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「建設業はインフラそのもの」地域建設業を救う、国交省関東地方整備局の“素晴らしき挑戦”

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長井 雄一朗
公開日:2019.01.08
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左から、国土交通省関東地方整備局企画部技術管理課基準第一係長の永瀬薫氏、技術開発調整官の吉見精太郎氏、技術調査課建設専門官の井口和夫氏

左から、国土交通省関東地方整備局企画部技術管理課基準第一係長の永瀬薫氏、技術開発調整官の吉見精太郎氏、技術調査課建設専門官の井口和夫氏

目次
  1. 『"地域インフラ”サポートプラン関東』とは何か?
  2. 地域建設業そのものもインフラ
  3. 工事関係書類を必要最小限に『工事関係書類スリム化ガイド』
  4. 関東地方整備局の『技術者顕彰銘板試行基準』
  5. 改正品確法の徹底へ、420の市区長村に情報発信
  6. 発注情報がひと目でわかる「発注見通し統合」
  7. 3次元測量・出来形管理のドローン研修
  8. 『セーフティサポートニュース』で事故情報を共有
  9. 週休2日の確保へ、各地で事例続々
  10. 関東地方整備局の多様な入札方式の狙い
  11. 地域の建設業をもっと元気に!

『”地域インフラ”サポートプラン関東』とは何か?

国土交通省関東地方整備局は2017年10月、『”地域インフラ”サポートプラン関東2017』を公表した。

『”地域インフラ”サポートプラン関東2017』とは、建設現場における「担い手確保・育成」「生産性向上」「建設現場の魅力発信」の3つに重点を置いた16の取り組みだ。

関東地方整備局の独自の取り組みで、他の地方整備局からも注目を浴びており、管轄内の建設業協会や施工業者からも好評を博している。

インフラ整備の課題については、ようやく一般メディアも報じるようになってきたが、『”地域インフラ”サポートプラン関東』の果たす役割とは何なのか?

『”地域インフラ”サポートプラン関東2017』の中心メンバーである、吉見精太郎氏(関東地方整備局 企画部技術開発調整官)、井口和夫氏(同 技術調査課建設専門官)、永瀬薫氏(同 技術管理課基準第一係長)に、サポートプランの内容と、その意義について聞いてきた。

地域建設業そのものもインフラ

――そもそも、関東地方整備局が独自に取り組みを始めた理由は?

関東地整 昨今、国内の災害は激甚化しています。社会インフラの老朽化も著しく、戦略的な21世紀型のインフラ整備が求められています。しかし、その一方で建設現場で働いている技能労働者340万人のうち約110万人が高齢化で離職すると推測され、追い討ちをかけるように建設業の生産性が成り立たなくなる恐れがでてきてます。

また、建設業は「きつい」「汚い」「危険」という3Kのイメージがあるので、受注者・発注者ともに、新たな入職者の確保・育成が難しく、地域建設業とインフラの存続に危機感がありました。

そこで関東地方整備局として、地域のインフラの安全とそれを下支えする建設業を支援する目的で、2016年から『”地域インフラ”サポートプラン』を展開することにしました。

『”地域インフラ”サポートプラン関東』の方向性は、「建設業は地域のインフラそのもの」という考え方のもと、関東の1都8県の建設業協会の要望を反映した形で、サポートプランが策定されました。

当時の太田昭宏国土交通相が「給料が良く」「休暇が取れる」「希望が持てる」という「新3K」を提唱したこともサポートプラン策定を後押ししました。

工事関係書類を必要最小限に『工事関係書類スリム化ガイド』

――サポートプランは16の取り組みを実施していますが、そのうち主な取り組みポイントとして、以下の8点を挙げています。

  1. 『工事関係書類スリム化ガイド』の発行
  2. 技術者の誇りを示す銘板設置拡充
  3. 『発注者ナビ』の配信
  4. 『発注者見通し』統合を1都8県で展開
  5. UAV(ドローン)研修の拡充・支援
  6. 『セーフティサポートニュース』の配信
  7. 『週休2日チャレンジサイト』
  8. 未来の建設業を支える入札・契約方式の実施

1点ずつお伺いしていきたいのですが、まず『工事関係書類スリム化ガイド』とは何でしょうか?

関東地整 『工事関係書類スリム化ガイド』は、その名の通り、工事関係書類を必要最小限にスリム化するために、削減可能な工事書類と紙と電子による工事書類の二重納品防止の徹底について分かりやすくまとめたものです。

現場監督の方々から「書類の簡素化」を要望する声をよくいただきますが、実は本来必要のない書類も作成・提出してしまっている場合も多いのです。

そこで関東地方整備局では、2008年度に「土木工事書類作成マニュアル」を策定し、工事書類の簡素化を目指してきました。このマニュアルでは、契約図書上必要のない書類は作成しないことや、発注者・受注者のどちらが作成すべき書類かを明記するなど、工事現場の技術者や監督職員等が使いやすいよう、工事の着工から完成までの一連の流れで必要な書類等の作成についてまとめています。

しかし、この「土木工事書類作成マニュアル」の活用が徹底されていないことから、2016年度に、1都2県の建設業協会と共同で工事書類の点検を実施し、削減項目を抽出しました。その結果を踏まえて、2017年度に『工事関係書類スリム化ガイド』を作成しました。このスリム化ガイドを受注者に配布し、工事書類の簡素化を進めています。

――『工事関係書類スリム化ガイド』の効果は?

関東地整 技術者の方からは、不要な書類作成がカットされ、負担軽減に繋がっている等の意見をいただいています。また、これまでは現場ごとで書類作成の統一感がなかった場合もありましたが、必要な書類の中身を明示することで、受注者・発注者ともに情報を共有することに成功しました。

少しずつかもしれませんが、書類の標準化、統一化を目指しています。可能な範囲で国と自治体も同じ様式書類になれば、さらに簡易化できます。今、国と各都県の様式書類の突き合わせ作業をして、同じような書類であれば統一するよう、呼びかけているところです。

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長井 雄一朗
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建設専門紙の記者などを経てフリーライターに。建設関連の事件・ビジネス・法規、国交省の動向などに精通。 長年、紙媒体で活躍してきたが、『施工の神様』の建設技術者を応援するという姿勢に魅せられてWeb媒体に進出開始。
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