土間コンクリートの補修工事を、いつもと違う業者に頼んだら
よく民間工事でお願いされるのが、一般家庭のガレージや庭にある土間コンクリート(土間コン)の補修工事である。
土間コンクリートの仕事を頼まれたら、基本的には、下請けの施工業者さんに話を振って、私が管理業務を行う、といった流れで施工を進めていく。
しかし、ある日のこと。いつも施工を担当してもらう土木業者が忙しく、やむを得ず、別の知り合いの業者に、施工をお願いすることになった。
その業者は普段、下水工事を主に請け負っており、私がこれまでに見たことがない材料を用いて、土間コンクリートの施工を開始したのである。
土間コン打ちは、意外と手間の多い !
土間コンクリートの補修工事の手順は、まず既設のコンクリートを撤去した後、配筋を行い、新しく生コンを打設する、といった施工方法が主流だ。
少なくとも私が今まで施工を依頼してきた土木業者さんは、毎回そういった施工方法で土間コンクリートを補修してくれていた。
既設コンクリートを撤去するために、コンプレッサーやブレーカーを段取りして、なおかつ生コンを取りに行くなど、民間工事の土間コンクリート打設は意外と手間がかかるのである。
土間コンクリート補修工事の救世主「床用のセメント材」
しかし、今回初めて仕事をお願いした施工業者さんは、意想外にも、ある材料での施工を提案してきた。乗用車が出入りするくらいの場所なら、簡単にできる良い材料があるというのだ。
恥ずかしながら、私はその材料の存在を全く知らなかった。
その新しい施工業者が提案してきた材料とは、「床用のセメント材」である。そのセメント材には2種類あり、「厚塗り用」と「薄塗り用」の両方を使用するそうだ。
私はお施主さんに確認を得たうえで、「床用のセメント材」の使用を許可した。
既設コンクリートを撤去する必要がない
私が驚いたのは、「床用のセメント材」の使用方法だ。
材料と水を混ぜて使用するのだが、それを既設のコンクリートの上に塗っていくだけ、なのである。
材料の見た目は土木工事でもよく使用する、補修用のセメント材によく似ている。
具体的な商品名は、豊運の「床用あつぬり」「床用うすぬり」というものだった。
床用あつぬり/豊運
まずは「厚塗り用」の材料を補修箇所に塗っていく。そして、「際」の部分を「薄塗り用」の材料で塗っていく、といった非常にシンプルな施工方法だ。
既設のコンクリートを撤去せずに、土間コンの補修を行うのは初めてだったので、とても驚いた。
コンクリート強度に問題は?
施工が簡単なのは嬉しい。しかし、一番心配なのは、その強度が大丈夫かという事だ。
すぐに施工業者に確認したが、家庭の乗用車が一日何回か出入りするくらいなら全く問題ないという。
私が見てきた補修セメント材は、見た目はある程度キレイになるが、耐久力はそれほど強くなく、すぐにはがれてしまうイメージだった。
しかし、今回使用した床用のセメント材「床用あつぬり」は、強度を考えて作られているため、値段も通常のセメント材よりも高価で、こういったガレージなどの家庭の土間コンの補修には適した材料だ。
使用できない事もあるので注意!
この床用のセメント材は、見た目もとてもキレイで、全くデメリットのない材料に思えた。しかし、使用できないケースもある。
例えば、設計上、土間コンの高さを上げたくない時などは、当然既設コンクリートの上にセメント材を塗るわけなので、この施工方法は使えない。
また、莫大な㎡数の施工では、生コン打設で強度を出して新しく打設した方が早い。
つまり、この土間コンの補修方法は、民間工事の小規模な工事で、施主が嫌がらない限りは、とても早く手間のかからない施工方法だと言える。
あくまでも民間工事は施主の要望が第一なので、了解を受けたうえで施工を行えば、既設コンクリートの撤去作業が省けるのは、施工業者からしても、とても魅力的である。
手抜きではなく、楽に仕事を進められる便利なアイテムとして、土間コンクリートの補修工事で、ぜひ使用してみてほしい。かなり便利だ。