圧縮強度試験の試験費を圧縮する方法

圧縮強度試験、何本採取してますか?

鉄筋挿入工やグラウンドアンカー工の圧縮強度試験、1日何本作成していますか?

法枠工では、仕様書に1週強度と4週強度の確認が明記されています。なので、1日に1個供試体を採取し、コア抜きを6本(θ7とθ28)します。

それでは、グラウンドアンカー工や鉄筋挿入工における供試体はどうでしょうか?

仕様書にはだいたい2回(午前・午後)/日と書かれていると思います。これは午前午後の打設毎に採取ということです(そのままですけど)。

例えば、午後に注入したとします。そうすると午前中は注入していないので、午後のみの供試体になります。

では、ココで何本採取しますか?

3本ですか? 6本ですか?

グラウンドアンカー工と鉄筋挿入工の品質管理基準

答えは、3本です!

グラウンドアンカー工や鉄筋挿入工の品質管理基準において、1週・4週分を採取とは書かれていません。基本は4週分だけで良いということです(普通セメントで話を進めます)。

ではなぜ、1階回の採取で6本(1週・4週)取る人がいるのでしょうか?

それは、グラウンドアンカー工であった場合、削孔・注入後に早く緊張定着を行いたいがために1週強度を採取しているからです。

1週強度で24KN以上の強度発現確認後に緊張工を行うので必要ということです。4週強度を待てないという我々の都合です(工期が圧縮されるという理由)。

国土交通省の共通仕様書にもただし、モルタルの必要強度の確認後に実施すること

と明記されています。

基本的にコンクリート強度確認は4週が基準です。コンクリート強度はとは、コンクリート打設から4週(28日)経過後の強度を言うことから、基本は4週です。

これを統一することで、バラツキの傾向や不良箇所を見出すことが出来ます。

上記理由により、4週が基本ですので、1週で強度発現が見られても、4週強度は必要なのです。なので、6本採取しているということになります。あくまでもグラウンドアンカー工における最終的に緊張工がある場合ですが。

しかし、鉄筋挿入工でも取られる方がいます。

鉄筋挿入工は4週強度発現後に受入試験を行います。この受入試験は、簡単に書くと抜けるか抜けないかを調べる試験です。

この場合、4週強度発現後に確認するのがセオリーでしょう。早く引っ張って早く終わらせたい場合は、1週強度発現確認後に受入試験を行うことが出来ます。

意味の無い管理は時間と労力のムダ

これまで、普通セメントを使用した際の例で書きました。

これを早強セメントにした場合、1週は3日、4週は7日に短縮されます。そう考えたらもの凄い工期短縮になります。

しかし、鉄筋挿入工の場合では、3日強度はただの無駄遣いなんです。

なぜかと言うと、打設本数等を加味しても、3日目に受入試験しても7日目に受入試験してもそう変わらないんです。

これが打設本数が5本だけだった場合も、削孔・注入で1日、撤収1日、予備日1日。合計3日です。

4日目に試験に行くのと、7日目に行くのとそう変わりませんよ?その3日で試験費5,000円前後(3本分)をロスするわけです。仮に打設本数が500本も1,000本あった場合、トンデモナイ金額になります。

そして、この部分(早く試験出来る)の品質管理で創意工夫での加点は見込めません。

なぜなら、鉄筋挿入工においては意味が無いからです。そんな試験とかいつでも良いじゃん?って感じです(重要視していない)。

しっかり施工していれば抜けることもまずありませんし、問題になることもありません!

最近はジャッキも軽い製品があります(後から持って上がっても簡単に管理出来る)。鉄筋挿入工における1週強度(早強だと3日)はモッタイナイってことです。

圧縮強度試験は非常にお金のかかる試験です。少しでも予算を圧縮したい部分ですが、しっかり管理したい部分でもあります。

意味の無い管理は無駄な時間と労力なんです。そしてそれは最終的にお金です。皆さんが管理している時間は全てお金に換算されているんです。

少しでも無駄を減らせれば会社も儲かりますし、施工管理者としての評価は高い!

無駄な施工管理はドンドン省いていったほうが残業せずに帰れますよ? 私は今は最低限+αくらいでちょうどイイと思っています(昔は作りすぎていました笑)最高+α だといくら時間があっても足りませんから。

ホドホドで良いのでは?って下請の私が書いてみました(下請が言うなって?笑)

※この記事は『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。

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大手法面専門建設会社に就職後、32歳で独立。あまりの暇さに「新エンタの法面管理塾」というブログを開設し、法面のノウハウを公開しています。
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