建設業界で爆速成長するには

なぜ専門用語を覚えないといけないのか

僕はいつも、専門用語を覚えるのは新人の義務だと言っています。専門用語はそのくらい施工管理において重要だと思うからです。というよりも、使いこなせなければ仕事が成立しないことすらあるのです。

まず、どんな業界にも専門用語は存在します。歴史の浅いIT関係ではカタカナの用語がたくさん使われますし、医療業界でも農業でも、あらゆる業界で独特の言葉は存在しています。中でも、歴史が古い建設業界では、かなり多くの専門用語が使われているように思います。

新人の頃、先輩からこんな指示をされました。

「梁の天端に親墨が出てくるから、そこから100切ってぼってくれば、きちんと子墨が出せるだろ?」

・・・僕は当然「え?」となるわけです。

こうやって文字で表現すればまだわかりますが、言葉で話されると、呪文のようにしか聞こえないわけです。もちろん時間とともに理解できるようになり、気が付けば自ら使えるようになってきたわけですが。

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専門用語には”2つの意味”がある

専門用語には2つあります。それ自体に意味を持つ専門用語と、周りに気付かれないように隠語として使用する専門用語です。

例えば、医師が記すカルテにはドイツ語が使われます。患者にわからない言葉を使うことで、重要な情報も堂々と伝えることができます。これが隠語としての専門用語で、当然医療業界側の人は読めなければ仕事になりません。

建設業界で使われるのはもう一方のほうで、言葉自体に意味を持ちます。本来ならたくさん説明しなければわからないような場所や道具や行動などを、たった一言で的確に表現することが出来ます。

例えば、階段の段がある側ではなく、その裏側の斜めになっている面のことを、専門用語で「段裏(だんうら)」と言います。もしそこを直してほしいという旨を、電話で指示するとしたらどうでしょうか。

専門用語を使えない新人は、きっと長々と説明した挙句に、職人のもとへ出かけていくことになります。ですが、先輩は違います。

「段裏に傷があるから直しておいて」と言えば、確実に伝えることが出来るのです。これが専門用語のパワーです。

もちろん職人さんや、先輩同士の会話でも、日常的に多くの専門用語が使われます。ただ、横にいる新人には、何を言っているのか理解ができないのです。これが、雑談のうちはいいかもしれません。でも、これが業務だとしたらどうでしょうか。

専門用語を覚えることは「義務」

どんなに説明しても理解してくれない。指示を出しても、違うことをする。最悪の場合、勘違いをして事故を起こすことだってあり得ます。その理由は単純。専門用語を理解していないからです。だから、覚えることが義務なのです。

理由はそれだけじゃありません。仲間になりづらいという理由もあります。若いうちしか使わない、流行りの言葉ってありますよね。これ、理解できないと友達としてなじめない感覚、わかりますよね。それと同じです。

だからこそ、先輩や職人さんの言葉についていけたなら、他の業界の人にはわからない言葉を使いこなすことになり、なんだか業界の仲間になった気がしてしまうのです。なじみやすいですよね。

重要なことは、新人が少しでも早く仲間になり、同じ言葉や目線で会話できるようにすることです。同時に、業務がスムーズに進むことです。だからこそ、専門用語を覚えることは義務であり、一刻も早く覚えてもらうことが大切なのです。

新人のあなたは、わからない言葉が出てきた時には、すぐに「それどういう意味ですか?」と聞きましょう。そして先輩は、一般的じゃない言葉を使う際には、きちんと説明してあげましょう。

長い目で見た時、それが素早い成長につながり、結果として一番の生産性向上になるのかもしれません。

※この記事は、『 【インスタで学べる】1日たった3分で学べる建設コラム 』の記事を再編集したものです。


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【プロフィール】
武田 祐樹(たけだ ひろき)

総合建設業に17年在職し、所長歴は11年、官民問わず数多くの実績を積む。その後2020年に起業・独立。
「建設業をワクワクする業界へ」をスローガンに、DX化の推進や若手育成、魅力発信を行う。
「建設業効率化施策の仕掛け人」として、ABEMA Primeに出演。

◇保有資格◇
一級建築士
1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士

株式会社RaisePLAN 代表取締役

【運営・活動】
【現場ラボ】:建設業の変革をサポート
【現場ラボコンサルタント】:新人・若手の研修、教育
【Edu建(エデュケン)】:建築施工管理のeラーニング
【講師活動】:DX化、部下育成、建設業に関するセミナー・講演

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