土木工事において、工事成績評定というのは非常に大切になってくる。総合評価で仕事の受注量が変わってくるので、点数を取りたい会社は多いはずだ。
しかし、どこの土建屋も評定点をアップさせる加点には注目しているが、NG行動を気をつけているところは少ないように思う。
そこで、今回は工事成績評定の点数をダウンさせる可能性のあるNG行動について解説したい。
発注者に責任転嫁する
点数を獲得する上で発注者を味方にするか、敵にするかで、大きく難易度が変わってくる。逆にいえば、発注者と良好な関係が築けていれば、高得点を獲得することはそんなに難しくない。もちろん点数を獲得するために最低限の管理はするわけだが、発注者が味方になってくれることほど心強いものはない。
ここで絶対にNGなのが、発注者から修正依頼を受けた際、他責思考で発注者に強くあたってしまうことだ。こうなると発注者からの印象が悪くなり、高得点獲得の難易度がグッと上がる。
検査官が工事点数を評価するわけだが、発注者が高得点獲得のためのサポートをしてくれるのだ。発注者との関係性をまずは構築しておかなければ、高得点を獲得できる可能性は大幅に下がってしまうということだ。
仕事を一人で抱え込んでしまう
高得点を獲得しようとすると、揃えなければならない書類が山積みになる。ここで重要な考え方は、自分で全ての仕事をやろうとしないことだ。点数アップの具体的な内容としては、創意工夫や地域貢献といった内容があるが、これらの内容は正直自分たちで考える必要はない。
社内で協力してくれる部署があるのであれば、迷わず依頼したほうが良い。創意工夫の資料作成、地域貢献活動へ会社が参加していることをアピールしている書類が作成できれば十分に加点対象になる。それを社内で役割分担することで、自分は他の業務に集中できるのだ。
自分で全てをこなそうとするのではなく、業務を人に任せることで、効率よく高得点を取りにいける。
書類の整理ができない
工事項目で当たり前に提出するべき書類の不備が見つかった時点で減点対象になる。こういった提出書類ミスは、日頃から書類の整理ができていれば回避することができる。
道路使用許可や特定建設作業届といった、該当する工事に関する届出は当たり前になければ減点だ。届出は出しているが、打ち合わせ簿等でやりとりをしていないだけでも減点対象になる。
基本的なことだが、日々自分がやりとりした内容はファイリングしてまとめておくということが非常に大切になってくる。
検査時、質問に答えられない
検査時には、配置技術者の能力が評価される。検査官の問いに対して、適切に答えることができるかという能力を問われる。つまり、コミュニケーション能力が低いと減点の対象になってしまう。
検査の際、質問に対して詰まってしまうとどんどん質問がくるので、ある程度の返答ができるよう準備・練習はしておいたほうが無難だ。
逆に、話せればこの項目で減点されることはそんなになくなってくる。一点でも増えれば総合評価に大きく影響してくるのでばかにできない。ここは減点されないようにしっかりと話す対策をしておきたいところだ。
――工事成績評定において減点されないということも非常に大切だ。加点ばかりに目が行きがちだが、減点がかさむと高得点を取ることが非常に難しくなってくる。
当たり前の内容で、きちんと決められた様式で、決められた物を作っておけば減点されることも減るだろう。まずは上記のようなNG行動を意識してみてはいかがだろうか。