建設コンサル勤務の技術者は、技術士試験を"施工計画"で受けていいのか?

建設コンサル勤務の技術者は、技術士試験を"施工計画"で受けていいのか?

建設コンサル勤務の技術者は、技術士試験を”施工計画”で受けていいのか?

技術士(建設部門)を施工計画で受験予定

技術士の試験日が9月22日に決まった。これを受けて、改めて試験勉強に本腰を入れておられる方々も多いと思う。

私は、建設部門の施工計画で受験予定である。「建設コンサルタント勤務なのに施工計画?」と知り合いの技術者に言われた。「道路とかトンネルで経験あるんなら、そっちで受けたらいいんじゃない?」と。

そうだよなー・・・と自分でもそのときは思った。だが、今の建設コンサルタントに転職する前は現場で施工管理したり設計変更対応したり現場技術支援したり、あるいは役所で事業監理したり、と施工寄り?で過ごしてきた。

現場では工事に必要な図面や数量計上をするところから始まり、施工計画書の作成を手伝うことがあれば、品質管理を手伝うことも。施工管理を担当することもあった。そして、自分で施工計画書を作成して上司から意見や指摘をもらいつつ、発注者と協議をする機会をいただいた。

建設コンサルタントでも施工計画を立案・検討することはあったが、所詮は机上の論理だった。現場で施工計画を検討するのは、また別物だ。どんな作業があって、どんな手順で、資機材は何が必要で、どこに重機を配置して、どれくらいの工程が必要で・・・・・(その他諸々)、を検討する。現場では常にそれが求められることだ。


施工管理を経験するから、実現性の高い施工計画を検討できる

最近はコンサル業務で施工計画検討や事業監理、マネジメント業務が増えている。これまでの計画・設計業務もたくさんあるが、件数として施工計画や事業計画に関するものが増えている感覚がある。

これらは本来、施工管理の経験が必要だ。できれば5年程度の経験年数があればよいのではないか。もちろん5年あればできるという保証は何もない。1年でもいいかもしれない。

年数云々の議論はここでは避ける。大事なのは「施工管理を経験したかどうか」ではないだろうか。現場では何があるか、どうやって現場を回し、工事や事業を進めているのか。これらがわかるのは現場である。常に変化している現場に身を置いてこそ、わかることだ。

現場は生き物だという言葉を聞いたことがあるが、その通りだと思う。施工管理を少しでも経験したことがある方は、おわかりではないだろうか。建設コンサルタント勤務であっても、役所側でもいいから現場経験を積む意義はここにもあるのだと思う。


技術士を施工計画で受けることの意味とは?

話を戻す。建設コンサルタント勤務の技術者が技術士の施工計画を受けるのはなぜか、そこにどんな意味があるのか。今これを書いている時点で、はっきりしているものは無い。ぼんやりと思い浮かんでいることとしては、「できるだけ現場のことをイメージして設計とか検討をすること、現場で使える成果物を作ること」かな、と。

一方で、建設コンサルタント勤務の技術者が技術士の施工計画を受験するのには、疑問に思う向きもあるだろう。「施工の神様」でも時々見られるが、施工管理技術者の中には建設コンサルタント勤務の技術者を敵視する人がいる。敵視までいかなくても、良く思っていない人は多いはずだ。

設計成果と言っても現場で使えるシロモノじゃなく、工事受注者がいろいろ手直しをする場面はとても多い。私もそれを何度も経験している。一部だけ使えるならマシなほうで、全部使えなくて、ゼロから作り直したケースが少なくない。

そういう経験をしている施工管理技術者は多いはずで、その方々からすれば「なんで建設コンサルタント勤務者が施工計画で技術士を受けるのか?」と思う人がいてもおかしくない。

ただ、現場の経験を、ほんの少しでもいいから建設コンサルタントに還元したいと思っていて(きれいごと?)、それが建設コンサルタントに転職した動機である。少しでも現場の人たちの苦労を軽減できれば、と。

そういう考えで施工計画で技術士を受験する予定である。受けてもいいでしょうか・・・?

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建設コンサルタントに勤務する技術者。一時期、派遣社員としてゼネコンの現場事務所にCADオペや施工管理、工務係として勤務したことあり。積算はもちろん施工計画などいろんなことでわからないことだらけで日々勉強中。
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