことも心掛けています」と社会人になるための準備も進めている。

インターンシップは、約1カ月半にも及ぶ長丁場。現場に出たり、机上での作業など息をつく暇もないほどだ。将来は測量士補、2年の実務経験で測量士と資格も目白押し。目下のところ2級土木施工管理技士(学科)の取得にチャレンジすることを念頭に置いている。

「近く受験する予定です。前回、あまり準備ができていなかったので、今回は勉強しました。余裕です」と頼もしい。

インターンシップで現場を体験する永本さん(左)と片岡さん(右)

次世代測量への挑戦を

測量業は地域のまちづくりコンサルタントを担う人材としての将来像がある。『従来の測量技術を基礎とし、IT、新観測技術を駆使して4次元の地理空間の観測と位置情報をもった観測データの解析、加工及び予測をすることを次世代測量と位置付ける』(全測連)。

「現場は楽しいです。測量会社に就職します」と力強く語ってくれた永本さん。次世代測量に挑戦してもらいたい。

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建設業専門紙に32年間勤務し、現場第一主義で取材・編集に従事。時代にマッチした特集記事を通して、現場の声を読者に届けることを使命感とし、業界に課題を投げかけながら進むべき道筋を示す。建産プレスくまもとを主宰。情報発信により地方の建設業が果たすべき役割について考える場を提供する。
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