現場監督として、地場コンやスーパーゼネコンに就職する人も多いだろう。そのほとんどの会社が新入社員研修を行っていると思うが、社内での研修内容があまり良くないと感じている。
会社の歴史や企業理念などを教育すること自体は問題ではなく、その後の業務研修が非常にまずい。そう感じる理由を説明しよう。
現場監督業務の基礎知識
新入社員研修の段階で、なぜ現場監督業務の基礎知識を教えないのか、いつも疑問に思っている。
スーパーゼネコンなどは研修体制がしっかりしている会社が多く、現場に入った際に研修が役に立ったと感じることも多いだろう。
しかし、地場コンなどは、研修では会社の就業規則や座学的な研修ばかりで、現場業務は現場に配属されてから見て覚えるような体制をとっている会社が多いように感じる。
確かに、現場での業務は現場に出て経験して覚えるほうが早いかもしれない。しかし、現場で使う基礎知識は、研修の段階で徹底して覚えさせておくべきだ。
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生コンの計算方法
生コンの計算をするときには、基本的に算数のレベルで計算できるので、研修で特に気にしていない場合が多い。
しかし、高校や専門学校を卒業して、いきなり現場に出て生コンのボリュームを計算するように指示を受けても、頭にハテナマークが浮かぶ人もいるだろう。
現場では当たり前にボリュームを求めるので、初めの段階で計算ができなければ、できない奴というレッテルを貼られてしまう場合もある。
新入社員にそういった辛い思いをさせないためにも、研修の段階で様々な図形の計算などは練習させたうえで、現場に出すべきだ。
レベル測量
レベル測量も現場で覚えるべきだという風潮があるが、私は反対派だ。光波は現場で覚えても良いと思うが、レベル測量は、測量の概念を覚えておかなければ、応用したときに必ず失敗する。
研修で教えられていないということは、現場で何も分からず、ただ怒られるだけになってしまう。
例えば、IHひとつとっても、きちんと機械高の概念が分かれば、そこから計算方法や同じ高さを移す作業を行う際にも、頭で理解して応用することができる。
しかし、現場では、スタッフの読みを読ませて、その読み値とBSの基準高を足した数字がIHといった薄い説明しかされないことは決して珍しくない。
レベル測量も研修段階で詳しく教えるべきだ。
基本的な勾配や斜率の考え方
土木現場では、近年ICTが普及してきており、丁張などの計算も必要なくなるほど技術が進んできている。しかし、まだまだ丁張を計算でかける会社も多い。
丁張設置の際に避けては通れないのが、勾配や斜率といった考え方である。そもそも勾配とはなんなのか、斜率はどんなときに使うのかをしっかりと頭に叩き込んでおく必要がある。
特に、初めの頃は勾配と斜率がごちゃ混ぜになり、計算時にとんでもない間違いをしてしまいやすい。研修の段階でこの考え方を整理するとともに、よく使う勾配の「1:0.1~0.5」くらいまでの斜率は覚えさせるくらいのことはしたほうが良いように思う。これさえ理解しておけば、初めのうちはかなり助かるはずだ。
――知識や技術は現場で全て覚えるものというスタンスは、新人現場監督にとって結構キツイと感じるはずだ。
現場に入る前に、どれだけ充実した研修ができるかどうかで、仕事の理解度や定着率も変わってくるのではないだろうか。
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