「一度も転職を考えたことがなかった」施工管理技士の転職理由
施工管理技士が転職する理由の中には「収入アップ」「キャリアアップ」「やりたい仕事をやる」といった前向きな理由から、「人間関係」「倒産」「介護」「病気」などやむを得ない理由まで、様々な内容が考えられます。
収入アップを目的として転職する方が多いと推測しますが、当時、工事現場での現場監督としての業務に満足していた私にとって、転職は絶対にあり得ない話でした。私と同様、転職をしたことがある・考えている方はもちろん、転職なんて一度も考えたことがない施工管理技士の方や、建築業で仕事をする技術者の皆さんへ向けても、いざという時に、転職経験者となった私の昔話がみなさんの参考になれば幸いです。
施工管理キャリアは、大学教授のコネでスタート
私が大学を卒業した頃は、就職氷河期とまではいかないものの、建設業界が全体的に冷え込んでいる時期で、就活をしてもなかなか建設系の会社から内定をもらえず、日々落ち込んでいました。その悩ましい状況を大学研究室の教授に相談したところ、「君にぴったりな大手ゼネコンがある。そこに行くか?行く気があるのなら連絡しておくから、明日にでも直接連絡してみなさい」と救いの手が差し伸べられました。
そのゼネコンこそ、大学の建築学科卒業から建設系公務員に転職するまで6年間お世話になった大手ゼネコンA社でした。ゼネコンA社の会長は、教授の学生時代の先輩で、すでに4人の教授の教え子が新卒採用でゼネコンA社の最前線で施工管理をしていました。教授の指示に従い、翌日ゼネコンA社におそるおそる電話をしてみたところ、会長のご子息である社長に取り次がれ、「先生から話を受けている。早速面接をしたい。」と言っていただきました。
今まで内定がもらえなかった就職活動がまるで嘘だったかのように、トントン拍子に内定・入社が決定しました。小さいときから建設業に憧れを持ち、建設会社に就職することが夢だった私にとって、ゼネコンA社にはこの上ない環境が整っていました。