九州最大の福岡県ドボジョにインタビュー
福岡県は、約510万人の人口を擁する九州最大の県で、鉄道、高速道路などの社会インフラが集積する九州経済の中心地だ。福岡市や北九州市といった都会部を抱える一方、海や山など多くの自然もある。
福岡県はここ数年、毎年のように大雨に伴う浸水被害に見舞われている。朝倉市などでは今も災害復旧工事が進められており、早期の災害復興が県政上の大きな課題になっている。
そんな福岡県庁の仕事の魅力ややりがいについて、ドボジョ3名に話を聞いてきた。
女性が働くなら、やっぱり公務員
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
高橋佑子さん(福岡県土整備事務所技術主査)
荒木さん
荒木翠子さん(都市計画課主任技師)
牛島さん
牛島幸子さん(朝倉県土整備事務所技師)
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
国は転勤があるし、市町村は仕事の規模が小さいことなどから、福岡県庁を選びました。出身が福岡県で、「福岡が好き」なのもありました。
荒木さん
初めは「福岡市役所もカッコ良いかな」と思ったのですが、福岡市民ではないので、福岡県庁に入りました(笑)。そもそも自分が住んでいるところで働くのが仕事のモチベーションにつながると考えたので、公務員かなと。
牛島さん
現場は「人と話す」のが主な仕事
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
荒木さん
牛島さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
業者と打ち合わせする高橋さん
荒木さん
今の部署は、まちの将来など全体的なことを考える仕事なので、勉強になるし、好きです。この経験は、また現場に出たときにも役に立つと考えています。
大石(施工の神様ライター)
牛島さん
仕方ないので、カッパを着て、1kmぐらいだったので、走って事務所に戻りました。事務所に戻ると、電話が鳴りやみませんでした。その日は対応に追われっぱなしで、事務所に泊まりました。
翌日からは係の人が現地調査に行き、自分はずっと事務所で災害報告の電話を受けて災害状況の資料の取りまとめや、道路の規制をかけるための資料づくりなど、新採の私ができる仕事を頑張る日が続きました。夜になるとみんなが現場から戻ってきて、被災状況の写真がどんどんと集まり、今回の災害の甚大さを知りました。
災害が起きてしばらくは休みなく深夜まで勤務し、豪雨で流れてきた土砂・流木の撤去や埋塞した側溝の清掃などの緊急工事を担当しました。今は、H30年災害で壊れた法面復旧工事を担当しています。
法面工事をチェックする牛島さん
「もっと俺が通りやすいようにしろ!」
大石(施工の神様ライター)
牛島さん
荒木さん
もっとも、「もっと俺が通りやすいようにしろ」などとお叱りを受けることが多かったですけど(笑)、おかげで仲良くなれて、結果的に工事もスムーズにいきました。完成したときには担当から外れていましたが、プライベートで橋を見に行って、感動しましたね。
高橋さん
「税金ドロボー」というクレーム電話は公務員あるある
大石(施工の神様ライター)
荒木さん
また、私が入庁して間もなく「平成24年7月九州北部豪雨」が発生し、水防班として土日出勤になって、現場に出たのも大変でした。JRの線路下のアンダーパスが冠水しそうだったので、車が入らないよう道路規制の誘導をしました。大変でしたけど、貴重な経験ができました。
高橋さん
大石(施工の神様ライター)
荒木さん
高橋さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
荒木さん
また、説明会が紛糾する原因になりがちですが、先輩から、「モノをつくる」ことより、「地元要望を断る」スキルが大事だと言われたことがあります。公共工事には公平性が求められるので、どんなに要望されても、結果的に不平等となる要望にはお答えできないことも多くて苦労します。
大石(施工の神様ライター)
荒木さん
牛島さん
高橋さん
荒木さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
荒木さん
牛島さん
大石(施工の神様ライター)
荒木さん
高橋さん
荒木さん
「あれもこれも全部私がつくった」
大石(施工の神様ライター)
牛島さん
荒木さん
ほかには土木施工管理技士の資格は取りたいなと考えています。資格を取れば、自分ができることも広がると思うので。
高橋さん
大石(施工の神様ライター)
高橋さん
例えば、自分が設計を担当した構造物があった場合、異動したとしてもその後もウォッチできますし、最終的に完成したときには「自分が設計したモノができた」という達成感を感じます。
荒木さん
インフラはあって当たり前なので、住民の方にもなかなか気づいてもらえないのですが、たまに「ありがとう」と言われることがあります。それは、モノが完成したときと同等の喜びがあります。
牛島さん