60代は若手、40代は赤ちゃん? 電気設備のお医者さん「電気保安業界」の異質すぎる人材事情…

誰も知らない? 電気保安業界の現状

私は電気業界で末端の末端、しかもあまり知られていない業種である”電気保安業界”で保安業務従事者として働いています。

電気保安業界は世間一般ではほとんど知られておらず、故に仕事内容を説明する際にいつも困る仕事ですが、最近では「電気設備のお医者さんです」と答えています。

そんな私たちは、主に自家用電気工作物、いわゆるキュービクルの保安点検業務をしています。キュービクルといえば、ビルや工場で言う、まさに心臓です。

電気保安業界の人は〇〇ない?

年度末ですが、私たち電気保安業界も指名入札で忙しくなる時期です。私たちの業界は参入ハードルが高いため、入札は指名入札がほとんどです。

そんな入札時期になると、他社や個人事業主の方と1年ぶりに会えるわけです。

「最近どう?」「◯◯って言うところが進出してるらしいよ」「大手の電気保安法人が撤退らしいよ」などなど…何しろ1年に1回しか会わないので色々な話になるんですが、いざ久しぶりに会ってみると、必ず感じることがあるんです。

みんな、老けない!

久しぶりに会うのに、本当にぜんぜん老けてないんです。ただ、皆さんが若作りしているわけではありません。ヨレヨレの作業着を着ている人もいらっしゃいます。

なぜ彼らは老けないのかというと…。かなりお年を召した人ばかりだからです。

なんせ、私たちの業界で若いと指す年齢は60代。50代は子ども、40代以下は赤ちゃんと一緒なんです。なんと、90代でも現役がいらっしゃるとか…。一番活躍している年齢は60代で、続いて70代という、超高齢業界です

そんな業界ですから、1年ぶりに会ったところで老けるわけもなく、「5年前から変わってないですねー」なんて言っても、そりゃもともと爺さんだもん、爺さんが老けるわけがないですよね。

反対に、「あれ?ちょっとやつれた?」なんてことになったら、いろいろな意味でヤバい。そんな超高齢化&人手不足が進む「電気保安業界」の将来は、どうなるのでしょうか?

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工業大学電気工学科卒業後、工務店、工事店、電気保安法人、太陽光のO&M会社などを経て、今現在は某電気保安法人にて、営業しております。もちろん、保安業務従事者としての登録済み(受託案件は0件)。
また、お客様と保安業者をつなげるサイト「キュービクル 保安点検価格比較サイト」のコラム及び業務のアドバイスを担当しております。
技術的な話よりも、業界を知らない方向けのお話を中心に執筆できればと思っております。
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