「ICTは常識ですよ!?」とマウント取る営業マン
建設ICTやっていますか?
先日、ある元請けの経営者と話していたんですが、
「建設ICTは無駄だよ」
って言ってました。
この元請けは、i-Constructionを会社内で進め、実際にそう言った対応のBH(バックホー)も購入し、本格的にしっかりやっています。
ICTバックホーは2000万~程度で、従来機の約2倍位します。それを買ってICTやっても、お金になりにくいらしく、社員が疲れるだけ、と。役に立っている機器はTS出来形管理くらいだそうで、あとはサッパリ。
国交省工事は入札から一年以内の履行証明書で加点されて多少有利に動くそうですが、その程度。国交省の担当官を若干喜ばせて、まあそれでいんじゃね? 的な感じなんでしょう。
ICT専門業者? が、我が物顔で「今はICTですよ!? 常識ですよ!?」「このソフトが凄いんです!」って感じでマウント取りながらやってくる営業マン。
それに乗ってしまった元請けは、毎年の如く更新されるアホみたいに高いソフトウエアの更新料が。それに付いていけなくなる年老いた監督。気がつけば他社のソフトに変更…
まずは訳の分からない独自書類をやめろ!
書類簡素化をうたった国交省も、いまだに紙での打合せ。各都道府県も国交省に右にならえと言いつつも、訳の分からない独自書式と書類。
挙げ句の果てに、担当者もサッパリ分からないi-Constructionを施工業者が教えつつ施工し、上辺だけしか知らない上辺おじいちゃん検査官の竣工検査。
i-Constructionもイイと思います。新しい技術をドンドン取り入れてテクノロジーは進化していきます。電子納品が始まったあの日のような感じがします(笑)。電子納品のお陰で施工管理がどれだけ楽になったか!写真整理が楽になるのは最高ですよ!
ここでもう1つ国交省や各都道府県にやって欲しい事があるんです。
全ての書類を統一化して欲しい! どこの業者も大手企業も地元企業も同じ書類に統一! Web上で出来形・品質、安全を入力…。クレダスがコブリスに変わったように!!
そうすれば、書類の出来不出来が無くなりますよね? ドンドン高齢化していく検査官が分かりにくい書類とかわかりやすい書類とかでなく、同じ書類で良くないですか? 出来ているの当たり前で検査受けているわけですから。
生コンの納品書? 出荷証明? JIS規格の生コン屋ですよ? 構造物出来てるやん?
それもwebにスキャンで添付で良いのでは? わざわざA4に張り付けて出す必要ありますか? 書類に特色出す必要ありますか?
この辺も整備されれば、i-Constructionもやっているやっていないの判定だけでいい。現段階でそれ程評価の対象に無いようなので。
現場の仕上がりよりも、書類のデキが評価される矛盾
ここ数十年、現場の仕上がりの評価よりも、書類のデキの評価も多くなってますが、本質はそこじゃない!って思っています。
当然、不可視部はしっかり写真があれば良いと思います。その上で現場重視の検査が適当だと思うんですよね。
そうしたら、「建設ICTのお陰でこんなに楽に施工出来ました! 良い仕上がりでしょ?」とか言えることにもなるのかな?って思うんです。
新しい後輩・社員に書類整理を教えるよりも、施工・施工管理を教えたほうが為になるし、成長も早い。書類は共通webに打ち込めば書類が出来るって事を教え、それを踏まえ施工管理を教えれば必要なモノは全て揃う。教えるほうも、教わるほうも簡素化出来る。
書類に個性などいらない。
いかに検査官が見やすい書類、いかに分かりやすい豆図をこだわって作ってきた私の結論です。
希少価値の高い現場監督の労力を無駄な書類に費やして欲しくないですね。
※この記事は『新エンタの法面管理塾』の記事を再編集したものです。