新設される国家資格「電気通信工事施工管理技士」
今年、約30年ぶりに新しい”施工管理技士”が誕生します。その名も「電気通信工事施工管理技士」。
建設業の現場管理業務に従事するための国家資格「施工管理技士」は長らく、「建設機械施工技士」「土木施工管理技士」「建築施工管理技士」「造園施工管理技士」「管工事施工管理技士」「電気工事施工管理技士」の6種類でした。
しかし、近年の電気通信工事の需要拡大による技術者不足の深刻化により、7つ目の施工管理技士「電気通信工事施工管理技士」が新設されることになりました。
電気通信工事施工管理技士を取得することで、実務経験の提示不要で電気通信工事における各種技術者とすることができます。
- 2級電気通信工事施工管理技士 → 主任技術者及び一般建設業における専任の技術者
- 1級電気通信工事施工管理技士 → 監理技術者及び特定建設作業における専任の技術者
「電気通信工事施工管理」技術検定試験について、試験団体および国土交通省の情報をまとめ、さらに試験勉強の方法、予想問題も作ってみました。
出題形式等は他の施工管理技術検定試験に準じたものだと予想されます。
92%が給与アップの転職実績 電気工事施工管理技士の求人[PR]
「電気通信工事施工管理技士」の受験資格
〈1級電気通信工事施工管理技士〉
学歴/資格 | 電気通信工事に関しての実務経験年数 | ||
指 定 学 科 | 指定学科以外 | ||
大学・高度専門士 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヵ月以上 | |
短大・高等専門学校・専門士 | 卒業後5年以上 | 卒業後7年6ヵ月以上 | |
高等学校 | 卒業後10年以上 | 卒業後11年6ヵ月以上 | |
その他の者 | 卒 業 後 15年 以 上 | ||
2級電気通信工事
施工管理技士取得者 |
合 格 後 5 年 以 上 | ||
2級電気通信工事
施工管理技士 取得後5年未満 |
高 卒 | 卒業後9年以上 | 卒業後10年6ヵ月以上 |
その他 | 卒 業 後 14 年 以 上 |
※電気通信主任技術者:資格者証交付後6年以上の実務で受験できます。
※上記実務経験年数のうち、1年以上の指導監督的実務経験年数が含まれていることが必要です。
〈2級電気通信工事施工管理技士〉
学歴/資格 | 電気通信工事に関しての実務経験年数 | |
指定学科 | 指定学科以外 | |
大学・高度専門士 | 卒業後1年以上 | 卒業後1年6ヵ月以上 |
短大・高等専門学校・専門士 | 卒業後2年以上 | 卒業後3年以上 |
高等学校 | 卒業後3年以上 | 卒業後4年6ヵ月以上 |
その他の者 | 卒 業 後 8 年 以 上 |
※電気通信主任技術者:資格者証交付後1年以上の実務経験で受験出来ます。
※学科試験のみの受験は、受験年度に17歳以上の者であれば受験可能です。
ちなみに、電気通信工事施工管理技士における指定学科とは、電気通信工学・電気工学・土木工学・都市工学・機械工学・又は建築学に関する学科を言います(詳細は、試験実施機関の一般財団法人全国建設研修センターのホームページ及び願書の中にある「受験の手引」等で確認して下さい)。
「電気通信工事施工管理技士試験」の申込及び日程
1.申込用紙の販売
1級:2019年4月15日(月)より販売開始予定。申込用紙は1部600円。
2級:「学科試験(前期試験)」は2019年2月22日(金)~2019年3月20日(水)
「学科・実地試験、学科試験(後期試験)」は2019年7月9日(火)~2019年7月30日(火)に販売予定。申込用紙は1部600円。
2.申込受付期間
1級:2019年5月7日(火)~5月21日(火)
2級:「学科試験(前期試験)」は2019年3月6日(水)~2019年3月20日(水)
「学科・実地試験、学科試験(後期試験)」は2019年7月16日(火)~2019年7月30日(火)
※申込みは簡易書留郵便による個人別申込に限ります。締切日の消印のあるものまで有効です。受験者本人が記入のうえ、申込みを行う必要があります!
3.試験日及び合格発表日
1級「学科試験」:試験日 2019年9月1日(日)/合格発表日 2019年10月3日(木)
1級「実地試験」:試験日 2019年12月1日(日)/合格発表日 2019年3月4日(水)
2級「学科試験(前期試験)」:試験日 2019年6月2日(日)/合格発表日 2019年7月9日(火)
2級「学科・実地試験、学科試験(後期試験)」:試験日 2019年11月17日(日)/合格発表日
学科試験(後期試験)は2020年1月17日(金)、学科・実地試験は2020年3月4日(水)
「電気通信工事施工管理技士試験」の科目及び基準
〈1級電気通信工事施工管理技士〉
区分 | 試験科目 | 試験基準 |
学科
試験 |
電気通信
工学等 |
1.電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を有すること。
2.有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備等(以下「電気通信設備」という。)に関する一般的な知識を有すること。 3.設計図書に関する一般的な知識を有すること。 |
施工
管理法 |
電気通信工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する一般的な知識を有すること。 | |
法規 | 建設工事の施工に必要な法令に関する一般的な知識を有すること。 | |
実地
試験 |
施工
管理法 |
設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる高度の応用能力を有すること。 |
〈2級電気通信工事施工管理技士〉
区分 | 試験科目 | 試験基準 |
学科試験 | 電気通信
工学等 |
1.電気通信工事の施工に必要な電気通信工学、電気工学、土木工学、機械工学及び建築学に関する概略の知識を有すること。
2.有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備等(以下「電気通信設備」という。)に関する一般的な知識を有すること。 3.設計図書を正確に読みとるための知識を有すること。 |
施工
管理法 |
電気通信工事の施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理方法に関する概略の知識を有すること。 | |
法規 | 建設工事の施工に必要な法令に関する概略の知識を有すること。 | |
実地試験 | 施工
管理法 |
設計図書で要求される電気通信設備の性能を確保するために設計図書を正確に理解し、電気通信設備の施工図を適正に作成し、及び必要な機材の選定、配置等を適切に行うことができる一応の応用能力を有すること。 |
「電気通信工事施工管理技士試験」の形式及び時間
学科試験は四肢択一のマークシート方式、実地試験は記述式で実施され、学科と実地試験の両方に合格することで「電気通信工事施工管理技士」となれます。
学科試験に合格し、実地試験が不合格の場合は、翌年に限り学科試験免除となり実地試験のみの受験ができます。なお、2級の学科試験のみの受験合格者は、合格発表の年度から12年以内で連続する2回以内に実地試験を受けることとされています。
学科試験は現在、1級が(午前・午後合わせて)4時間30分で行われており、2級は土木と管工事と造園の3つの試験が2時間10分で、電気工事と建築の2つが2時間30分で行われています。
「電気通信工事施工管理技士」の学科試験の合格基準
学科試験の合格基準は、得点が60%以上というのが施工管理技術検定試験では定番となっています(年度によっては、試験の難易度に合わせて合格の基準ボーダーが数%下がる場合があります)。
〈1級施工管理技士〉
資 格 名 | 出題数 | 選択解答数 | 合格ライン |
1級電気通信工事施工管理技士 | ??問題 | ??問題 | ??問以上 |
1級電気工事施工管理技士 | 92問題 | 60問題 | 36問以上 |
1級建築施工管理技士 | 82問題 | 60問題 | 36問以上 |
1級土木施工管理技士 | 96問題 | 65問題 | 39問以上 |
1級管工事施工管理技士 | 73問題 | 60問題 | 36問以上 |
1級造園施工管理技士(全問解答) | 65問題 | 65問題 | 39問以上 |
〈2級施工管理技士〉
資 格 名 | 出 題 数 | 選択解答数 | 合格ライン |
2級電気通信工事施工管理技士 | ??問題 | ??問題 | ??問以上 |
2級電気工事施工管理技士 | 64問題 | 40問題 | 24問以上 |
2級建築施工管理技士 | 50問題 | 40問題 | 24問以上 |
2級土木施工管理技士 | 61問題 | 40問題 | 24問以上 |
2級管工事施工管理技士 | 52問題 | 40問題 | 24問以上 |
2級造園施工管理技士(全問解答) | 40問題 | 40問題 | 24問以上 |
「電気通信工事施工管理技士」の勉強方法
通常、施工管理技士試験合格のための勉強方法としては、過去問をベースとして知識を広げていくのが勉強方法の王道です。しかし、「電気通信工事施工管理技士」は新設国家資格のため、過去問題はありません。もちろん、勉強するテキストも本屋さんにありません。
そこで、私自身が施工管理技士の合格講座を担当してきた経験と知識から、「電気通信工事施工管理技士」のためのテキストを自ら作成しました。
題して「プロが教える 電気通信工事施工管理 要点解説と予想問題」。
[amazon_link asins=’4770327722′ template=’ProductCarousel’ store=’sekokamisama-22′ marketplace=’JP’ link_id=’f9efc8bf-ae64-4d74-a285-a2592a13d7f9′]
「電気通信工事施工管理技士」の予想問題を作成するに当たって、「電気通信工事施工管理技士」に類する資格として用いられていた「電気通信主任技術者」に目をつけました。
国土交通省発表の「電気通信工事施工管理技士に求められる知識と能力」と照らし合わせ、類する問題がないか徹底して調べ上げデータ化。頻出問題を中心にリストアップし、解説を付けて作成したテキストが「プロが教える 電気通信工事施工管理 要点解説と予想問題」です。
「プロが教える 電気通信工事施工管理 要点解説と予想問題」目次
第1章
電気通信工学 |
①電気理論 ②通信工学
③情報工学 ④電気通信網・ネットワーク技術 |
第2章
電気通信設備 |
①伝送設備 ②ネットワーク設備
③無線通信設備 ④セキュリティー ⑤放送機械設備 |
第3章
関連分野 |
①電源設備関係 ②機械設備関係
③土木工学・建築関係 ④契約関係 ⑤設計 |
第4章
施工管理法 |
①施工計画 ②工程管理
③安全管理 ④品質管理 |
第5章
法 規 |
①建設業法 ②労働基準法 ③労働安全衛生法
④道路法・道路交通法 ⑤電気通信事業法 ⑥有線電気通信法 ⑦電波法 ⑧放送法 |
第6章
実地試験対策 |
①実地試験対策 |
※多少変更がする場合があります。
「プロが教える 電気通信工事施工管理 要点解説と予想問題」内容
☆項目ごとに重要度A・B・Cに分けて、要点をまとめた解説を載せています。
☆電気主任技術者試験や他の施工管理技士試験で出題された重要ワードを太字にしてします。
☆各節毎に電気通信工事施工管理技士試験の出題予想問題と解説に加えて、1問1答形式の〇×問題、解説で、重要問題をカバー!
繰り返し、問題を解くことで4問択一形の試験と同形式の問題に慣れていきましょう!
電気通信工事施工管理で唯一の予想問題付きテキスト
2019年1月現在、電気通信工事施工管理技士のテキストとして販売が予定されているのは、日本でただ2冊のみ!予想問題付きテキストはこの1冊しかありません!
施工管理技士資格取得のプロが著作・編集したテキストでぜひ合格を掴みとってください!
2冊しかないというと、もう1冊が気になりますよね。ちなみに、もう1冊は試験実施機関の準公式といえる出版元で、施工管理技士資格の過去問解説集を出版している業者です(アマゾンで電気通信工事施工管理技士と入力するとこの2冊が出てきます)。
こちらのテキストは、まさに教科書といった感じで、幅広く詳しい解説がされています。情報量は多いですが、例題などがないため、ここから重要なポイントを絞って、試験をイメージして勉強するのはなかなか大変なのではないかと思われます。勉強が得意な人には、オススメのテキストです。
[amazon_link asins=’4886153399′ template=’ProductCarousel’ store=’sekokamisama-22′ marketplace=’JP’ link_id=’92005a3d-9028-4e15-ae04-3fb51e6bebaf’]
勉強が苦手な人は、問題を中心に知識を広げていく方がクイズ感覚で勉強が出来るため、頭に入りやすいのではないかと思います。本音を言うと、両方の購入し問題付きのテキストで試験問題をイメージしながら、教科書も参考にしていただくというのが一番オススメの勉強法です!
どちらのテキストも、過去問は無く、情報も少ない状態から手探り状態で作成されたテキストなので、この2冊両方に出てきている箇所は最重要箇所であるということになります!
※「電気通信工事施工管理技士合格セミナー」のご案内
関西建設学院では、「電気通信工事施工管理技士合格セミナー」として、各教科毎DVD講習(各4時間✕5本)+会場で行うまとめ講習(2日間)を実施予定です(日程は未定。詳細は関西建設学院ホームページにて)。受講者が10名以上集まる場合は、企業・組合・協会等への出張セミナー等も行っております。ホームページ記載の電話番号より「施工の神様を見た」とお問い合わせください。