土木現場でよく見られる失敗
土木現場で私は何度も失敗を繰り返してきた。数えきれないほどの失敗をして、今ではようやく自分で施工管理をある程度できるようになった。
できることが増える一方で、年数を重ねた今でも分からないことがあるのも、この土木の世界の面白いところでもある。
今回は、土木施工管理技士である私の失敗談を例に、土木現場でよく見られる失敗を挙げていく。要因をきちんと分析し、リスクヘッジできるように準備をしておこう。
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予算オーバー
適切な予算の管理不足で、予算オーバーに陥ることがある。これは、不正確な見積りや変更要求のコントロールの不備、コストの上昇、資材や労働力などのコントロール力の欠如によって引き起こされる。
予算管理のためにプロジェクトマネージャーやコストエンジニアの専門家を導入し、予算オーバーを防ぐ手段を確立することが重要なのだが、実際に予算管理を現場で教えてくれる人は非常に少ない。
かくいう私も予算の組み方を現場で教えてもらったことは一度もない。自分で考え、捻り出した予算で大赤字を出した現場も何個もある。
しかし、この予算決めは数を繰り返せば確実に精度は上がってくるので、とにかく逃げずに現場でかかる費用を一生懸命考えて積み上げていってみることだ。それが予算管理ができるようになる一番の近道かもしれない。
工事の遅延
プロジェクトの期日を遵守することが難しい状況が土木現場では日常的に発生する。これは、計画の不備、資材の供給遅延、天候、労働力不足、許可取得の遅延など、さまざまな要因によって引き起こされている。
プロジェクトスケジュールの厳密な管理とリスク管理計画の策定が、工事の遅延を最小限に抑えることに役立つ。現場では工期延伸の申請を早めにするといった、リスク管理能力が必要になってくる。
工期が間に合わないことが明確になった時は、適切な理由があれば認められるので、自分の現場で工期が間に合わないであろう原因を追求し、きちんと取りまとめておく習慣を身につけよう。
品質不足
品質の管理がおろそかになり、施工過程や仕様の準拠が不適切な場合、後でコストがかかる修正が必要になることが一番怖いポイントだ。現場管理で品質管理を怠ったがために、のちに莫大なコストと責任を負うことになった企業は数知れない。
品質管理は当たり前のようで、現場管理の当事者からすれば様々な要因によって守ることが難しくなってくることも多々ある。
生コンの温度管理をする際にも段取り替えで職人が鬱陶しいと感じることもあるだろう。単にこちらが品質管理をしようとしても、職人との行き違いで適正な管理が行えない状況になることも何度もある。
品質管理の問題は土木業界の永遠のテーマだ。
安全規則の無視
安全規則や手順の無視は重大な事故や傷害を引き起こす可能性がある。安全管理も今や当たり前に現場では言われることであるが、完全に守れるかと言われれば正直首を傾げる。
危険な作業はするな、工期は間に合わせろというのは、現場管理者からすれば少し矛盾している。普通に施工して間に合わないのであれば多少のリスクを取らなければ不可能な場面も出てくる。
しかし、我々施工管理はそれを断じて許してはいけない。ここを許してしまうと後々大変な事態になりかねないので、注意しておかなければいけない。
コミュニケーション不足
発注者や職人など工事関係者とのコミュニケーションが不足すると、問題や変更要求が見落とされ、誤解や混乱が生じる。
コミュニケーションが取れない現場監督は、厳しい言い方をすれば使い物にならない。コミュニケーションをしっかり取るというのは大前提で、コミュニケーションが取れない、もしくはコミュニケーションがない現場は、私の経験上100%失敗する。
転職に成功する施工管理と失敗する施工管理の「わずかな差」とは?