最終面接で「好きなパン」を聞かれた僕は、採用?不採用?

皆さんは、こんな経験ありますか?

建設業界で働き始めて5年が経とうとしている。人によるとは思うが、私の場合は3回転職をして、現在はフリーランスに近い形で、プロジェクト形式で業務を行っている施工管理技士である。

過去に何度か転職をしているが、転職活動は、正直「なんだその質問」と思うことや落ちたと思っていたのに内定をもらったりと、何が起こるか分からない。

「好きなパンはなんですか?」

これは、私が実際に最終面接で聞かれた質問だ。

初めての転職活動で聞かれた質問だが、今でも印象に残っている。私は、心の中で不採用だからふざけているのかなとさえ思った。

考えてもみてほしい。建設業界で想像していた質問は、「今後どのようなスキルアップを考えていますか?」「うちの会社の志望動機は?」「CADなどの操作はどのくらいできますか?」など大抵こういった質問が想定されると思う。

そして、こちらもそれを想定した答えをある程度準備をして面接にのぞむ。

この会社は、地元では名の通った大手の元請会社である。つまり、しっかりとした実績のある会社が私に好きなパンを質問してきたのだ。

話を面白くしようとかで言っているのではない。本当に聞かれた面接の質問だ。

面接でパンを答える日が来るとは

私は、とっさに笑顔で「クリームパンです」と答え、聞かれてもいないのに気づけばその理由を話していた。

一応言っておくが面接官は至って真面目な態度である。ふざけて聞いてきているのではない。あくまでも”真面目”な最終面接だ。

質問の意図を何度も考えたが、その場でその意図を汲み取ることはできなかった。そして面接が終了し、質問の内容と自分の回答を振り返って落選したなと思っていた。

理由としては、聞かれてもいないことを自分からベラベラ喋ってしまったこと、質問自体が本当に理解できなかったので私を採用する気がないと思ってしまったことなどいくつかある。


僕は「クリームパン」を引きずっていた

数日後、面接を行った会社から連絡がきた。結果は意外にも「採用」という結果であった。

自分の中では確実に不採用だと思っていたので、嬉しさが勝った反面、なぜ採用されたのかという疑問が頭の中に残った。その理由がわからないまま、私はその会社で働くことになった。

その会社で働き始めて半年が経ち、会社の環境にも徐々に慣れ、他部署の方とお話をする機会も増えてきた。そんな中で、人事部の方とたまたまその面接時の話になった。私は率直に面接時の疑問を人事の方にぶつけた。

最終面接の質問内容で好きなパンを問われたこと、そして私の回答でなぜ合格だったのかということを尋ねてみた。すると、驚いた様子もなく人事の方はこう答えた。

「毎年面接の内容は少しずつ変わるけど、予想もしていないような質問をするのは、この会社の最終面接では当たり前のことで驚く人が非常に多いんだよ。そして、その質問の回答は面接官は全く気にしていない。」

私はこの話を聞いて驚いた。深い意味があると思っていた意味の分からない質問は、特に回答の内容は問わないというのだから驚きである。

なにパンが好きでも関係なかった

では、なんの意図があってそのような意味のない質問をしたのだろうか。答えは、すごく納得できるものであった。

面接官は質問の内容ではなく、急にきた意味の分からない質問に対して、どのように対応するのかその反応を見ていたそうだ。

施工管理技士は、様々な人間と折衝を行い状況の変化に対応しなければならない。意味の分からない質問にも、とっさに自分の言葉で返答した私は、十分にその資質があると認めてもらえたようだ。

このように、会社によっては施工管理技士としての資質を問うために、様々な角度から人材を評価している会社もある。一見するとわけの分からない質問でも、やはり意味があるのである。

今になって思うのは、現場で仕事を行う上で非常に大切なのは、間違いなく人と折衝する能力であるということだ。

この記事をお読みになられた方で、「面接でこんな面白い(不思議な?)質問をされた」というご経験がお有りの方は、ぜひコメント欄にて教えてほしい。

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